米国ETFの純資産残高TOP15にランクインしているiシェアーズラッセル1000バリューETF(IWD)について調べてみました
ETFの総資産という情報に関しては競合するETF、例えば債券ETFのバンガード米国トータル債券市場ETF(BND)とiシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF(AGG)なんかは比較することがありますけど、利回りとかコストと比べると余り見ない情報だと思います。
今月初めのモーニングスターのセミナーでは米国ETFの純資産残高TOP15のリストが資料に載っていました。
参照記事:20分遅刻したけどモーニングスターETFカンファレンス2016に行ってきた
このうち日本の大手ネット証券で買えないものとしてVanguard REIT ETF (VNQ)(参考記事:何故か日本では買えないバンガードのREIT ETF(VNQ))とiシェアーズラッセル1000バリューETF(IWD)がランクインしていました。•米国ETFの純資産残高TOP15の表があり、日本の大手ネット証券で買えないものには赤マルがついてませんでした。バンガードREIT ETF(VNQ)とiシェアーズ ラッセル1000バリューETF(IWD)です。
今回はiシェアーズラッセル1000バリューETF(IWD)について見ていこうと思います。
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iシェアーズの小型株ラッセル指数については色々と書いてきましたが、今回はラッセル1000バリュー株にフォーカスを当てたいと思います。
ラッセル3000がニューヨーク証券取引所、ナスダック、アメリカン証券取引所に上場している時価総額が上位3000銘柄をピックアップして指数にしたものです。ラッセル1000と2000はこのラッセル3000から作られていて、ラッセル1000はラッセル3000の上位1000社の指数です。要するに以下の式となります。
ラッセル1000 + ラッセル2000 = ラッセル3000
iシェアーズのETF一覧を見ておりますと、各種ラッセル1000、2000、3000のETFにバリュー株とグロース株というのがあるんですね。では、バンガードはどうなっているのかといいますと、ラッセル1000だけでもiシェアーズ同様バリュー株とグロース株がありました。
バンガード・ラッセル1000 ETF(VONE)
バンガード・ラッセル1000グロース株ETF(VONG)
バンガード・ラッセル1000バリュー株ETF(VONV)
では、iシェアーズラッセル1000バリューETF(IWD)の詳細を見てみましょう。
ラッセル1000バリューETF比較(IWD、VONV) セクター編
iシェアーズラッセル1000バリューETF(IWD)

バンガード・ラッセル1000バリュー株ETF(VONV)

まずセクター別の比率を見てみましょう。比較としてバンガードのバンガード・ラッセル1000バリュー株ETF(VONV)を比較として調べてみました。
金融セクターが3割を超えていて比率が高くなっています。10%を超えているのはエネルギーとヘルスケアでした。同じカテゴリのETFですが、iシェアーズとバンガードのセクターの差は0.05%程度になっています。
ラッセル1000バリューETF比較(IWD、VONV) 構成企業上位10社
iシェアーズラッセル1000バリューETF(IWD)

バンガード・ラッセル1000バリュー株ETF(VONV)

次に構成上位10社を見てみましょう。エクソンやバークシャー、JPモルガンが上位です。構成上位の比率の差はなさそうです。
では、実際のパフォーマンスを他のラッセル指数や小型株ETFと比較してみました。
他のラッセル指数のETFや小型株ETFで比較してみると・・
以下のETFをS&P500と比較してみました。
iシェアーズラッセル1000ETF(IWB)
iシェアーズラッセル2000ETF(IWM)
iシェアーズラッセル3000ETF(IWV)
iシェアーズラッセル1000グロース株ETF(IWF)
iシェアーズ・コアS&P小型株ETF(IJR)
バンガード・スモールキャップETF (VB)
バンガード・ラッセル1000バリュー株ETF(VONV)
IWB、IWM、IWV、IWF、IJR、VB、VONV 過去1年

S&P500が+10%程度ですが、小型株IJRやVBが強いですね。ラッセル指数のETFだとiシェアーズラッセル2000ETF(IWM)がよくなっています。逆にグロース株IWFは不調です。
IWDはラッセル指数1000ETFのIWBを上回っています。バンガードのVONVとは値動きがほとんど同じですが、ETFの構成が同じなのに何故か最近IWBとの解離が発生しています。
では、これを期間5年にするとどうなるでしょうか?
IWB、IWM、IWV、IWF、IJR、VB、VONV 過去5年

過去5年で見ても小型株が強いですね(IJR、VB)。逆にラッセル指数のバリュー株IWDは過去5年でS&P500とはそんなに差のないものの負けています。
まとめ
パフォーマンスを見ると、突出してるわけでもないラッセル1000のバリュー株の資金がここまで大きいのは不思議に思えます。だったら普通のラッセル1000の指数でもいいんじゃないかとも思えてきますが。
直近5年などの成績を見るとグロース株優勢でしたが、今年はバリュー株優勢に変わりましたから、資金が流入しているのかもしれません。
ちなみにiシェアーズとバンガードの同じタイプのETFの総資産額を比較すると、IWD 34.91 bil USD に対し、バンガードのVNOV 850.08 mil USDと資産規模に大きな差がありました。ラッセル指数のETFに関してはiシェアーズの方がよさそうです。ラッセル指数のETFに関してはこれだけ数がでているわけですから、もっと調べてみると面白いことがわかるんじゃないかと思ってるんですけどね。
ともあれブラックロックには来年こそ、ラッセル指数関連のETFやスマートベータ系(モメンタムや低ボラティリティ)のETFを、日本の大手ネット証券でも取り扱ってほしいものです。


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