レイ・ダリオ率いる世界最大のヘッジファンド、株価急落前に新興国株式の比率を下げていた
先週と比較して株価の急落がおちついて、市場は平静を取り戻しつつあるように見えます。
株価は国別でみてもどの国もだいたい8%~11%ぐらいの下落になっていましたが、新興国株式の方が下落している状況でした。
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そんな新興国株式ですが昨年はかなりの上昇だったのですけど、気になるニュースが。
ブリッジウォーター、新興市場株エクスポージャー減らす-株急落前に
新興国株式の比重が非常に高かった世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツが保有している新興国株式の比率を圧縮していたんですね。資産家のレイ・ダリオ氏が創業した世界最大のヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツは、株式市場の月間としては2年ぶりの大幅下落に先立ち、代表的な3つの新興市場株式上場投資信託(ETF)の保有を昨年10-12月(第4四半期)時点で圧縮していたことが分かった。
創業者のレイ・ダリオは昨年の9月にリスクの増大を警告していましたが、その一方でブリッジウォーター・アソシエーツのポートフォリオは新興国株式は高い状況が続いていました。
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ブリッジウォーター・アソシエーツのポートフォリオではETFで投資している比率が高く、わたしのようにインデックスファンドや海外ETFを中心に投資をする人間にとっては参考になると考えますので、どのように変わったのか確認してみました。
ブリッジウォーター・アソシエーツのポートフォリオ組み入れ上位変遷
著名な投資家のポートフォリオが確認できるウェブサイトiBillionairで調べてみました。
関連記事バフェットやソロスのポートフォリオを解析するウェブサイトiBillionaireを使ってみた


参考:iBillionaire
ポートフォリオ内の比率でみると上昇しておりますが、売却を進めていて投資している新興国株式ETF(ティッカー:VWO、EEM IEMG)を圧縮していました。
逆に金ETF(ティッカー:GLD)と長期債ETFや社債ETFの比率を増加させていました。
12月時点ですので、現状はかなり変わっている可能性がありますが、守備的に変えていることがわかります。
【短信】レイ・ダリオ:1週間で欧州株ショートを4倍に
特に欧州株をショートしていて、日本株もショートしているという話もあります。となると現時点でのポートフォリオはさらに株式の比率が下がっている可能性が高そうです。
株式の比率を下げて、金利が上昇して価格が下落気味の債券の比率を高めていますので、守りを意識しつつあるのでしょう。
経済は機械のように動く
レイ・ダリオというと経済は機械のように動くという考えに基づいていますので、今の状況がどういう風に動くかを予測して投資しています。今回判明した内容も株価の調整が近いと考えたからでしょうね。
「経済は機械のように動く」という事象を詳細に反映した以下の考えはとくに参考にしていいと考えます。
- 例えば株式50%:債券50%といったポートフォリオだが、リスクの点では株式は債券の3倍のリスクがあるため、先の配分ではリスクは株式95%:債券5%になる
- 経済は「想定インフレ率より高い/低い」「想定成長率より高い/低い」の4つの季節として捉えることができる。ただし自然と異なりどの順序で訪れるかは分からない
- 経済の季節は4つしかないから、各季節に適した資産配分に25%ずつ投資して、リスクを分散すればいい。リスクが同量の4つのポートフォリオを組み合わせれば、どんな経済的環境からも守られる。
インフレ率と想定成長率の季節は順序がどういう風に訪れるかわかりません。ましてやわたしが将来の相場を展望しても競馬同様当たったり、当たらなかったりの繰り返しでしょう。
であるならば、4つの季節に対応した全天候型の「黄金ポートフォリオ」の内容を自分のポートフォリオにじわじわと反映させていくのが賢明かなと。長期債に関しては本が出る前から取り入れてるのでそれをアレンジした感じでいければなと。
関連記事 >> レイ・ダリオの「黄金ポートフォリオ」について海外ETFを使って検証してみた
2017年は一本調子で株価が上がりましたが、今年はボラティリティの高く変動の激しい相場となりそうな様相です。
今回の調整もさすがに怖さを覚える変動でしたので、レイ・ダリオの黄金ポートフォリオに含まれる、米国長期債や金の役割をいまこそ意識したいですね。


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