十年一昔とはいうが、近5年や10年でインデックスファンドやETFはどれだけコストダウンしたのか?
十年一昔ということわざがありますが、まだ学生だったことを考えるとかなり前のような気もしてきます。私の場合、学生から社会人になった後の数年が地獄だったため、より美化した思い出となっているのかもしれません。
簡単に10年前というとサッカーの日本代表監督はオシムですので、現在から4代前の話になりますし、自分の贔屓のサッカーチームや野球チームがあったとして、現状と比較してもスタメンに名前がなかったり、当時の若手に部類されていた選手が衰え始めていたりします。
そんな10年で世の中の製品やサービスは限りなくゼロに近づいているか、同じ価格かそれ以上の価格だけど、多機能ハイスペックになっています。
これから将来、シンギュラリティまでいくのかはわかりませんが、技術の進歩の速度は上がっていき、価格がゼロに近づいていくサービスが増えていくんじゃないでしょうか?
これを投資に当てはめますと、インデックスファンドやETFって信託報酬的なものが限りなくゼロに近づいていくものに部類されると思うんですね。
実際、積立NISAの影響か、最近既存インデックスファンドの信託報酬の引き下げ、新規インデックスファンドの設定が相次いでいます。把握しているだけで以下の通りです。
- 「iFree」シリーズの6ファンドの信託報酬値下げ
- 「たわらノーロード」シリーズの9ファンドの信託報酬値下げ
- 三井住友DC日本株式インデックスファンドSが、信託報酬を引き下げ
- 三菱UFJ国際投信が「つみたて」シリーズ7本を新規設定
- りそなAMが超低コストインデックスファンド「Smart-i」シリーズ9本を新規設定
- 野村AMが超低コスト6資産バランスファンドを新規設定
もはや追いきれない状況になりつつありますし、速報は信じられないくらい速い人がいるのでまとめて書いてます。
かなり信託報酬がインデックスファンドも一気に下がった印象なのですが、ここで疑問に思うわけです。一体この5年や10年以内にどれくらい下がったのかと。
インデックスファンドのコストダウン幅
国内株式や先進国債券などありますが、特に投資をする人が多い、先進国株式と新興国株式について見ていきましょう。
私が投資を始めた6年前の時点で投資をしていたのが以下の2つのファンドです。
- eMAXIS 先進国株式インデックス
- eMAXIS 新興国株式インデックス
この2つの信託報酬は当時とほぼ変わっていませんので、先進国株式、新興国株式共に0.65%程度でコストが最安に近いという状況でした。
これが現状のコスト最安のファンドはどうなるかというと、先進国株式がiFree 外国株式インデックスで0.19%、新興国株式がeMAXIS Slim 新興国株式インデックスとiFree 新興国株式インデックスで0.34%。
先進国株式で3分の1以下、新興国株式で約半分になってます。
他のカテゴリに目をやっても、ちょうど6年前の秋に設定されたeMAXIS バランス(8資産均等型)が0.54%でeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)が約0.24%。半分以下になってるんですよね。
ゼロに近づくのはなかなか厳しいとは思いますが、この6年で大きく進歩していることがわかります。
海外ETFのコストダウン幅
では、iシェアーズやバンガードの海外ETFってどうなのだろうかと思い、色々と調べてみました。
この1年だけでもiシェアーズとバンガードによる激しいコスト競争の末にどんどん下がっていっています。
関連記事
HDVが33%、AGGが38%コストダウン!iShares CoreシリーズのETFコストを引き下げへバンガード米国増配株式ETF(VIG)、またまたコストダウンで経費率0.08%に
10年近く前の記事ですので探すのが結構難しかったのですが、判明したETFだけをまとめると以下の通りでした。
- バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI) 2008年時点 0.07%→0.04%
(参考記事:SBI証券もバンガードETF2銘柄取り扱い) - バンガード・スモールキャップETF(VB) 2008年時点 0.10%→0.06%
(参考記事:SBI証券もバンガードETF2銘柄取り扱い) - バンガード・トータルワールドストックETF(VT)2009年時点 0.30%→0.11%
(参考記事:バンガード・トータルワールドストックETF(VT)が取り扱い開始) - バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO) 2009年時点 0.25%→0.14%
(参考記事:iSharesとVanguardによるエマージングETFの手数料競争) - iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV) 2011年時点 0.40%→0.08%
(参考記事:iShares、Core ETF を拡充) - バンガード・米国増配株式ETF(VIG) 2013年時点 0.10%→0.08%
(参考記事:バンガードETF、日本で3年ぶり“新商品”―人気の「増配株」など3本) - バンガード・米国高配当株式ETF(VYM) 2013年時点 0.10%→0.08%
(参考記事:バンガードETF、日本で3年ぶり“新商品”―人気の「増配株」など3本)
日本のネット大手証券会社で買えるようになった時の記事を探してまとめてみましたが、元から0.1%ぐらいのETFだと流石にじりじりとしか下がっていってません。ただ、0.3%ぐらいだったVTやVWOは半分以下になっており、今後ののびしろもありそうな気配です。
iシェアーズはコアシリーズというものを作って、既存の高コストのETFはそのままに、新しいETFを作ってバンガードとのコスト競争に挑んでいます。
この状況を見ると、eMAXIS Slimと投資カテゴリが被っているeMAXISシリーズのファンドはこれからもiシェアーズのETFのように特にコストダウンもなく放置の状態になるんでしょうね。
まとめるとインデックスファンドもETFも5年10年でコストは大きく下がる
インデックスファンドと海外ETFをみましても、コストは5年~10年でだいたい半分になるといえそうですね。すなわちアラサーの私が40になる頃には、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI) なんかは0.02%とかになっていることは大いにあり得ます。
ロボットや人工知能に仕事を奪われていく時代において、ある意味投資の信託報酬がゼロに近づくというのは必然であり、本業以外の収入の観点から必要なことなのかもしれません。
手数料で稼いでいる銀行とか証券会社はどうなるんでしょうね?


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