ヘルスケア産業の次世代ビジネスモデルと最新戦略とは?
将来的に発展する可能性のある業種(セクター)があるとすれば、情報技術セクターが壱番目に上げられるわけですけど、現状のハイテク株の上昇っぷりをみると投資するのには躊躇ってしまいます。
とはいえGoogleやAmazonに関してはもっと株価が伸びる可能性があるので迷うところですけど。
株価がこれだけ上がっていますので、大きな調整が起きた時に他と比較して下落耐性があり且つ将来性のある業種(セクター)と考えるとヘルスケアかなと。
介護に関してはこれから先進国で需要が伸びるでしょうし、個人的な考え方としては、病院に関しても、企業が関連するという形も増えていくのではないかと考えています。
投資の運用方針として生活必需品セクターと並んでヘルスケアセクターを重視しているので、業界の動向とかも勉強しておきたいと常々考えておりました。
昨年末にヘルスケア産業のデジタル経営革命 破壊的変化を強みに変える次世代ビジネスモデルと最新戦略という私が気になっていることがそのままタイトルになってる書籍を見つけたので購入して読みました。
内容としては製薬会社とかヘルスケア系に勤務している人向けに書かれた本でしたが、将来的な病院や製薬会社の経営として4つのタイプを上げられていて、こういうモデルがありうるのかと気づきがありました。
ヘルスケア産業の今後の経営の4つのタイプ
本書は病院や製薬会社の今後の経営について、4つのタイプを検討しています。コスト削減とイノベーションに挟まれ、医薬業界は大きな転換期が来ています。
これからの日本はコスト削減、量から質へ、地域包括ケアシステム、パーソナライズ化、「実現したアウトカム」志向の医療費設定へと移り変わっていくと予想していました。
今後の経営に関して定義されていたのは以下の4つのタイプです。
- リーンイノベーター
製薬中心の企業。
ジェネリック企業をルーツとし、効率的な製造、徹底したコスト管理、ROI管理、高度なM&A知識、価格設定や市場アクセスの自由度が大きいニッチ市場の見極めなどのベストプラクティスを組み合わせる。 - 患者サービスイノベーター
製薬企業。
医薬品の製造をなお重視しているが、付属サービス、アルゴリズム、解析法などを開発して、製品のエコノミクスの新しい基礎を築き、顧客に付加価値を提供することで差別化を図ろうとしている。 - バリューイノベーター
医療機器メーカーや一部の製薬企業。
患者および臨床アウトカムの改善をもっぱら重視することで、このビジネスモデルは医療システム全体の効率・効果を高める可能性が大いにある。 - 新デジタル医療企業
IT企業やメーカーの医療部門。
先進的なデジタル企業であり、彼らの持つ技術やインフラ、技術者、開発者のネットワークを活かし、医療業界への参入を図っている。
基本的に1番目から3番目は製薬企業だとどれにも転じることができるのではないかと思いました。
具体的な企業の事例も載っていましたけど、協業の事例はもう少し踏み込んでほしかったかなと考えます。ただ、元はアメリカで書かれた本ですので、本に書かれた時から協業に関しては進んでいる可能性がありますね。
IT企業にとっても参入できる分野でもある印象をもちます。
事前に病気を防ぐビジネスと医療費の高騰の影響が気になるところ
製薬事業はこれからもあるでしょうけど、ターゲットを細かくしたり再編が行われる印象を本を読んでいて思いました。
また、これから先は事前に病気を防ぐ観点でのビジネスは拡大するでしょうから、その分高度医療や今までよりも高機能な薬の薬価って上がる可能性も結構ある気がします。先進国では高齢化が進んでいますし。
その影響が製薬会社や医療機器メーカーでもありそうな印象ですので、IT系の企業がどれくらい浸食してくるのかという点は考えておきたいですね。
ヘルスケアに投資をするならば、パワーシェアーズ QQQ 信託シリーズ1(ティッカー:QQQ)もスパイス的に加えるのも悪くないなと読んでいて思いました。
業界のレポートとか論文を読まずに今後起きそうなパラダイムシフトを把握する上ではよくまとめられた本だと考えます。
ヘルスケア産業のデジタル経営革命 破壊的変化を強みに変える次世代ビジネスモデルと最新戦略
posted with ヨメレバ
ジェフ・エルトン,アン・オリオーダン 日経BP社 2017-10-19


フォローする Follow @garboflash
更新情報を受け取る
