米国株、先進国株式の低ボラティリティ戦略は有効なのかiSharesのETF(USMV,EFAV)で確認してみた
昨日は新興国株式の低ボラティリティ戦略が有効なのか、iSharesの新興国株式低ボラティリティETFである、iShares MSCI Emerging Markets Minimum Volatility ETF (EEMV)で確認しました。
関連記事:新興国株式の低ボラティリティ戦略は有効なのか?iSharesのETF(EEMV)で確認してみた
ただ、残念なことにiShares MSCI Emerging Markets Minimum Volatility ETF (EEMV)は日本の大手ネット証券で買えません。また、経費率が高い「たわらノーロードplus 新興国株式低ボラティリティ高配当戦略」に関しては販売開始から1年経過したのに純資産総額3000万円とちょっと残念な感じになっていました。
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しかし、同時期に販売開始の「たわらノーロードplus 先進国株式低ボラティリティ高配当戦略」は5.74憶円と新興国株式よりは需要があるようです。
ということで今日は米国株と米国除く先進国で低ボラティリティ戦略が有効がETFで確認したいと思います。
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以前調べた時は以下のETFについて確認しましたので、今回もそれぞれS&P500、iシェアーズ MSCI EAFE ETF(EFA)とパフォーマンスを比較して見ました。
iShares Edge MSCI Min Vol USA ETF(USMV)
iShares Edge MSCI Min Vol EAFE ETF (EFAV)
米国株の場合(iShares Edge MSCI Min Vol USA ETF(USMV) vs S&P500)

画像元:StockCharts
まず、米国株から見ていきましょう。赤が低ボラティリティ(USMV)、青がS&P500です。過去1年で見ますと青のS&P500のパフォーマンスが好調です。ただし、6月頃のイギリスのEU離脱時やアメリカ大統領選挙前の大きな調整時には赤の低ボラティリティの下落耐性の効果が表れています。
では、過去5年で見てみるとどうなるのでしょうか?

画像元:StockCharts
基本的に青のS&P500は右肩上がりでパフォーマンスの差は小さいですが、新興国同様過去5年だと低ボラティリティ(USMV)の方が勝っています。米国株が不調だった昨年1月から11月にかけては低ボラティリティの強さが目立っています。
iShares Edge MSCI Min Vol USA ETF(USMV)のセクター別比率はどうなのだろうと確認してみましたが、生活必需品セクターやヘルスケアセクターが35%ぐらい占めていますが、セクター別の比率でトップだったのは以外にも金融セクターでした。
北米除く先進国株の場合(iShares Edge MSCI Min Vol EAFE ETF (EFAV) vs iシェアーズ MSCI EAFE ETF(EFA))

画像元:StockCharts
次に北米除く先進国株式ETFで見てみました。貯金1年ですと青の iシェアーズ MSCI EAFE ETF(EFA)の値動きが激しいのに対し低ボラティリティのEFAVは値動きが小さくなっています。ただし、昨年11月以降の上昇に低ボラティリティは差を広げられています。

画像元:StockCharts
最後に過去5年で見てみますと、赤の低ボラティリティiShares Edge MSCI Min Vol EAFE ETF (EFAV)の方が強いですね。米国外先進国株が冴えないためか低ボラティリティが大きく勝っています。
EFAVの構成を詳細にみると国別は日本、イギリス、スイス、香港、デンマークの順。セクターは金融、ヘルスケア、生活必需品、資本財で7割を占めていました。金融セクターの比率が多いものの割とディフェンシブセクターの比率も高くなっていました。
まとめ
- 米国株、北米除く先進国株、新興国株式ともに株式が好調だった過去1年では低ボラティリティの方がパフォーマンスが悪く、過去5年では低ボラティリティの方がパフォーマンスが良い。
- 低ボラティリティETFは大きな調整があった時に下落耐性がある。
- ただし、株価が大きく上昇する相場では低ボラティリティETFの上昇幅は小さい。


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