60年以上連続増配している米国企業3社(AMR、DOV、NWN)について株価や配当を調べてみた
アメリカでは連続して増配する企業がいくつも存在していて、25年以上連続増配している企業は「配当貴族」、50年以上連続増配している企業は「配当王」と呼ばれています。
その中から配当皇帝というにふさわしい3社について株価や配当についてどうなっているか先週記事にしました。
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選んだトッツィー・ロール・インダストリーズ(TR)、ランカスター・コロニー(LANC)、ロウズ(LOW)の3社は50年から54年連続増配をしていて着実に増配しつつ、株価も過去10年でS&P500を上回っていました。
ここで疑問に思ったのですが、調べてみると60年連続増配している企業も存在するわけなんですね。
参考記事:配当王リスト、50年連続増配銘柄【2017年版】
はちどうきゅうどうさんのブログだと61年連続の企業が3社ありまして、日本でも余り知名度のない企業でしたので、今回は以下の3社について調べてみました。
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)
水道および電気を供給しているカリフォルニアの企業です。米国政府の契約事業者として全国の米軍基地に水道供給も行っているそうです。
ドーバー(DOV)
産業機器の大手メーカーで対象はエネルギー、通信技術、業務用冷蔵、印刷・識別など多岐にわたります。ノースウェスト・ナチュラル・ガス(NWN)
オレゴン州とワシントン州南西部地域のガス会社。アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR) 62年連続 公益事業セクター


上は過去10年の株価のパフォーマンス(S&P500を併記)、下は過去の配当金額のグラフです。
アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)はディフェンシブセクターの公益事業セクターに属しているだけあって、リーマンショック時の大きな調整時も強く、その後もS&P500を大きく上回っています。
株価がこれだけ好調ですから、2007年2月と2017年2月で配当を比較すると約2.05倍と倍になっています。
ドーバー(DOV) 61年連続 資本財セクター


ドーバー(DOV)は資本財セクターに該当しますが、リーマンショック時はS&P500と同じくらい下落しています。その後はS&P500より値動きが激しく小型株のような値動きになっています。
2007年2月と2017年2月で配当を比較すると約2.86倍と3倍近く。やや配当と株式の動きが連動していて配当が一気に増額される時が何回かあります。
ノースウェスト・ナチュラル・ガス(NWN) 61年連続 公益事業セクター


最後にノースウェスト・ナチュラル・ガス(NWN)ですが、こちらもリーマンショック時は公益事業セクターなだけあって下落耐性があります。ただし、アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)と異なり株価は左程上昇してなくてS&P500にもパフォーマンスで劣っています。
オレゴン州とワシントン州南西部地域のガス会社なので、他の2社と異なり範囲が地域限定なので株価の伸びが鈍いのかもしれません。その分大きな調整があった時に強いのでしょうけど。
2007年1月と2017年1月で配当を比較すると約1.32倍。他の2社と比較してじりじりという感じで配当が増えていっている状況です。
まとめ
60年以上連続して増配している配当王の3社を比較しましたが、公益事業セクターの2社は連続増配している影響もありましてリーマンショックのような大きな調整時に強いということがわかりました。
60年以上増配していますが、3社の配当推移を見ていますと、株価が好調だと配当の伸びも大きいように見えました。この傾向は他の配当王の企業でも見られるのか今後も確認していこうと思います。


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