いかにしてマクドナルドは大きくなったか?マクドナルド創業者による自伝、成功はゴミ箱の中にを読んで
マクドナルドの創業者レイ・クロックを描いた映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』が、日本でも7月末に公開されています。
ちょうどこのタイミングで、ダイヤモンドだったからプレジデントだったか忘れてしまいましたが、記事になっていたので、マクドナルドの創業者レイ・クロックの自伝である成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)を読みました。
最近マクドナルドの業績が日米共に回復傾向ですけど、読み終わって何故マクドナルドが強いのかがわかった気がしますが、それ以上に感じたことがあります。
マクドナルドの初期の様子がAmazonの初期の頃にそっくりだなと。
関連記事:amazonという企業の成り立ちを知る
とにかく一人目の奥さんの家庭は仕事しかかまわずに家庭崩壊、二人目の妻は三人目の妻の腰掛け的な扱い(しかも同僚)という私生活も破天荒ですからね。
52歳でマクドナルドのフランチャイズ権を獲得したぐらいですから、破天荒ではないとなかなか行動できないことではあると思いますが。
個人的には以下の3点が印象に残りました。
商売の神髄は、「勇気を持って、誰よりも先に、人と違ったことをする」
巻末でユニクロの柳井正氏も一番最初に成功者の発想法として取り上げていますけど、「商売の神髄はbe daring(勇気を持って)、be first(誰よりも先に)、be different(人と違ったことをする)」っていうのは真理だなと思いましたね。
これはあらゆる分野にもあてはまることではありますが、なかなか勇気を持って誰よりも先にって難しいと考えます。また、人間ってどうしても他人の意見を気にするので、人と違ったことをするっていうのも中々難しいと思うんですね。
この言葉は巻末に柳井氏との対談が載っている孫正義氏も好きそうな言葉だなと。
仕事においてもプライベートにおいてもこの言葉に関しては意識して日々を過ごしていこうと思います。
投資にも通じるリスクに関する言葉
床の上におかれたロープという例えも秀逸なのですが、それ以上にこの言葉って投資にも通じるなと。「幸せを手に入れるためには失敗やリスクを超えていかなければならない。床の上におかれたロープの上を渡っても、それでは決して得られない。リスクないところには成功はなく、したがって幸福でもないのだ。我々が進歩するためには個人でもチームでも、パイオニア精神で前進するしかない。企業システムの中にあるリスクを取らなければならない。これが経済的自由への唯一の道だ。ほかに道はない」
年金で大半を国債に投資しろということを国会議員が国会で質問することもあるぐらいですけど、リスクを取らないことには経済的自由への道には辿り着かないということを示唆しているように感じました。
この言葉に関しては柳井氏が補足していて、自分は失敗の連続ではあるが、ここまでの失敗なら耐えられると自分の力が及ぶ範囲で挑戦してきたため致命的な失敗はしていないと言及しています。
自分の許容する範囲で投資をすることにも通じるのではないでしょうか?
この本の中には他にも強烈なエピソードや言葉が載っているのですけど、個人的にはこのリスクに関する言葉が最も印象に残りました。
レイ・クロックから学ぶ、マーケティングの知識と営業経験の重要性
レイ・クロックは柳井氏も孫もアウトサイダーだから上手くいったと言っていましたが、個人的に52歳から成功したのは紙コップのセールスマン、ラジオ局のピアノ弾き、ミルクシェイクを作る機械、マルチミキサーの会社の立ち上げという異色の経歴にあると思いますね。
営業としても優秀だった人なのですが、マーケティングの知識や展望に関しても目を見張るものがあったようです(自伝で誇張気味なとこもあるでしょうけど)。
私はどちらかというと営業とは余り関係ないリーマン人生を歩んできているだけに、マーケティングの知識とか営業的な行動という点をもっと知っておいた方がいいと感じましたね。
これまで顧客や関係会社含めて色んな幹部社員見てきましたけど、営業を経験している幹部社員の方が総合的に優れている人が多い印象があるんですよ。ずーっと技術者だった幹部社員はどうも配分(仕事量や金銭面)というものがわからない人が多い印象です。
2007年出版の本で自伝の部分や柳井氏の解説の部分もいいのすけど、10年経ったからこそ、柳井正×孫正義の対談を最新版で読みたいなと思いました。
レイ・A. クロック,ロバート アンダーソン,野地 秩嘉,孫 正義,柳井 正 プレジデント社 2007-01-01


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