新興国株式(VWO)と新興国債券(VWOB)の相関性について海外ETFで調べてみた
米国の著名投資家レイ・ダリオのポートフォリオが、新興国株式の比率が高いということで、新興国株式に偏重したポートフォリオのパフォーマンスについて先日調べたのを記事にしました。
関連記事:レイ・ダリオのように新興国株式に偏重したポートフォリオのパフォーマンスを調べてみた
新興国株式のリーマンショックから現在までのパフォーマンスを見ますと、冴えていない状況なのですが、じゃあ新興国債券と組み合わせると多少は改善するんじゃないか?と思いついたんですね。
実際に長期で新興国株式と新興国債券の相関性って調べたこともなかったので、この際海外ETFでどうなのか調べてみようかなと。
ということで、新興国株式をバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(ティッカー:VWO)、新興国債券は以下の2つのETFを使って相関性を確認してみました。
- バンガード・米ドル建て新興国政府債券ETF(ティッカー:VWOB)
- iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETF(ティッカー:EMB)
新興国株式ETF(VWO)と米ドル建て新興国債券ETF(VWOB)の相関性
まずはバンガードのETF同士で値動きを比較して相関性を見てみようということで、バンガード・米ドル建て新興国政府債券ETF(ティッカー:VWOB)設定以来の約4年の期間で、バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(ティッカー:VWO)と比較してみました。

赤が新興国株式(VWO)で、青が新興国債券(VWOB)なんですが、新興国株式が大きく下落している時期も新興国債券は横倍かやや上昇していて逆相関性はそれなりにありそうに見えますね。
ただ、VWOBは設定から4年程度で長期のパフォーマンスがわからないということで、iシェアーズのiシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETF(ティッカー:EMB)に変えて比較してみました。
新興国株式ETF(VWO)とiシェアーズの米ドル建て新興国債券ETF(VWOB)の相関性

リーマンショック時に赤の新興国株式はマイナス60%を突破しているわけですが、青の新興国債券もマイナス30%程度。
大きな調整時は新興国債券も大きく下落するという事例ではありますが、それ以外の期間ではある程度逆相関性がありそうな値動きをしています。
ちなみにiシェアーズ J.P.モルガン 現地通貨建てエマージング・マーケット債券 ETF(ティッカー:LEMB)という米ドル建てではなく現地通貨建てのETFとも比較してみましたが・・

緑の現地通貨建てだと、株式が下がった時のマイナス幅が大きいですね。
新興国株式ETF(VWO)と新興国債券ETF(EMB)を50対50で組み合わせてみると
相関性が低そうなので、仮にVWO100%の場合(水色)と、VWO:EMB=50:50(緑)という分散でパフォーマンスがどうなるかを比較してみました。

こういうポートフォリオで運用している人はいないとは思いますが、新興国株式100%と比較して、ボラティリティ半分で、リターンは約4倍という結果になります。
債券と株式に分散していると、特定期間ではこういうこともあるという事例ですね。
大きな下落のリスクが高いので、それを受け入れるのであれば問題ないとは思いますが、リスク耐性が高くない人の場合は、新興国株式に投資するとすれば、あわせて新興国債券にも投資をしておいた方がよいのではないかと考えます。
私の場合はチキンな性格ですので、新興国債券に為替ヘッジをつけて、野村インデックスファンド・新興国債券・為替ヘッジ型に投資してたりします。
当初は為替変動リスクがあると考え、投資を始めたファンドではあるのですが、現地通貨建てと米ドル建てのパフォーマンス差を見ておりますと、このファンドを運よく選んで良かったなと思います。
追記:VWOとVWOBの相関性
2014年から2019年のVWOとVWOBの相関性を追記します。割とVWOBはよさげ。




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