AI時代に勝ち残る企業と人の条件とは?シンギュラリティ・ビジネスを読んで
去年あたりから人工知能関連の本をぼちぼち読んでおります。
確かに現状はブーム感はありますけど、10年スパンぐらいで考えると仕事の種は多く転がっていると考えているので、軽く知識を持っていると新しいもの好きの50代ぐらいのお偉いさんは雑談でも喰いついてくれるんですね。
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経済やベーシックインカムと人工知能の関係性の本は読みましたけど、じゃあ実際のところビジネス化ってどうなんだろ?と考えていたらズバリのタイトルがありました。
シンギュラリティ・ビジネス AI時代に勝ち残る企業と人の条件
タイトルの付け方が知りたい情報にドンぴしゃだと思いますが、内容は読みやすかったですね。若干、著者の主観が入っている感があり、天才の予測といった伝聞レベルの箇所もあるためその点は割引いてみる必要があります。
印象に残った点をまとめるとおもに以下の4点でした。
世の中が指数関数的に変わっていく
AIが人間を超えるプレ・シンギュラリティの到来は確実ですし、現在、進化の速度は直線的ではなく、エクスポネンシャルな(指数関数的)速度で進むため、世の中は変化せざるを得なくなり、その前提で生き方を考え直さなければならないとありました。
指数関数的に進化するということで、当然ビジネス的にも初動が重要になってくると思うんですよね。
初動から出遅れないためには、ある程度の情報のネットワークを持っている企業か極端なベンチャー企業ではないと厳しくなるんではないかと。
また、流行商品の移り変わりもはやくなりそうなので、シェアを寡占してもひっくり返される事例がどうなるかは気になります。使われていないリソースをシェアすることも広がりを見せてきていますので、急成長後3日天下に終わらない企業をさがすというのも難しくなるかもしれないなと考えます。
G(ジェネティクス遺伝学)、N(ナノテクノロジー原子・分子レベル)、R(ロボティクス)の3つの革命が起き、人間は働かずして生きられるようになり、かつ、寿命も大幅に伸びるので、生き方も変わっていくでしょうね。
個人的に遺伝学とナノテクノロジーのGとNは人工臓器など組み合わせれば更に医療的にも応用できると思いますので、私はヘルスケアセクターに投資をしているわけです。
ただ、現状を見ると昨年から株価が上昇しておりまして、期待値が乗りすぎている感があるわけですが、間違いなく数十年スパンで伸びるとおもうんですけどね。
シンギュラリティ大学が考える人類の12の課題と9つのテクノロジー
著者の斉藤氏はエクスポネンシャルなテクノロジーに特化した教育を行う、シンギュラリティ大学に日本人として通った数少ない自物ですが、人類の課題として以下の12点を挙げていました。
教育・エネルギー・環境・食糧・健康・繁栄・安全・水・宇宙・防災力・統治機構・住居
大きな進歩は各分野で起こるでしょうが、課題として繁栄ってなんぞやという感想ですし、統治機構は仮に他の11点が解決したとしても、一番の問題点としていつの時代ものこっていくんじゃないでしょうか?
まぁ、AI政治家が登場するかもしれませんけど。
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併せてシンギュラリティ大学が考える9つのテクノロジーについてもあげられてました。
AI、VR・AR、エネルギー、3Dプリンター、IoT、ロボティクス、ブロックチェーン、ドローン、ナノテクノロジー
当然国際的な競争としてすべての点で技術を追求すべきですが、各方面に特化して強みをもつというのも日本企業としてはありかなと。
特に9つのうち、VR・AR、3Dプリンター、ロボティクス、ナノテクノロジーはコンテンツや技術を考えるとチャンスは結構あるんじゃないでしょうか?国としても研究機関含めて支援していくべきでしょう。
スパコンは国力に直結する
選挙が近いため都合のいい政策を羅列する政党が出てきますと、どうしても事業仕訳が思い起こされ、事業仕訳というとスーパーコンピューターが連想されるわけです。
著者はスパコンの性能は国力に直結すると書いています。
京が1位になってからしばらくたった現状性能面での上位は中国系が目立つようになっています。ただし、効率性では日本のスパコンって上位を占めているんですね。
無論資金面で中国やアメリカに対抗するのは難しいことなのかもしれませんが、効率性という面を活かして競争力を持つというのは国策としてやっていいんじゃないかと。
量子コンピューターという話題がちらほら出てき始めていますし、クラウド化やAIの普及でスパコンって肝になると個人的には考えていますので、なんとか中国アメリカに食らいついていってほしいものです。
大学時代にかじった分野だけに、当方はNVIDIAとかARMのニュースも気になるんですよね・・
飛躍型組織の10項目
最後に飛躍型組織の10項目ということで、外部環境(SCALE)と内部環境(IDEAS)で10項目挙げらていました。
結局、人材と資源を外部から有効活用することが広まっていき、組織や業種が広くシェアされる時代になるからこそ、組織も上記10項目に着眼して、変化し続けていかないといけないということでしょうね。外部環境(オンデマンド型の人材調達:S、コミュニティとクラウド:C、アルゴリズム:A、外部資産活用:L、エンゲージメント:E)
内部環境(インターフェース:I、ダッシュボード:D、実験:E、自立型組織:A、ソーシャル技術:S)
人材も外部も資源を有効活用となりますと、ますます勝ち組と負け組の企業が鮮明になるでしょうから企業の統合も進んでいくんじゃないですかね。
となると本の中でも書かれたように非正規雇用はますます増えていく。その中でいかに生き残っていくか?を考えておいた方がいい時代なのかもしれません。


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