投資を行う上で把握しておきたい、破壊的イノベーションに直面した業界の事例
AIの話題を雑誌や新聞でもよく見かけるわけですが、仮に2040年頃シンギュラリティに到達したとしてもわれわれ世代はまだ還暦になっていないわけです。
70歳とか75歳まで働かなければならないといわれているわけで、じゃあ今の20代や30代の人間どうなるんだ?というのが素直な気持ちなんですね。
ということで、AI関連とかの本は大なり小なり気になるものでちょくちょく読んでいます。
タイトルがストレートで気になることでしたので、仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできることを読みました。
未来予測は面白く、ロボットに給料を支払って、ロボットの利用権を国有化するとか、逆に知能的な仕事の方が先にAIに変わられるというなかなか面白い視点で書かれてました。ただ、「いま私たちにできること」という点は弱かった気がしますけど。
で、この本の中で気になった記載があって「破壊的イノベーション」に直面した業界の流れって、投資を行う上でも今後AIが発展することで、少なくとも仕事の内容は変わりますし、なくなる仕事もでてきますから、重要になるんじゃないかと考えます。
著者の鈴木貴博氏は経営戦略のコンサルタントなので、破壊的イノベーションに直面した業界を見ているのでその事例をまとめてみました。
デジカメのケース
1981年 ソニーがマビカという今のデジカメの簡素とも言うべき商品の試作品を発表
1995年 カシオ QV-10を発売
2012年 イーストマンコダック連邦破産法申請
1990年頃の大手フィルムメーカーは「おもちゃ」という認識で、1995年以降は危機感を覚えるもののデジカメと棲み分けると断言していたそうです。
破壊的イノベーションの脅威が現実になるまでの時間は20年程度、古い業界最大手が消えていくのが30年後だそうです。
もちろん富士フィルムのように業種転換に成功する企業もあるでしょうけど、投資をする上でも一つの指標にはなるんじゃないかと思いました。
ちなみにインターネットを例も書かれてましたが、インターネットの商用化が1990年代初期で、2000年にインターネットバブルがありながらも、バブルを生き残った企業の影響で、インターネットの商用化から20年経ったら書店などが潰れていっています。
5年後でちょうど30年ぐらいになりますので相当数の企業が淘汰されてるでしょうね。
AIの影響から今後の投資について考えてみる
鈴木氏は猫と人間を区別できる学習能力を備えたAIの出現が2012年なので、2032年頃にAIの脅威が顕在化すると書いてました。
これを投資に当てはめていくとAIに強い企業がますます大きくなるということと、業種によっては破壊的イノベーションで企業がなくなることも増えるのかなと。
それを考慮すると投資するならば以下になるのかなと。
①銘柄の入れ替えを勝手にやってくれるETFやインデックスファンドに投資して、破壊的イノベーションを生き残る企業に投資する。
②AIに強い破壊的イノベーションを生き残ると予測される企業に投資する。
①も②も今からできることで、②の方が利益は大きくなるのでしょうけど、外せば損失の可能性あり。
①が基本でプラスアルファを狙うのであるならば①がコア戦略、サテライト戦略で②ということになるかなと。
②はなかなか難しいとは思いますが、破壊的イノベーションに直面した業界の事例を見ますと、おもちゃだと思ったものがやがて脅威になるわけですから、おもちゃを革新的技術と事前に読み切る感性も重要になるかなと。
考えてみればSiriが出てきて、今はAmazon EchoやGoogle Homeになってるわけですから、仕事上こういう技術動向についていけないといけないんでしょうね。
自分の仕事も業種も本当に生き残れるかを意識しておかないと、そのうちAI上司から自動音声でサヨナラいわれる時代にもなるかもしれません(本ではAI上司についてもふれられてました)。


フォローする Follow @garboflash
更新情報を受け取る

- 関連記事
-
- 投資より先にギャンブルを経験しておいてよかったと思う3つのこと
- 株価が下落した時こそ再確認したいバフェットの格言12選
- 投資を行う上で把握しておきたい、破壊的イノベーションに直面した業界の事例
- 仕事でも投資でも転換点を生き延びるのに重要なパラノイアな性格
- 投資を継続しながら最新テクノロジーを利用する