アメリカの利上げが米国債券ETF(BND,AGG,TLT)やS&P500に影響を与えているのか調べてみた
株価が上がったり下がったりしている状況になりますが、先月アメリカで利上げがあった影響も多少なりともあるんじゃないかと考えています。炭鉱のカナリアと評されることもありますし。
参考書籍記事:「炭鉱のカナリア」の金利を注視せよ。金利を見れば投資はうまくいくを読んで
先月利上げのあったアメリカですが、過去10年の政策金利の動きを表にすると以下の通りです。
6年以上据え置きだったのがじりじりと上がっているわけですが、リーマンショックで右往左往していた2008年最初の水準はまだ遠いという状況ですね。
利上げ余地がまだあるので株価が上がるとも言えますが、連続して上げてきたのでそろそろ大きな調整がある可能性は警戒しておきたいものです。
この状況を見ていてじゃあ実際の利上げ時に利上げの影響受けそうな債券ETFや株価はどうなっているのか気いなりました。
関連記事:米国利上げ時の株価などへの影響はどの程度か?
2年くらい前に記事にしましたがこの時は利上げ前。今回は3回の利上げ時の影響を見てみたいと思います。
利上げが3回も行われた2015年12月からの債券ETF(BND,AGG,LQD,BLV,TLT) と S&P500の値動き
2015年12月に利上げが行われてからの以下のETFの値動きを比較しました。
バンガード米国トータル債券ETF(BND) 赤
iシェアーズコア米国総合債券市場ETF(AGG) 青
iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(LQD) 緑
バンガード米国長期債券ETF(BLV) 桃
iシェアーズ米国国債20年超ETF(TLT) 水色
SPDR S&P 500 ETF(SPY) 黒

利上げのあった2015年12月、2016年12月、2017年3月を黒枠で囲ってみましたが、黒のS&P500が大きく上昇したということはないですね。この期間だけ抽出すると株価が上昇した後で利上げしているのがよくわかる推移になっています。
一方、債券ETFの値動きを見てみると直近の2回は共に価格が上昇してることがわかります。ジム・クレイマーが指標と言っていたiシェアーズ米国国債20年超ETF(TLT) は今回比較した債券ETFの中で値動きが1番激しいのですが、利上げ後3回とも価格が上昇しています。
株価の上昇が止まって不安定な値動きになるので債券ETFの価格が上昇するんでしょうね。
直近3回を見ると利上げ直後に債券ETFを買うのは余りタイミングがよろしくないように思えます。個人的には現状を考えると債券ETFの比率を高めに夏のボーナス枠で投資をする方針なのでしばらくは様子見です。
利下げが何回も行われた2008年の債券ETF(BND,AGG,LQD,BLV,TLT) と S&P500の値動き

参考までに利下げが何回も行われた2008年の値動きも見てみました。利下げに黒のS&P500が反応して上昇しても結局暴落していますね。
本当の暴落の場合は適格社債は20%近く、BNDやAGGも10%近く下がったことがあるということを意識しておきたいです。
株式に100%全力という方針は正しいと思いますが、私の性格はチキンですので多分100%株式だと精神的に耐えられないと思います。だからこそ利上げとかの機会を上手く観察して、債券と株式を組み合わせたポートフォリオで来るべき大きな調整に備えたいと思います。



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