米国小型株ETFはバンガード(VB)とiシェアーズ(IJR)どちらがいいのか?比較してみた
小型株効果とは、株式の時価総額が小さい小型株が、大きい大型株よりも収益率が相対的に高くなりやすい傾向にあることです。
相場のアノマリーの一種で、超・株式投資 (Modern Alchemists Series No. 122)(参考記事:超・株式投資)の中でも、バリュー、モメンタムと並んで有効なあのマリーがあると書かれていました。
個人的には小型株には注目していて、毎月の積立投資の枠でEXE-i グローバル中小型株式ファンドに投資をしています。
では、ETFだと何があるかとなりますと、特に有名なのは米国の小型株に投資するバンガード・スモールキャップETF(ティッカー:VB)でしょう。
しかし、同じ米国小型株に投資するETFとしてiシェアーズのiシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF(ティッカー:IJR)があり、昨年から仁義なきコストダウン競争が行われていて、現在両者の経費率はiシェアーズのIJRが0.07%に対し、バンガードのVBが0.06%となっています。
関連記事:バンガードBND等債券ETF4本、小型株(VB)、グロース株(VUG)、バリュー株(VTV)、S&P500(VOO)等株式ETF13本経費率値下げ
経費率ではほとんど差がありませんが、違いも含めて色々と調べてみました。
IJRとVBの比較
経費率、銘柄数、分配率等

まず、経費率、銘柄数、分配率、PER、PBR、標準偏差をまとめてみました。
iシェアーズのiシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF(ティッカー:IJR)は銘柄数600程度に対し、バンガード・スモールキャップETF(ティッカー:VB)は1400程度。VBの方が分散しています。
比較するとバンガード・スモールキャップETF(ティッカー:VB)は銘柄数が多い分、PERや標準偏差もIJRと比較して低くなっています。
設定日は共に10年をゆうに超えてリーマンショック時の値動きも把握できるため、どちらとも運用実績としては文句なしといえそうです。
では、各ETFの細部を見ていきましょう。
セクター別比率

米国小型株に投資をしますが、それぞれどんなセクターに投資をしているか確認してみました。
どのセクターも数%程度の違いしかなく、金融セクターが組入れトップというのも変わりません。銘柄数は違うものの、だいたい投資先のセクターの比率は差がないと言えるでしょう。
構成上位10社

次に、ETFの構成上位10社についてみ見てみましたが、IJRとVBでは全く異なります。とはいえ、両方の組入れ上位10社でも0.4%とかですので、銘柄数が多く分散されているため被ってないんでしょうね。
過去1年とVB設定以来の値動きを比較
では、パフォーマンスに差はないのか?IJR(赤)とVB(青)にS&P500(緑)を加えて比較してみました。

過去1年で見てみますと、S&P500と小型株2つのETFのパフォーマンスに余り差はないですね。
バンガード・スモールキャップETF(VB)よりもiシェアーズのiシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF(IJR)の方が若干値動きが激しい印象があります。
では、長期で見るとどうなのか?バンガード・スモールキャップETF(VB)設定以来のパフォーマンスを見てみましょう。

小型株ETFは共にS&P500を大きく上回っていますので、これが小型株効果といえそうです。
バンガード・スモールキャップETF(VB)と比較して、iシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF(IJR)の方がここ数年パフォーマンスがいい傾向があります。
モーニングスターの朝倉氏(関連記事:これからETFブーム到来?ETFはこの7本を買いなさいを読んで)や3%シグナル投資法(関連記事:3%シグナル投資法 だれでもできる「安値で買って高値で売る」バリューアベレージ法を読んで)で、iシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF(IJR)を採用しているのもこういうパフォーマンスの差も関係しているかもしれません。
IJRとVBの比較まとめ
- 経費率では0.01%バンガード・スモールキャップETF(VB)の方が安い
- バンガード・スモールキャップETF(VB)の方が銘柄数が多く分散されていて、標準偏差やPERが低い。
- 過去1年、過去13年で比較してもiシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF(IJR)の方がパフォーマンスが良い。
- IJR、VB共にS&P500のパフォーマンスを大きく上回っている。


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