景気拡大局面に強いと言われるバンガード・米国一般消費財・サービス・セクターETF (VCR)を調べてみた
安部首相とトランプ大統領との会談が行われましたが、日本のメディアはトランプの過激な発言ばかりに焦点を当てていて、トランプ政権の経済政策が見えてこない感があります。
ただ、株価は2009年から上がり続けていますし、FRBも今年3回利上げするのではないか?という意見もあります。この景気が悪いとは思えない状況で米国に雇用を取り戻すといわれても今一つピンと来ない人もいるのではないかと思います。
アメリカではセクターローテーションという言葉がありまして、景気拡大時に強いセクターとしては一般消費財セクターが該当します。では、昨年の一般消費財セクターETFの成績はどうだったかというとSPDR、バンガードのETF同士で比較しても余りよくなかったんですね。
関連記事:2016年米国セクター別パフォーマンスから、2017年注目するセクターは何か?
ちょうど大手ネット証券でバンガードのETFが50本購入できるようになって2年が経過しました。一般消費財セクターに関しては焦点を当てた記事を書いてませんでしたので、今回色々と調べてみました。
2年前の記事:VDC等50本の米国籍バンガードETFの新規取扱いを開始
バンガード・米国一般消費財・サービス・セクターETF (VCR)業種別比率

参照:ETF.com
まず一般消費財サービス内での業種別の比率です。メディア・出版とホテル・エンタメの比率が高いですね。ディズニーなんかはESPNを持ってますけどエンタメに分類されてるんですかね?
diversified retailはドイツのスーパーが検索すると出てくるので小売り関連の模様です。意外とアパレル関連とかは比率が低いようです。では、構成上位10社はどういう顔ぶれなのでしょうか?
バンガード・米国一般消費財・サービス・セクターETF (VCR)構成上位10社

参照:ETF.com
トップがAmazonで約10%程度、その後には小売りのホームデポ、エンタメのディズニー、タイムワーナー、映像関連のコムキャスト、飲食業のマクドナルド、スターバックスという顔ぶれですね。日本でもおなじみの企業が多いです。
余り日本では有名ではない会社としては、プライスライン(Priceline)はオンラインホテル予約、ロウズ・カンパニー(Lowe's)は、住宅リフォーム・生活家電チェーンです。
では、実際のパフォーマンスはどうなのか?米国生活必需品セクターETF(VDC)とS&P500と比較してみました。
バンガード・米国一般消費財・サービス・セクターETF (VCR) vs 生活必需品セクター(VDC) vs S&P500
まず過去1年。

画像元:StockCharts
一般消費財セクター(赤)はS&P500(緑)とほぼ同じ値動きをしています。ややS&P500よりもボラティリティが高い感じになっていますね。では、この3つの比較対象を過去10年で見てみるとどうなのかというと・・

画像元:StockCharts
生活必需品セクター(青)、一般消費財セクター(赤)共にS&P500を大きく上回っていますね。注目すべきはグラフの一番下の2008年から2009年にかけて。リーマンショックで消費が冷え込んでS&P500(緑)よりも大きく下がっています。
やはり景気が冷え込むと大きく下落するセクターであるということが言えると考えます。
バンガード・米国一般消費財・サービス・セクターETF (VCR)まとめ
- 業種別の比率ではメディア・出版とホテル・エンタメの比率が高い。
- Amazonが1割を占めている。
- リーマンショック時はS&P500よりも下落幅が大きかった。
- S&P500や生活必需品セクターと比較して値動きが激しい。
- リーマンショック以降の景気拡大局面では好調。



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