投資関連本

新型コロナウイルスの問題が騒がしくなっていますけど、テレビの無責任さなどを見ておりまして、いまこそ「身銭を切れ」ということが重要なのかなと思いました。
株式が大きく下がったタイミングでもいいかなというのもあります。
ということで1ヶ月以上前に読みながらなかなか書けなかった「身銭を切れ」の書評について今日はまとめたいと思います。
ナシーム・ニコラス・タレブ/望月 衛 ダイヤモンド社 2019年12月13日
著者は「ブラック・スワン」「反脆弱性」のナシーム・ニコラス・タレブです。
本書は前作の反脆弱性の続編的な一冊で、リスクについて一家言あるタレブはリスク(責任)を負わない立場から口出しをする人間が増えていること、そしてその存在が社会システムにどれほど不可逆な影響を与えるかを手厳しく批判し、いつものように皮肉交じりの辛辣な口調で切っています。
ナシーム・ニコラス・タレブ/望月 衛 ダイヤモンド社 2017年06月23日
タレブはオーストリア学派の思想が強く極端に個人の自由の追求とそれに伴う自己責任を引き受けることを重視しているのですが、書いてあることはもっともだと思うことばかり。
投資にも通じる印象に残った点を個人的にまとめてみました。
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トマ・ピケティの「R(資本収益率)>G(経済成長率)」は、投資アフィリエイト狙いの人でも容易に使えるキャッチーなフレーズとして頻繁に見かけるものとなりました。
「一部の層が莫大な資産を独占し、格差が生じている。政府は高所得者への課税軽減をせず、むしろ低所得者への支援を行うべきである。でなければ格差社会はより拡大するだろう。」という指摘は、日本は他の国と比べてそこまでないとはいえ、世界的に通じるものではあるとは思います。
ところがそのピケティに対して、「まぐれ」「反脆弱性」「ブラック・スワン」などで有名なナシーム・ニコラス・タレブは最新作「身銭を切れ」で明らかに間違っていると断言しています。
ナシーム・ニコラス・タレブ/望月 衛 ダイヤモンド社 2019年12月13日
相変わらずのタレブ節全快という感じで、本全体に関しては他にも色々とまとめたいので別記事にしますが、このピケティの部分の指摘はインパクトがありますね。
オーストラリア学派の考え方はこうも口が悪いのかと思えてきますが、異なる視点からの指摘だとこうなるのかと新たな気づきがあるものです。
では、どの点が間違っているとタレブは考えてるのでしょうか?
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昨年は適温相場だったとも言われておりますが、今年に入ってからニューヨークダウにしても日経平均にしても上下に激しく変動することが多くなりました。
あまりたいしたことじゃないのでは?という事象で株式市場の反応も大きくなっているなと。
昨年、恵まれた相場環境で過ごせたのもあり、今年は違うって感じがしている中、上下巻800pを超える反脆弱性を読み終わりまして、こういう株価の変動の激しいときこそこういう本を読むべきなんだろうなと思いました。
ナシーム・ニコラス・タレブ ダイヤモンド社 2017-06-22
経済への政府の介入をなるべく小さくすることを主張するオーストリア学派の考え方で、以前書評を書いたブラックスワン回避法同様、哲学的な上に自分の考えと違う人物に毒をはきまくっています。
書評記事 >> 損をして得を取る投資法とは?ブラックスワン回避法を読んで
ただ、マーク・スピッツナーゲルよりもさらに哲学要素が強く、経済だけではなく病気も極力自然治癒の極端な方向に偏っているので、哲学者という感じのする人物だなと。
医原病なんかも、塗る薬間違えて症状が重くなったこともある人間なので、言ってることは一理あるんですけどね。
そんな哲学的な要素も多分にあるなかにも、現状の値動きの激しい相場で考えさせられました。
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