生活必需品セクターが不調気味に見えるので、個別株の状況を確認してみた
株価が大きく上がっているのですが、では現状冴えないパフォーマンスを示している特定の業種はあるのか気になって調べてみました。
アメリカのセクター別ETF(SPDR)の過去1年のパフォーマンスを見てみると、真中で唯一マイナスになっているのがエネルギーセクターです。原油価格は変動が激しく下がることも多いからでしょうね。
そして、過去1年でプラスであるとはいえ、エネルギーセクターを除くと冴えてないのが生活必需品セクターです。
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ここ1年伸びてきてた分配金も9月度で大きく下がったんですよね。やっぱりパフォーマンスとの関係性があるのでしょうか?
気になったので、バンガード米国生活必需品セクターETF(VDC)組み入れ上位の企業のパフォーマンスを見てみました。
P&G、コカコーラ、フィリップモリス、ペプシ、アルトリアグループ
まずは飲料の2トップコカコーラ(KO)、ペプシ(PEP)とたばこのフィリップモリス(PM)、アルトリアグループ(MO)、そして日本でもなじみ深いP&Gです。この5社とS&P500を直近の1年で見てみました。

黒がS&P500なのですが、総じてここ数カ月で下落傾向の企業が多いんですよね。また、P&G、コカコーラ、ペプシはこの1年ずーっとS&P500に負けています。
後、たばこ規制の話が7月末に出まして、その後アルトリアとフィリップモリスは冴えていません。アルトリアは7月末の規制の話で大きく下がった後そのままです。
たばこの規制は先進国では進むものの、新興国の開拓というので穴埋めできるのか?電子たばこはどうなるのか?というのも含めて先が読めいない状況なのも冴えない要因でしょうね。
ウォルマート、CVSヘルス、ウォルグリーン、コストコ、モンデリーズ
次にウォルマート(WMT)、CVSヘルス(CVS)、ウォルグリーン(WBA)、コストコ(COST)、モンデリーズ(MDLZ)の5社。

最初の5社と同様に黒のS&P500に負けております。
アマゾンに対抗してWEBにも力を入れているというウォルマートと日本でも店舗の周りが渋滞しているコストコは悪くはない感じですが、他の3社は過去1年マイナスですね。
米国最大ドラックストアのCVSヘルス2017年上期決算で調剤苦戦で増収減益、薬局チェーンのウォルグリーンはライトエイドとの統合断念の影響がありそうです。ドラッグストア関連は厳しい状況のようです。
モンデリーズはナビスコやオレオを持っていて、米国売上比率が25%ぐらいなので、プライベートブランドの影響は少ないかと思いましたが、既存の食品ブランドでの苦戦が背景にありそうです。
生活必需品セクターがさえないのはチャンスともいえるが・・
生活必需品セクターが冴えないのはある意味チャンスともいえると思うのですが、気になる点が2点あります。
- プライベートブランドの台頭
- たばこ規制
アマゾンがホールフーズを買収した後、プライベートブランドに力を入れているようですし、アメリカでもプライベートブランドが台頭しているようです。この影響がどこまであるかということを今後の展望で頭に入れないといけません。
また、たばこ規制の問題は生活必需品セクターについてまわりそうです。
日本でも規制が厳しくなっているのはわかるのですが、歩きたばこも増えている印象があるんですよね。喫煙場所の問題を自治体と組んで提供するなりの対策も必要になってくるんじゃないですかね?まぁ、そこに商機があるかというと微妙ではありますが。


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