バンガードのVTIと組み合わせるにはどのETFが最適か?高配当・増配株(HDV,VIG,VYM)編
先月、海外ETFのポートフォリオを確認した際に、ニューヨークダが20%ぐらい下がることがあれば、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(ティッカー:VTI)かパワーシェアーズQQQ信託シリーズ1(ティッカー:QQQ)に投資しようかと考えていると書きました。
2017年7月終了時点の海外ETFのポートフォリオに見る課題と今後の方針
ニューヨークダウが20%下落したら、ハイテク株関連はもっと下がる可能性が高いのでチャンスともいえるでしょう。ということで、現時点ではニューヨークダウが22000ドルから20%ぐらい下がることがあれば(※2015年は10%以上下がった時があったんですけどそれ以上下がらず)、以下のETFのどっちかに投資しようと考えてます。
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(ティッカー:VTI)
パワーシェアーズQQQ信託シリーズ1(ティッカー:QQQ)
ただ、米国株全体に投資で来て、小型株や中型株も含んでいるVTIは、米国上場ETF全体で見てもS&P500連動のSPY、IVV同様大きな純資産ですので、選択肢としてはVTIの方が有力かなと思います。
VTIは初心者にもおすすめできるETFだと思うのですが、じゃあこのETFと組み合わせてポートフォリオを作るとすれば、どのETFがいいのかを主要なETFで調べましたのでまとめていこうと思います。
今回は高配当・増配株の以下の3つのETFを対象に調べてみました。
- バンガード・米国増配株式ETF(ティッカー:VIG)
- バンガード・米国高配当株式ETF(ティッカー:VYM)
- iシェアーズ・コア米国高配当株ETF(ティッカー:HDV)
単純に50%対50%の比率でポートフォリオがどういう値動きをするか確認していきます。
バンガード・米国増配株式ETF(ティッカー:VIG) と50対50で組み合わせて見ると
まず、米国の連続増配株に投資するバンガード・米国増配株式ETF(ティッカー:VIG)。

比較対象はS&P500 ETFです。過去10年で比較を行いました。
ポートフォリオはリターン107.6%、ボラティリティ19.0%に対し、S&P500はリターン104.9%、ボラティリティ20.6%。
VIGと組み合わせることでボラティリティが抑えられつつ、リターンも改善していることが分かります。期待したよりはリーマンショック時の落ち込みを抑えられていないような印象もありますが・・
次に、バンガード・米国高配当株式ETF(ティッカー:VYM)を見ていきましょう。
バンガード・米国高配当株式ETF(ティッカー:VYM) と50対50で組み合わせて見ると

ポートフォリオはリターン106.6%、ボラティリティ19.7%に対し、S&P500はリターン104.9%、ボラティリティ20.6%。
過去10年で見るとバンガード・米国増配株式ETF(ティッカー:VIG)の方がリターンが良く、ボラティリティが低いということがわかりました。
では、バンガードに対抗心メラメラでコスト競争にもなっているiシェアーズ・コア米国高配当株ETF(ティッカー:HDV)はどうなのでしょうか?
iシェアーズ・コア米国高配当株ETF(ティッカー:HDV) と50対50で組み合わせて見ると
iシェアーズ・コア米国高配当株ETF(ティッカー:HDV)は設定から6年経過の状況ですので、HDV設定以来の期間で見てみました。

ポートフォリオはリターン107.3%、ボラティリティ12.6%に対し、この間のS&P500はリターン112.6%、ボラティリティ14.4%。
リターンはS&P500に負けてますが、ボラティリティは抑えられていますね。高配当株の特徴が出ているかと思います。
ちなみに同じ期間だと、先ほどみたバンガードのVIGとVYMはどうかといいますと・・
バンガード・米国増配株式ETF(ティッカー:VIG) と50対50 過去6年

バンガード・米国高配当株式ETF(ティッカー:VYM) と50対50 過去6年

リターンとボラティリティをまとめると以下の通りです。
HDV:リターン107.3%、ボラティリティ12.6%
VIG:リターン100.9%、ボラティリティ13.5%
VYM:リターン113.5%、ボラティリティ13.7%
S&P500:リターン112.6%、ボラティリティ14.4%
過去6年ぐらいですとS&P500のパフォーマンスが優勢なのですが、ボラティリティは高めです。
対してVTIとの組み合わせはボラティリティを抑えれていますし、VYM:VTI=50:50なんかはリターンも上回ってますね。
VYMのパフォーマンスがいいのは比較的セクターの偏りがないからかもしれません。HDVは原油やタバコの比率が高いので若干リターンでは劣りますが、ボラティリティは低めになっています。
VTIと組み合わせるなら、何を重視するかを考えて選んだ方がよい
ここまでVTIとの組み合わせでどのETFがよいかを見てきましたが、何を重視するかによってETFを選んだ方が良いかと。
今回比較した3つのETFだと以下の特徴がありますので、考慮して選んだ方がよいでしょう。
VIG:連続増配株を重視、配当は高配当より少なめ、過去10年でボラティリティは低め。
VYM:高配当重視、セクターはHDVよりも分散されていて、銘柄数も多い。
HDV:高配当重視、ボラティリティはVYMよりも低め。たばこメーカーやエネルギー関連の会社の比率高め、銘柄数が少なめ。
追記:HDV設定来の各ポートフォリオとS&P500の比較
HDV設定来の各ポートフォリオとS&P500の比較するとS&P500にやや負けてます。





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