グロース株>バリュー株の状況は何かの予兆なのか?ITバブルやリーマンショック時の状況と比較
バリュー株投資orグロース株投資というと色々な意見がありますが、両者ともに需要があるため、バンガードやiシェアーズなんかでもETFが存在します。
特に小型株+バリュー株とかグロース株の組み合わせたETFもあるぐらいですからね。
関連記事 >> NYダウが最高値更新中のこの時期に米国バリュー株ETF(VTV)をグロース株ETFと比較してみた
そんなバリュー株とグロース株の議論で興味深い記事を読みました。
参考記事 >> バリュー株投資、お前はもう死んでいる!?
著名な投資家のデービッド・アインホーンが、バリュー株投資戦略がまだ実行可能なのか疑問を抱いているとのこと。
読んでいてバリュー株の有効性を問う意見は一理あると思うのですが、逆に言うとこういう意見が出てくると調整の前触れなんじゃないかと思えてくるんですね。
今読んでいる本にバリュー株、成長株(グロース株)、モメンタム株の比較の内容が書かれていたので、ITバブルやリーマンショックより前にバリュー株とグロース株の関係はどうだったのかを調べてみました。
ITバブル前(1994~1999)
まず1994年から1999年というITバブル前夜の状況を見てみましょう。

参照:ウォール街のモメンタムウォーカー 〔個別銘柄編〕 (ウィザードブックシリーズ)
わかりやすく、S&P500やラッセル2000も比較できる表なのですが、グロース株>S&P500>バリュー株という順番になっています。
参照したデータが載っていた本はグロース株よりもバリュー株の方がパフォーマンスがいいと1927年~2014年とか、1980年代から2014年のデータをもとに考察されていました。
データが膨大なので2年ぐらい使って分析しているのでデータが2014年までですが、一定の説得力はあります。
では、ITバブル前でこの状況ですが、リーマンショック前はどうだったのでしょうか?
リーマンショック前(2004~2007末)
リーマンショック前の2004年にはバンガードからグロース株(VUG)とバリュー株(VTV)が設定されているので、この2つのETFのパフォーマンスを見てみました。

ITバブルの影響が残っていたのもあるのでしょうけど、赤のグロース株は緑のS&P500や青のバリュー株に大きく負けています。
時期によってバリュー株とグロース株の逆転は起きるのでしょうけど、ここまで差がついてたのは意外ですね。
では、2017年11月の現状は?(2012.11~2017.11)
では、現状はというと直近の5年のパフォーマンスは以下の通りです。
ここ5年バリュー株とグロース株は一進一退なんですが、2017年になってからはじりじりとグロース株のパフォーマンスがバリュー株を引き離しつつあります。
まだ、10%以上開いているわけではありませんが、ITバブル前に近づきつつある予兆的な感じはします。
年平均が10%近くまで差が開くようになると流石に大きな調整が起こる気がするんですがね。
とはいえ20年前と比べて、インデックスファンドやETFの資産規模は非常に大きくなってますし、バリュー関連やグロース関連のETFも多く出回ってますからね。
その影響でバリュー株投資が今までのようにうまくいかない可能性も、少しはあるのでは?と頭に入れておきたいなと思う今日この頃です。
ウォール街のモメンタムウォーカー 〔個別銘柄編〕 (ウィザードブックシリーズ)
posted with ヨメレバ
ウェスリー・R・グレイ,ジョン(ジャック)・R・ボーゲル パンローリング 2017-10-15


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