社員へ利益を還元する企業が増えてほしい。利益を追わなくなると、なぜ会社は儲かるのかを読んで
3月になりまして4月からの仕事と2016年度の予算がどうなるかについて幹部社員と一般社員の間でのやり取りが増えてきます。事務所にいますとそのやりとりの声が聞こえてきますし、折衝や交渉的なメールも多く出ています。
その中でお互い自分の利益はあると思うのですが、やりとりがどんどん泥沼化していく事例もかつてみました。ボーナスに反映されるので仕方ないとはいえ少しはお互い譲歩すればいいのにと当時は思いました。
会社は当然利益を追い求めていますが、3月のただでさえ仕事が忙しい時も予算で利益に関して求められます。これがいきすぎると社員が疲弊して病休になっていくんだと思います。
個人的に1月頃、会社間の問題で悩んだ時期がありまして、その時に利益追わない=会社が儲かる的なタイトルに釣られて利益を追わなくなると、なぜ会社は儲かるのかを読んでみました。
鎌倉投信の記事:投資は「きれいごと」で成功するを読んで
鎌倉投信にも影響を与えた人であり、企業の訪問を数多くこなしているだけあって、46個上がっている成功の法則は説得力がありました。個人的に読み終わって以下2点を考えました。
中小企業こそ46の成功法則を実践すべし
企業にとって利益が不可欠なことは言うまでもなく、坂本教授自身も否定していません。しかし、売上高経常利益率は5%~10%もあれば十分安定した経営は可能であり、利益を還元すれば企業に返ってくることを忘れてはいけないのだと説いていました。
46の成功の法則の事例として紹介されている企業を考えますと、割と中小企業が多い印象でした。中小企業で利益を上げている理由を見ていくと徹底したサービスで顧客満足度と売上、利益up→その利益を社員の還元の好循環ができているなと思いました。
ですので、中小企業こそこの46の成功法則を導入すべきかなと。
一方、これが大企業となると株主への還元もありますし、協力会社の数とかも増えて中々しがらみが多くなるのではないかという印象を持ちました。株主にも社員にも還元しない日本企業はここ数年で減りつつあるとはいえ、利益率が高ければ社員にも還元してほしいですね。
この本の内容を少しでも企業のトップが理解していれば、過労死なり過労関連の自殺に関しては減るんじゃないかなと。
社員の消耗度という観点も企業は考慮してほしい
経営者に対して社員の満足度(ES)が重要と書かれていました。社員の満足度に関しては、高ければ当然モチベーションは高いでしょうし、満足度高っていことは社内の空気もいいし、福利厚生とかも整っているところが多いと思うのですよ。当然いい会社に分類されるので重要な指標と言えるでしょう。
個人的に社員の満足度以外にもう一つ重視した方がいいと思うのが「社員の消耗度」です。
最近は電通の問題もありましたので、パワハラとか過労的な問題も何とかしないといけないと思うんですよ。そこで個人的に「社員の消耗度」という点にも焦点を当ててほしいなと。
昔と比べて新人がすぐ辞めるというのも表面化しているという話をよく聞きますが、とにかく仕事を降られ続けて限界値を超えていたり、人間関係に消耗して何年も会社にいる人が病休ってパターンが他の会社でも増えていると聞きます。最近同じフロアでトラブルがあったらしく連日遅く残っている明らかに消耗していて寝てないのがまるわかり例をみましたし。
消耗度とか個人の能力、個人の限界を把握しないといけないので社員満足度のような単純調査では出てこないでしょう。だからなかなか数値化できるものではないと思います。それこそ詳細を社員に書くように促して保健師にチェックさせるぐらいはやんないといけないでしょうね。
将来的に少子高齢化が進むからこそ介護や育児とか仕事以外で消耗する人ってこれからも増えていくと思います。副業解禁となると仕事を両立させようとしてまわんなくなる人も出てくるでしょう。
将来を考えると、消耗ししている人に仕事をふって効率悪化させるよりも、適切な人に降るなり、担当者が消耗しているから人を増やそうとかそういう方向に持っていけるようにすることが重要じゃないかと思うんですよね(消耗せず仕事が好きとか仕事命で仕事むちゃくちゃできるという会社に何人中の一人の人はがんがん仕事をやればいいと思います)。だからこそ企業には「社員の消耗度」も考慮してほしいなと考えます。


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