日米の金利が上昇しているので、債券ETFの値動きを確認してみた
アメリカの金利がここのところ上昇しています。アメリカの10年債の直近1年の値動きを見ておりますと、11月から急に上昇し始めていることがわかります。
これに呼応してでしょうか?マイナスに沈んでいた日本の10年債も2カ月ぶりにプラス圏まで上昇しています。
長期金利が2カ月ぶりプラスに上昇、米金利先高警戒感
債券相場は下落し、長期金利は約2カ月ぶりにプラス圏まで上昇した。米金利の先高警戒感がくすぶる中、この日に実施された5年債入札が弱い結果となったことから、17日に予定されている20年債の入札に不透明感が生じ、売り圧力が強まった。
15日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.02%で開始。午後に5年債入札の結果が出ると徐々に売られ、2.5ベーシスポイント(bp)上昇の0.005%と9月21日以来の水準まで上昇した。
海外ETFで米国の債券関係のETFを所有していますし、国内債券として変動10もってますのでこのニュースは気になるところです。イギリスのEU離脱があったとはいえ、アメリカのETF流出入ランキングでは上半期終了時点で債券ETFに資金が流入していました。
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アメリカにおける2016年上半期のETF流出入のランキングを見てみた一方で資産残高は330億ドルの適格社債ETF(LQD)に68億ドルが2016年に流入していて、S&P500を上回る状況にあったため注意報的な記事も9月頃出ていました。
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iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(LQD)に警戒注意報。他の米国社債ETFと比較してみたトランプ大統領誕生時に債券ETFは下がっておりましたが、現状がどうなっているのか確認してみました。
比較する米国債券ETF
今回比較するのは以下の6つのETFです。
iシェアーズコア米国総合債券市場ETF(AGG)
バンガード米国トータル債券ETF(BND)
iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(LQD)
バンガード米国長期債券ETF(BLV)
iシェアーズ米国国債20年超ETF(TLT)
iシェアーズ米国物価連動国債ETF(TIP)
AGG(赤) vs BND(青) vs LQD(緑) vs BLV(桃) vs TLT(水色) vs TIP(黒) 直近1カ月

まず変動の大きい直近の1カ月で見てみました。11月3日を境目にS&P500が上昇したのに対し、債券系のETFは軒並み下がっています。下落順はTLT>BLV>LQD>BND=AGG>TIP。長期債の下落が激しいですね。
では、期間を1年に広げてみてみましょう。
AGG(赤) vs BND(青) vs LQD(緑) vs BLV(桃) vs TLT(水色) vs TIP(黒) 直近1年

年始から2月にかけてと、6月のイギリスEU離脱投票でS&P500が下がって、債券ETFが上昇している傾向が見て取れます。しかし、ここ1カ月で大きく下げて、1年で見ると株式と債券のリターンは差がないという状況です。
では、最後に比較できる限り最大の期間を見てみましょう。
AGG(赤) vs BND(青) vs LQD(緑) vs BLV(桃) vs TLT(水色) vs TIP(黒) 期間最大

リーマンショック前からの比較になるのですが、TLTやBLVという長期債の方がS&P500よりもリターンがいいんですよね。ちょっと引っかかる点ではありますが。
リーマンショック時は債券系のなかでは適格社債LQDが一番落ち込んでいます。社債の方が暴落時に影響が大きいということでしょうね。
12月に再度利上げがあるので、債券系ETFは更に下がる可能性もあります。しかし、利回りが上昇するといずれ株式は下落するもの。その時のことを考えるとこの機会に債券系のETFを買い増しするのは悪くはないかなと考えています。
参考情報:利回り、標準偏差(左3年、右5年)
おまけで調べた利回りと標準偏差を載せておきます。
AGG:2.43%、2.70、2.73
BND:2.08%、2.87、2.85
LQD:3.53%、4.63、5.24
BLV:3.71%、8.36、8.59
TLT:2.92%、11.22、11.22
TIP:1.26%、4.12、4.67


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