楽天バンガードに対抗?SBI証券、EXE-iシリーズで新たに全世界株式、新興国株式のファンドを設定へ。
つみたてNISA開始に向けて、インデックスファンドはコスト面の競争が激化しておりますが、大きなターニングポイントとなったのは楽天・バンガードの登場だと考えます。
海外ETF1本を100%組み入れたファンドオブETFのインデックスファンドがありと判明しましたから、これで一気にインデックスファンドの低コスト化が進むことになりました。
楽天バンガード関連記事
楽天投信、バンガードのVT(全世界株式)、VTI(米国株)に投資するファンドを新規設定。この流れだとSBI証券も動くのでは?楽天投信投資顧問、バンガード新興国株式ETF(VWO)を対象とするインデックスファンドを新規設定へ
こうなってくると先行して数本のETFの組合せのインデックスファンド(EXE-iシリーズ)を販売しているSBI証券のEXE-iも動くんじゃないか?と予想しておりました。
やはりSBI証券が動いてきました。
EDINET情報
EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンドEXE-iつみたて新興国株式ファンド
EXE-iつみたてということで、iSharesのコアシリーズやeMAXIS Slimシリーズのように既存のファンド放置のまま新しいファンドを設定という形になりました。
VTに投資する楽天・全世界株式インデックス・ファンドとVWOに投資する楽天・新興国株式インデックス・ファンドへの対抗でしょうね。
各ファンドの詳細を見てみましょう。
EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド
ファンドオブETF内訳:
- シュワブUSブロードマーケットETF(ティッカー:SCHB) 50%
- SPDRポートフォリオワールド(除く米国)ETF(ティッカー:SPDW) 40%
- SPDRポートフォリオエマージングマーケッツETF(ティッカー:SPEM) 10%
運用開始:平成29年12月6日
信託報酬で委託会社、販売会社、受託会社分を大きく削ってきました。EXE-i 先進国株式ファンドの信託報酬を例にとりますと、0.108%(委託会社) + 0.108%(販売会社) + 0.0324%(受託会社) = 0.2484%(運用管理費用)ですし。
楽天バンガードと比較すると楽天は0.1296%ですから、今回0.108%と攻めてきました。
ETFも日本の大手ネット証券では買えないシュワブのETFや最近SPDRが出してきた低コストETFを採用しています。
SPDR低コストETF参考記事:SPDRがETFの超低コスト化に参戦。日本では買えないけど…楽天バンガードみたいに出てこない?
SPDRはバンガードやiシェアーズの低コスト競争に置いていかれ気味で、S&P500のETFもバンガードとiシェアーズの方に資金が流れている感もありましたので、SBIが目をつけたのはなかなか面白いなと。
次に新興国株式の方を見てみましょう。
EXE-iつみたて新興国株式ファンド
ファンドオブETF:シュワブエマージングマーケッツエクイティETF(ティッカー:SCHE)
信託報酬:0.0648%+組入ETF0.13%=0.1948%
運用開始:平成29年12月6日
とうとう信託報酬が0.2%を切っていますね。運用管理費用も1本のETFに投資するので、楽天の約半分。数本に分散していないので管理しやすいというのもあるでしょうね。
流石にこのコストとなりますと、EXE-iの新興国株式に投資している人間としては、こちらに移ろうかとも考えます。楽天バンガードと違って新興国株式の運用実績がありますし、ETF1本ですのかい離も小さくなる可能性が高いですし。
EXE-iシリーズの主力である新興国株式を出してきたのはわかるのですが、楽天・全世界株式インデックス・ファンドの資産規模が現状10億で、楽天・全米株式インデックス・ファンドが倍の20億を突破している状況です。
今回全米株式のファンドは出てきませんでしたが、今後設定してくるんでしょうかね?
楽天とEXE-iつみたての中身を比較した記事 >> 楽天・新興国株式インデックスとEXE-iつみたて新興国株式の投資するETFの違い
ただし気になる点もある
ただし、EXE-iつみたての2本のファンドにも懸念点はあります。
- EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンドは、本当に運用管理費はこれで済むのか?
- EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンドは複数のETFに投資するため、想定よりも参考指数から乖離する可能性あり。
- 今のところ販売がSBI証券だけ
また、今のところ販売会社はSBI証券のみ。ここから販売経路をどこまで増やすつもりなのか、資産規模に影響を与えるだけに気になるところです。
パフォーマンスに関してはシュワブエマージングマーケッツエクイティETF(ティッカー:SCHE)が中国A株や小型株が含まれていないので、この2つの影響がどう転ぶかはその時の状況次第でしょうね。
信託報酬の競争だけではなく、実質コストとの乖離率を競争する時代となってきた感がありますね。


フォローする Follow @garboflash
更新情報を受け取る

- 関連記事
-
- EXE-iつみたてシリーズはeMAXIS Slimシリーズに近い?SBI証券、EXE-iシリーズで新たに先進国株式のファンドを設定へ。
- EXE-iつみたての2ファンド創設でどう変わる?EXE-i総資産額推移2017年11月度編
- 楽天バンガードに対抗?SBI証券、EXE-iシリーズで新たに全世界株式、新興国株式のファンドを設定へ。
- 新興国株式のインデックスファンドの競争も激化。EXE-i総資産額推移2017年10月度編
- 楽天が攻めているけど、SBIはどうする?EXE-i総資産額推移2017年9月度編