2016年米国株のスマートベータETF(バリュー、グロース、小型、低ボラティリティ、モメンタム、配当)のパフォーマンスを調べてみた
2016年このブログ的に一番大きな出来事としては日経ヴェリタスに掲載されたことがあるのですが、その時スマートベータのETFについて聞かれました。最近なんとなく余り聞かない印象ですが、実際のところ2016年どうだったのか?
年が明けて米国セクター別と動向が気になる国の2016年のパフォーマンスを確認しましたが、三部作の最後的な感じで最後に米国株のスマートベータETFのパフォーマンスについて確認してみます。
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対象としたETFは以下の通りです。
- クオリティ:iShares MSCI USA Quality Factor ETF (QUAL)
サイズ:iShares MSCI USA Size Factor ETF (SIZE)
モメンタム:iShares MSCI USA Momentum Factor ETF (MTUM)
低ボラティリティ:iShares MSCI USA Minimum Volatility ETF (USMV)
バンガード・米国増配株式ETF(VIG)
バンガード・米国高配当株式ETF (VYM)
バンガード・スモールキャップETF(VB)
バンガード・米国バリューETF(VTV)
バンガード・米国グロースETF(VUG)
※iSharesのETFは日本の大手ネット証券では買えません。
以前調べたiSharesの日本では買えないスマートベータETF(参考記事:近1年でどれだけ下がったか米国株ETFを確認してみた)であるクオリティ、サイズ、モメンタム、低ボラティリティとバンガードの増配、高配当、小型株、バリュー株、グロース株の9本です。
これらのETFの2016年のパフォーマンスはどうなのか確認してみました。
2016年ファクター別パフォーマンス


棒グラフは左からクオリティ(QUAL)、サイズ(SIZE)、モメンタム(MTUM)、低ボラティリティ(USMV)、増配(VIG)、高配当(HDV)、小型株(VB)、バリュー(VTV)、グロース(VUG)、S&P500です。
2016年で見てみますと・・なんと昨年まで良かったはずのモメンタムが一番パフォーマンスが悪いという結果に。年明けからの各ETFの値動きを見てみるとグロース株や上半期までパフォーマンスがよかった低ボラティリティ(USMV)も後半失速してS&P500に負けています。
逆によかったのは高配当(VYM)、バリュー(VTV)、小型株(VB)あたりですね。ただ、小型株は流石に値動きが激しく年始は大きく下がっています。その分年間通しての上昇幅も大きくなっています。
上半期と下半期で情勢が変わった印象もありますけれど、では2015年とどう変わったのかを見てましょう。
2015年のパフォーマンスを見てみると・・

2015年はモメンタム(緑)がトップのパフォーマンスだったんですねぇ。右端のS&P500に対して低ボラティリティ(USMV)やグロース(VUG)も勝っていて、2016年トップの小型株(VB)が昨年はビリ且つマイナスですんどえ、2015年と2016年で全く逆の結果になっていることがわかります。
極端な2年だけを抽出している可能性もありますが、単年の成績を積み重ねても常勝のファクターはなかなかないのかもしれません。
強いて取り上げるならば低ボラティリティのiShares MSCI USA Minimum Volatility ETF (USMV)は2015年S&P500に勝って、2016年は2%も負けてませんから悪くないかなと。とりあえずSBI証券に取り扱い開始してもらうよう昨年と同じ要望を今年も出しておこうと思います。
参考情報
余談ですがiSharesの4つのETF設定以来という3年ちょっとの中途半端な期間で見るとだいたいのETFがS&P500と差のない感じになっていました。5年経過時にもう一度比較してみたいですね。



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