制度のゆがみをついて黄金の羽根を手に入れろ!新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめを読んで
幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」を読み増して、橘玲氏の著作をほかにも読んでみようと考えておりました。
関連記事:未来を決める3つの資本とは?幸福の「資本」論を読んで
そしたら、ちょうどいいタイミングで、新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ (幻冬舎文庫)の文庫版が出たので購入して読みました。
2002年に発売された本の改訂版で、初版から時間が経ち、法改正等があったため内容が古くなっているところを追記・修正したものです。基本的には当時のままで文章を構成されています。
冒頭の1995年に大きな転換点で橘氏が投資を始めた経緯に関しては記事を書きました。
冒頭部分の内容の記事:時代の大きな転換点が投資を始めるきっかけになる。私にとって特別な年は2011年だった。
今回はそれ以外の①収入、②住居、③制度のゆがみについて書きたいと思います。
資産形成について
橘氏はパチンコよりもはるかに勝率の高いギャンブルが株とバカラという風に書いてましたが、基本的には資産形成は以下のお金持ちの方程式にあてはめることができます。
資産形成=(収入ー支出)+(資産×運用利回り)
そして、当り前ではありますが、資産形成のためにお金を増やす手段としては以下の3点になります。
1.収入を増やす
2.支出を減らす
3.運用利回りを上げる
収入を増やし、支出を減らし、そしてそれによって形成した資産を利率で運用することができればお金持ちになれると。
基本的にはこの3点ですが、まずは投資をやるやらないにもかかわらず、1の収入を増やすことと、2の支出を減らすことが重要ではないかと改めて感じました。利回りにこだわるとリスクも背負う可能性もありますし。
また、橘氏はサラリーマンがお金持ちになるのが難しい最大の理由は、税・社会保険料コストが大きいからだということで、法人化のメリットついてかなりの分量書かれています。
ただ、自分にとっては法人化というとそこまでのレベルは想像できないというのが現状ですね。
持家or賃貸について
支出や投資に関する内容ですので、当然論争になりがちな持家or賃貸についても書かれています。
橘氏の意見はマイホームと賃貸どちらがいいのかというと、どちらがいいということは無いという結論でしたが、住宅コストについては、地価の上昇が見込めないのであれば、賃貸に分があるという風に受け取りました。
最近不動産業者を名乗る持ち家か賃貸かについて説明させてほしいという変な輩が家に来たことがあって、引越しの遠因にもなったので、あまりこの論争にかかわりたくないのですが、橘氏の意見に同意ですね。
ゆがみをつくこと
本のタイトルにもある黄金の羽根を「制度の歪みから構造的に発生する”幸運”。手に入れた者に大きな利益をもたらす」と定義しています。
そして、黄金の羽根を拾うことで、「何ものにも束縛されない状態」で生きるのに十分な資産を持ち、「真に自由な人生を生きること」に「最短距離で目標に到達できる、少数の人しか知らない方法」を提案しています。
本の中で特に重要だと思ったのはゆがみをつくことの重要性ですね。
現状の日本は「制度の歪みから構造的に発生する幸運である“黄金の羽根の拾い方”が、すべて完全に合法的にできるところに、社会の問題の本質がある」と書かれていました。
経済的に成功するためには、「経済合理的」でなくてはならない。その意味で、国家は、人生を最適設計するための道具だ。とまで言い切るぐらいではないとダメということでしょうね。
たとえるなら、我々のような20代30代向けに国がNISAなり確定拠出年金なりiDeCoなりを用意してくれているわけですから、活用しないのは損じゃないですかね。
結局、経済的、制度的なものが起因で価格的にゆがんだものに投資をするというバリュー投資や、制度を活用して節税するというところにもつながるんじゃないかと。
気になったら調べる→行動することが重要だ
橘氏のダイヤモンドやプレイボーイの連載をたまに読んでますけど、グローバル化の意識が強すぎるという点もあり全面的に賛成というわけではありません。しかし、本の内容はいかにお金持ちになるか?という点において本質をついているかと。
お金持ちになるうえで、資産形成、住宅関連、税務関連も無論重要なのですが、本の中で日韓W杯のチケットの入手方法や、橘氏が90年代にマイクロソフトの株を買いたいと証券会社に行き、その後海外経由で投資を始めた話の例にもあったように、お金を増やすために気になったら調べる→行動するってことが重要だと考えます
とくに情報化が進んだ現代はグローバル化も進んでますので、同じことをする人もそれだけ増えます。今後は自動翻訳も進化してかなり使い勝手が良くなるでしょう。
となると仕事なんかは世界中と競争しなければならないわけで、単純なことではありますが気になったら膨大な情報の中から調べて、行動するってことがますます重要になる時代なんじゃないかと本を読んで感じました。
市場が横暴で、下品で、間違いだらけでも投資する。ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていることを読んで - 関東在住福岡人のまったり投資日記
投資系のブログに関しては結構な数を毎日読んでいるのですけど、他の人がオススメしている本に関してはとりいれていきたいと考えています。当然、投資スタイルは千差万別なわけでして、インデックスに全力の人から、国内外の個別株に全力の人もいます。...


フォローする Follow @garboflash
更新情報を受け取る

- 関連記事
-
- 行動経済学はいかにして生まれたのか?かくて行動経済学は生まれり
- バフェットの右腕マンガーの投資哲学、思考とは?マンガーの投資術を読んで
- 制度のゆがみをついて黄金の羽根を手に入れろ!新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめを読んで
- 12人の著名なバリュー投資家から学ぶ、特に重要な8点の投資哲学とは?価値の探究者たちを読んで
- いかにしてマクドナルドは大きくなったか?マクドナルド創業者による自伝、成功はゴミ箱の中にを読んで