米国株モメンタムETF(MTUM)から見えてくる、現状モメンタム効果のあるセクター
モメンタム効果といいますと、株式投資で値上りした銘柄の株価はその後さらに上がり、値下りした銘柄の株価はさらに下がっていく、というアノマリー現象のことを指します。
ちょうど2年前にウォール街のモメンタムウォーカーを読みまして、興味深いデータが多く書かれていたのと同時に、モメンタム効果は確かにありそうだなと思いもしかしてETFがあるなと思いました。
ウォール街のモメンタムウォーカーの記事:ウォール街のモメンタムウォーカーを読んで
実際、2015年1年で見ると他のバリューやグロース等を上回るパフォーマンスだったのですけど、2016年に関しては他に負けている状況でしたね。
関連記事:2016年米国株のスマートベータETF(バリュー、グロース、小型、低ボラティリティ、モメンタム、配当)のパフォーマンスを調べてみた
そんなモメンタムに関するETFとして「iShares MSCI USA Momentum Factor ETF(MTUM)」がありまして、iシェアーズ・米国航空宇宙・防衛ETF (ITA)と並んで私がSBI証券に取り扱ってくれと要望しているETFです。
モメンタム効果に関しては、特に昨年11月のアメリカ大統領選挙でセクター毎のパフォーマンスで変化がありましたので、現在どうなっているのか確認してみました。
関連記事:ウォール街のモメンタムウォーカー発売から1年経過。iSharesの米国株モメンタムETF(MTUM)の現状を確認してみた
iShares Edge MSCI USA Momentum Factor ETF(MTUM)のセクター別比率を確認してみた

5つのセクターに偏重していますね。特に情報技術セクターと金融セクターの比率が合計6割近くまで高まっています。
また、3番円から5番目の一般消費財、ヘルスケア、資本財・サービスのセクターも一定比率を保っています。
しかし、昨年見た時はもっとセクター別に分散されていたようなと思い調べてみますと・・

生活必需品セクター、公益事業セクターが1年で消えててます。確かに2つのセクターは昨年の今頃は好調でしたけど、大胆に入れ替えるETFのようです。
では、セクター上位を占める5つのセクターは本当にパフォーマンスが好調なのか調べてみました。
組入れ上位5つのセクターのパフォーマンスを確認してみると確かに好調だった
以下の各セクターETFとS&P500を過去1年、過去5年で比較してみました。
一般消費財セレクトセクター SPDR ファンド(XLY) 赤
テクノロジーセレクト セクター SPDR ファンド(XLK) 青
資本財セレクトセクター SPDR ファンド(XLI) 緑
ヘルスケア セレクトセクター SPDR ファンド(XLV) 桃
金融セレクト セクターSPDR ファンド(XLF) 水色

一般消費財セクターとヘルスケアセクターは黒のS&P500にやや負けてますけど、残りの3つのセクターはS&P500を上回ってますね。
特に比率が高かったテクノロジーセクターと金融セクターは好調です。
同様の比較を過去5年で見てみますと・・

5つのセクター全てS&P500を上回ってます。
MTUMはこの辺の比較を行いながらセクターと銘柄を決定しているのでは?とも思えてきます。
モメンタム効果は万能ではないが参考指標にはなる

現状のiShares Edge MSCI USA Momentum Factor ETF(ティッカー:MTUM)とS&P500を過去1年で見てみましたが、全期間でS&P500に勝っているというわけではないものの、現状S&P500を上回ってます。
モメンタム効果は万能とはいえませんが、投資している企業やセクターを見ると、個別株投資でもセクターETFに投資する際にも参考指標にはなるのではないかと考えます。
米国株モメンタムETF(MTUM)から現在モメンタム効果のあるセクターと銘柄を確認 - 関東在住福岡人のまったり投資日記
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