ロボット運用のプロが投資の定説を検証した結果は?最強の株式投資法を読んで
データを調べていると色々見えてくるものがありまして、楽しいと感じる時があります。当ブログも株式や債券のデータについて記事にすることが多いです。
無論これまでの結果がそのまま将来へとつながるわけでもありません。しかし、過去の結果から将来的に同じことが起こることは多々ありますし、過去の失敗結果を分析して将来はこうしたらいいという意味でデータは有用と考えます。
これは競馬でも当てはまるわけで、データが覆されることもありますが、例年の傾向通りの馬が来ることがあります。特に回収率を上げる際に有用と考えていまして、人気のない馬を買い目に入れる際に血統、コース適性、騎手のデータは有効です。鉄板なデータ的なものの代表例としては菊花賞、天皇賞春における血統にディクタスが入った馬(サッカーボーイ、ステイゴールド系、今年は人気薄で2着に来たレインボーラインが該当)でしょうか?
データを調べるのはやっていて楽しい作業ではありますが、データを調べた本を読むのも好きですね。今まで読んだ中ではウォール街のモメンタムウォーカーは株式の検証のためのデータは非常に有用でした。
関連記事:ウォール街のモメンタムウォーカーを読んで
こういうデータを揃えた本は中々ないのですが、最近発売された本の中にありました。ロボット運用のプロがデータで検証して俗説を分析した本が。
所謂株式で5%動いたら売り買いとかそういうテクニック系の本ではなく、徹底的な検証データを各種紹介していく本です。そういう意味でかなり珍しいタイプだと思いますね。
この本で検証していて印象に残った項目は以下の通りです。
個人的におもしろいと持った投資の定説の調査
- 売却は買った日の20日後でいい
- ボリンジャーバンドはセオリー通りに使うと危険、RSIと組み合わせるとリーマンショックでも資産が増えた。
- RSIとMACDを組み合わせたら資産減を少なくできた。
- 日経225は10/26に買って、6/1に売ると儲かる。
- 株主優待株のアノマリーはあるか?(ANA、コロワイド、カゴメ、伊藤園、ゼンショー、大戸屋)
- 最低取引ペア(JAL&ANA、電通&博報堂DY、NTTデータ&野村総合研究所)
詳細な分析がないという人もいるかもしれませんが、こういう無駄とも思われかねないことを調べるのは面白いし、遊び心は必要だと思うんですよ。電通と博報堂の裁定取引ペアとか、日経225をいつ買って、いつ売ると儲かるかという分析は着眼点がいいなと。
これらの分析を最新のトレード&検証ツールを使ってやってるのがまたいい。昔あったトリビアの泉的な感じで。フジテレビの視聴率凋落が言われていますが、日本テレビから視聴率三冠を奪った時期にトリビアの泉をやっていたのは必然だったんじゃないかと思うんですよね。
検証ツールがここまで進んでいるわけですから、ロボット運用的なファンドはこれから増えていくんじゃないかと思いましたね。証券会社が特にこの領域に力を入れるのがわかる気がしました。
特に良かった2章の自分に合った投資戦略の見つけ方
3章以降はテクニカル戦略やアノマリーの検証に費やされてますが、個人的に良かったのは2章ですね。
どれだけ儲けれるかよりもどれだけ損ができるかを考えることの重要性を説いていて、どれだけ損ができるかを明確にして、投資の方針を決めていくというのが投資を始めるまでの準備として最適だなと思いました。
そして、アメリカの財務長官を務めたロバート・ルービンの「ルービンの4原則」について書かれているのも良かったです。
- 唯一確かなことは、確実なものはないということである。
- 決定とはつまるところ、可能性を考察することである。
- 不確実であっても、私たちは決定を下し、行動しなければならない。
- 私たちは結果だけでなくそこに至った経緯を含めて、決断を下す必要がある。
投資は不確実なものであるから、なぜその投資戦略を選択するのか、決定に至るプロセスを大切にしてこそ、長い投資人生で結果を残せる。投資手法は色々ありますが、どの投資手法にも通じることだなと思いました。
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