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ベーシックインカムと一日三時間労働が世界を救う?隷属なき道を読んで

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数週前だったと思うのですが、民進党から立候補予定の人がベーシックインカムについて提言をして、色々と議論を巻き起こしておりました。

まぁ、これが自民党だったらまだまともな議論になったのでしょうけど、如何せん埋蔵金の前科が重すぎるため耳を貸さない人も多くなってしまうのでしょう。

昨年ベーシックインカム関連の記事を書きましたが、何故このタイミングでベーシックインカムの議論が出てきたかというと、ルトガー・ブレグマンの隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働が話題になったからでしょう。ちょうどこの本を読んでたタイミングで提言が出てきましたし。

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ちなみに日本語版編集チームからはルトガー・ブレグマンはピケティにつぐ欧州の新しい知性の誕生とまで言われています。

本書の大まかな内容としては、人間の能力をAIが遥かに超えていく時代に、わたしたちはなにを幸せとし、なにを社会のあるべき姿とするのかというのを問いかけて、「AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働」「福祉はいらない。お金を直接与える」ということを提言しています。

個人的にこの本に関して印象に残ったのは以下の3点ですね。

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なぜベーシックインカムが必要なのか?


ベーシックインカムが必要と説く理由を簡潔にまとめると以下の通りです。

  • 機械(AI)との競争に人間は負けて、失業して収入の道が絶たれる。
  • よって競争に負けた人にも収入の道を用意しなくてはならない。

そして最終的には、生活に必要な資金はベーシック・インカムとして配られ、人は儲かる仕事ではなく、すべき仕事に専念する。そして人々がお金の呪縛から解放されて、自分のすべきこと、したいことができる社会こそユートピアであると説いています。

ベーシックインカムに関しては生活保護の議論と同様に、人は働かなくなり、怠惰になるという話が出てくると思いますが、この本は多くの反証を上げています。また、示されたデータの中では、「予算的に可能」「経済成長可能」 「医療費の削減可能」とも上げられてました。

世界各地での実証事例として以下が上げられていました。

  • アフリカ、南アメリカ、アジア
  • 1970年代カナダ
  • アメリカでも1960年代にニクソン大統領により実施直前までいった

ただ、結果的に1970年代カナダやニクソン大統領時代に実施直前までいってやめた理由に関しては、反証として出されたデータが間違っていた等を上げていましたが、若干説得力は弱いかなと思いましたね。

ケインズは1930年代に1週間の労働は15時間になると予想したが、1970年代から労働時間が増えている


多くの人々が「テクノロジーの進化によって人間がやるべき仕事は減る」と信じていた1930年代に、ケインズは2030年代には1週間の労働時間は15時間(1日3時間)になると予想ました。

実際に戦後、多くのイノベーションが生まれて労働時間は減少傾向だったわけですが、1970年代から人々が働く時間は逆に増えたのです。

ブレグマンは過剰な消費主義社会、資本主義社会によって、新しい価値を生まない、くだらない仕事が増えたからと言っています。特に金融業界に批判的で、以下のように労働時間が増えた元凶として批判しています。

  • 金融業界による利益は実体経済を豊かにはしないが、研究者はその何倍もの価値を経済に還元する。私たちは才能ある個人を「負の外部性をもつ職業から正の外部性をもつ職業に再配分する」必要がある。
  • 1970年代、ハーバード大学の卒業生で研究の道に進む人は金融業界に進む人の2倍いたが、今ではその割合が逆転し、金融業界を選ぶ人が研究者の1.5倍になっている。
  • 優秀な頭脳が本当に有益な仕事をする(発明、研究、教育等)ために、政府や教育は税制の変革など抜本的に変わらなければならない。
確かに金融業界に行く人間が増えている傾向はあるかもしれませんが、その中でもイノベーションは1970年代以降も起こり続けているわけですから、一概には言えないのではないかと思いました。

ただ、アメリカやイギリスほど金融立国ではない日本の場合、発明や研究に関する支援は増やすべきと思うので、この提言を政策に入れていった方がいいと考えます。今ノーベル賞受賞している日本人が多いのはやはり数十年前の支援が大きかった頃の影響が大きいと考えますし。

提言は素晴らしいが、政策の実現や国ごとの条件等について言及はなかった


本書は様々な調査結果やデータが提示されていて、相応の説得力を持っていますし、斬新な視点だと思います。こういう政策を思い切って提言していく必要性がある時代が迫っているといえそうです。

一方で、従来の社会保障制度に対抗し、どのようにベーシックインカムのような画期的制度を実現していくか、その具体策が物足らないように思えました。

例えば、高税率高福祉の北欧ではベーシックインカムの実験を行うところまでいっていますが、これが人口規模が桁違いに大きい中国やインド、あるいは高齢化が進んで人口減に向かう日本のような色んな国があるわけです。

ベーシックインカムが本当に全ての国に可能なのか?という面での検証や、配るお金をどうすべきかという実現性の部分を具体化して提示していく必要があるのでは?と考えました。


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