米国外株式にモメンタム効果はあるのか?iShares米国外モメンタムETF(IMTM)
ウォール街のモメンタムウォーカーを読んで以来モメンタムというファクターに注目しています。
2015年はS&P500を上回るパフォーマンスだったのですが、2016年のパフォーマンスを年始に調べたところ他のスマートベータと比較してもパフォーマンスはよくなかったです。
関連記事:2016年米国株のスマートベータETF(バリュー、グロース、小型、低ボラティリティ、モメンタム、配当)のパフォーマンスを調べてみた
比較は米国株で行ったものですので、じゃあ米国外株のカテゴリだとどうなるのか気になりました。
関連記事:iSharesでモメンタム関連のETFが米国株以外でないか探してみた
米国外先進国でモメンタムファクターの「iShares MSCI International Developed Momentum Factor ETF(IMTM)」というETFがありますので、今日はこのETFについて調べたことをまとめたいと思います。
iShares MSCI International Developed Momentum Factor ETF(IMTM) 国別比率

参照:ETF.com
まず、国別比率ですがイギリスが36%と断トツトップ。その後、カナダ、日本、ドイツまでで7割程度で、5番目のスイスが4%切ってますので、この4カ国に集中していると言えるでしょう。
同じカテゴリのiShares Core MSCI EAFE ETF(米国外先進国株式ETF)の比率を見てみると、日本25%、イギリス18%、フランス9%、ドイツ9%、スイス8%ですので、スイスや日本の比率が小さいというのが特徴です。
では、次にセクター別比率を見てみましょう。
iShares MSCI International Developed Momentum Factor ETF(IMTM) セクター別比率

参照:ETF.com
金融セクター、エネルギー、素材セクターの比率が高くなっています。iShares Core MSCI EAFE ETF(米国外先進国株式ETF)の比率と比較してみると、金融セクターの比率が高いのは変わりませんが、エネルギーセクターの比率が15%と3倍近く高く、ヘルスケアセクターが半分という違いがあります。
最後に、構成上位10社について見てみましょう。
iShares MSCI International Developed Momentum Factor ETF(IMTM) 構成上位10社

参照:ETF.com
HSBC、ロイヤルダッチシェルもイギリス絡みですし、その後にBPやブリティッシュ・アメリカン・タバコが続いていますので、イギリスの比率が高くなっているのも仕方ないかなと。
構成上位10社以外で日本企業で含まれる企業があるか調べてみたところ、任天堂、信越化学工業、KDDI、キーエンス、大東建託あたりが含まれるようです。確かに任天堂はモメンタム的に合致しているのではないでしょうか?
最後に実際のパフォーマンスについて見てみましょう。
iShares MSCI International Developed Momentum Factor ETF(IMTM) パフォーマンス

画像元:StockCharts
まず、過去1年でiShares Core MSCI EAFE ETF(米国外先進国株式ETF:IEFA)と比較してみました。昨年9月頃までは赤のモメンタム(IMTM)の方が優勢でしたが、その後は青のIEFAの方が優勢です。
設定されて2年程度のETFですので期間を引き延ばしてみましたが・・

画像元:StockCharts
赤のモメンタムは青のIEFAが急落した時に下落幅が小さかった時期もありますが、その逆のこともあるためここ2年だとモメンタムは劣勢という感じがしますね。
米国株の場合、2015年はS&P500を大きく上回ってたりするので、国別の比率が異なってしまう米国外先進国というカテゴリだとモメンタムの効果が現れない可能性もあるかもしれません。
ともあれ気になるETFですので定期的に確認していきたいと思います。


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