米国トータル債券市場ETFのAGGとBNDを比較してみた
昨年のデータになってしまいますが、ネット証券の海外ETF残高ランキングを見ておりますと、債券系のETFもそれなりに需要があることが分かります。
参考記事:ネット証券の海外ETF残高ランキング
海外ETFでいくと米国債券の代表格としては、バンガードだとバンガード・米国トータル債券市場ETF(BND)、iシェアーズですとiシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF(AGG)になると思います。
個人的には株式100%で運用すべきという人の意見は非常に理解できるのですが、いかんせんチキンな性格をしておりますので、債券をポートフォリオに組み入れております。NISAで海外ETFに投資をしておりますので、ボーナス投資枠のポートフォリオ中でBNDはかなりの比率を占めております。
参考記事:2016年7月終了時点ボーナス投資枠内構成比率
この2つのETFの経費率はBNDが0.06%、AGGが0.08%と差がほとんどない状況です。では、この2つの違いはどの辺にあるのかを調べてみました。
BNDの国別比率を見てみると何故か米国以外が・・

調べていて気になったのは国別比率AGGも米国は9割以上の比率なんですが、他の国の比率もしめています。カナダやイギリス、ルクセンブルグはわかりますが、メキシコとかフィリピンはアメリカと関わりが深い国とはいえ不思議ですね。
ETF.comで確認しているとセクター別の比率も出てきましたので、比較してみました。
BNDとAGGのセクター別比率
バンガード・米国トータル債券市場ETF(BND)

iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF(AGG)

セクター別で表示される項目は1%以上の差は見られず構成的には似ています。唯一違うのは、BNDの方にCashというのが3%程度あるということでしょうか?次いで、構成上位の項目も比較してみました。
BNDとAGGの構成上位比率
バンガード・米国トータル債券市場ETF(BND)

iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF(AGG)

米国債の比率を見ても9%程度異なりますし、他の比率も大きく異なりますね。バンク・オブ・アメリカはわかりますが、欧州投資銀行が両者とも含まれているのは謎ですね・・
これだけ構成上位が違うと値動きが違うのではないかということで値動きをBND販売開始以来の約9年で比較してみました。
BND販売開始以来の期間でAGGと値動きを比較

緑がAGG、青がBNDになります。約9年という期間になりますが、AGGのリターンが52.4%、ボラティリティが5.3%に対しBNDのリターンが54.0%、ボラティリティが4.8%になります。
この結果だけを見ますとBNDを選びたくなりますね。私もBNDの方に投資をしています。BNDに投資を始めた当時からAGGよりコスト面で優位でしたし。
ただし、注意点としては2つのETFはボラティリティは低いもののリーマンショック直後に大きく下がっている時もあります。今後、世界的な金融危機が起こった場合はこういう値動きが起こりうるということも頭の片隅に入れておいた方がいいかもしれません。
BNDとAGG比較まとめ
- コスト面はBNDが有利
- 総資産額はAGG($40.97B)>BND($31.97B)でAGGの方が大きい(Bはビリオン=10億)
- BND販売開始の過去9年ではリターン、ボラティリティ共にBNDの方がよい
- リーマンショック時に両者とも10%以上下がったこともある


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