Googleが予測している未来とは?第五の権力を読んで
行政・立法・司法についで報道を「第四の権力」と定義する場合があります。行政・立法・司法を監視し、意見するという意味で第四の権力とも言えそうですが、その第四権力の報道はインターネットが登場して逆にネット上で監視される立場にもなっています。
いい事例が先月の東京都知事選のいかにも第四の権力的な人物だった某候補となるでしょう。仮に20年前であれば同じような週刊誌報道と演説1,2分で退散をやっていたとしても得票数はもっと多かったのではないでしょうか?
というのも現在はネット上で過去の発言がピックアップされますし、変な演説を含めて動画としてネットで視聴可能になりました。そういう意味で報道も監視される世の中になったと言えるでしょう。
そんなネットとつながった人たちを第五の権力として、今後ネット関連の社会はどうなるかをGoogleの会長エリック・シュミットが書いたのが本書になります。
仮想通貨があるのだから仮想国家もありうる?
3章から7章にかけての、国家、革命、テロ、戦争と紛争、災害等からの復興について書かれているのですが、その中で仮想国家という話も出てきます。ビットコイン等の仮想通貨があるのであれば、仮想国家もできるのではないかという話ですね。
ネット上でつながることで、仮想空間に国家を作るという発想は私は思いつかなかったですね。無論実現するには色々とハードルが高いとは思います。ただし、世界的に通信・ネットの環境の整備が進むことで、連絡と自分の考えを披露するのが容易になっていきますのであり得るかなと思いました。
日本ではないでしょうけど、中東なんかではブログやtwitterの内容が起爆になって暴動が起こりうると思うのです。となるとネットを規制しようとする動きが広がる地域も出てくるのではないでしょうかね?
中国やロシアのような国がネット上の政府への不満等の意見を検出して監視、ネット空間から遮断する技術をアフリカや中東に売る時代は近いんじゃないかと思いました。
結論の中で言及された興味深い点
将来予測として最後に上げられた内容として気になった点は以下ですね。
- ①デジタル環境の格差は今後しばらくの間は続き、環境次第で全く違う経験をすることになる。
- ②コンピュータと人間は一層の役割分担を進める。
- ③仮想世界は既存の世界秩序を覆したりしないが、現実世界でのあらゆる動きを複雑化していく。
- ④国家は仮想世界と現実世界向けの外交政策と国内政策を行うことになる。
- ⑤コネクティビティと携帯の普及で市民は過去のどんな時代よりも大きな時代よりも大きな力を手に入れるが、それには代償が伴うことも知っておくべき。
現状の環境次第で経験できるものは違うというのは10年単位ではなくしばらく続くんじゃないかと思います。2025年には多くの人間にコネクティビティが普及すると言いますが、流石に先進国と新興国の差がそこまで縮まるとは思えないんですよね。
③と④に関しては既に現在も兆候がみられるかなと思います。ネットを使って政治的影響力を行使しようとする政党が各国で現れかねないと思うんですよね。そういう場合自分たちにできるのは過去どういう発言、政策を実行したかということを政党・議員共にちゃんと確認するということが必要になるのかもしれません。
色々と問題が起こりそうですが、基本的に著者は人間は乗り越えられるという考えでした。そうなればと思う反面、予測不可能な自体が起こりかねないのではないかという不安も抱きました。
この本を読んでますますGoogleに興味を持った
この本を読んでGoogleの幹部だった人の考えを読んで、Googleはもっと何かすごいことを構想しているのではないかとも思えます。全く別の新しい技術を創りだせる会社のように思えました。ある意味不気味さも含んでいますけど。
Google関連の情報にはアンテナを張って、色々と書籍やネットでもっと調べてみようと思います。


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