米国企業のROIC(投下資本利益率)について調べてみた
先日読んで感想を書いたブラックスワン回避法の中で以下の記載がありました。
損をして得を取る投資法とは?ブラックスワン回避法を読んで
これを見るとROICって結構重要な指標なんじゃないかと思えてきますね。•各10年の初めに、75%以上のROICを達成している企業は最後まで高いROICを保ち続ける。
•ジークフリート戦略:高いROIC(投下資本利益率)、ファウストマン比率が低い
•1978年から毎月、直近のROICが100%を超える企業のうち、ファウストマン比率が最も低いもの(さらに規模と流動性とでスクリーニングを行う)を買い、やがて要件を満たさなくなったら手放していく(金融部門や怪しいバリュー株は除外)するポートフォリオは、S&P500を大きく上回るパフォーマンス。
少なくとも米国株だと数値が算出できるんじゃないかと考えまして、色々と調べていたらモーニングスターの米国でそれっぽいのを発見しました。

Key Ratiosのタブ押した画面でありました。ROIC=投下資本利益率、Return on Invested Capitalなので間違いないと考えました。
ということでモーニングスターの米国版で、主要の米国企業の直近のROICの推移を調べてみました。
ハイテク関連銘柄(Amazon、Google、NVIDIA、Apple、Facebook、Netflix)のROIC
まず、FANG関連のハイテク株の6社について見ていきましょう。
右から左に直近の5年のROIC推移で、だいたい2012年12月から1年おきに2016年12月までの数値となっています。ただし、決算月とか配当月の影響か5月とかの数値が載っている企業もありました。

こうしてみるとハイテク株でも明暗があるかなと。Google(GOOGL)は横ばいの感じですが、NVIDIA(NVDA)やAmazon(AMZN)、フェイスブック(FB)はここ数年かなり伸びてきていることがわかりますね。
逆にNetflix(NFLX)は失速傾向に見えますね。
では、他の主要米国企業はどうなっているのか?適当に抽出してみました。
その他主要米国株のROIC
ちなみにフィリップモリスとウェルズ・ファーゴは「-」表記になっていて確認できませんでした。

なぜかKMBの右端は「-」になっていました。
まずROICが大きい値の企業を見ますと、アルトリアグループ(MO)とロッキード・マーチン(LMD)の強さが目立ちますね。特にアルトリアグループは昨年頭抜けて高い値になっていますね。
逆に冴えない企業を見ると、原油価格の下落の影響が明らかである、エクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)はどんどん下がっていて、シェブロンはマイナスになっています。
ROICが直近5年で安定しているのは3M(MMM)とジョンソン&ジョンソン(JNJ)あたりかなという気がします。
毎月のROICが100を超える・・という文言がありましたが、ハイテク企業と主要米国企業で100%超えるような企業はなかったです。ただ、アルトリアグループとかロッキード・マーチンは確かに直近の株価は好調の印象です。直近冴えないエネルギーセクターの2社は低くなっていて株価に反映されてるといえそうです。
今回の調査の結論としては一つの指標としては使えそうな印象を持ったという感じです。


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