SPDR、日本でも超低コストポートフォリオETFシリーズの取り扱いの拡充を明言
海外ETFといいますとブラックロックのiシェアーズやバンガード2強というのが、日本の現状を表しているのではないかと考えます。
しかし、最初に米国で上場したのは、SPDR S&P 500 ETF(ティッカー:SPY)が1993年に上場したのが始まりです。
そのステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、2001年頃はかなりのシェアを握っていましたが、バンガードの台頭でそのあおりを一番受けています。
参考:ETF のトレンド (2001~2017年)
そんなステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ取締役マーケティング・ETFビジネス担当のディビット A. コリンズ氏と竹川美奈子氏との対談が、SBI証券に載っているのを安房さんのブログで知りました。
参考記事 >> SPDR ETFの対談記事
該当記事【特集】SPY25周年対談!ETFの歴史を切り拓いたSPYとETF市場の発展!
その中でとくに注目すべき発言がありました。
ただ、ポートフォリオ構築用として使うのであれば、バンガードやブラックロックのETFにはもっと総経費率が低いものもあります。そこで、当社は2017年10月には、「超低コストポートフォリオETFシリーズ」を米国で発表しました。例えば、SPDR® ポートフォリオ 新興国株式ETF(SPEM)は経費率を0.59%から0.11%に引き下げたことで、新興国株ETFのカテゴリーでは最低コストになりました(SSGA調べ)。日本でも「超低コストポートフォリオETFシリーズ」の取り扱いを拡充していく予定です。
ここまできっぱり発言していますから、今年大手ネット証券でも取り扱い開始になるんじゃないですかね?
SPDRの超低コストポートフォリオETFシリーズ「SPDR Portfolio ETFs」
SPDRの超低コストポートフォリオETFシリーズ「SPDR Portfolio ETFs」のラインナップは以下の通りです。
ETF名 | ティッカー | 投資対象 | 経費率 |
SPDR Portfolio Total Stock Market ETF | SPTM | 米国株式全体 | 0.03% |
SPDR Portfolio Large Cap ETF | SPLG | 米国大型株式 | 0.03% |
SPDR Portfolio Mid Cap ETF | SPMD | 米国中型株式 | 0.05% |
SPDR Portfolio Small Cap ETF | SPSM | 米国小型株式 | 0.05% |
SPDR Portfolio S&P 500® Growth ETF | SPYG | 米国グロース株式 | 0.04% |
SPDR Portfolio S&P 500 Value ETF | SPYV | 米国バリュー株式 | 0.04% |
SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF | SPYD | 米国高配当株式 | 0.07% |
SPDR Portfolio World ex-US ETF | SPDW | 先進国株式(除く米国) | 0.04% |
SPDR Portfolio Emerging Markets ETF | SPEM | 新興国株式 | 0.11% |
SPDR Portfolio Aggregate Bond ETF | SPAB | 米国債券総合 | 0.04% |
SPDR Portfolio Long Term Corporate Bond ETF | SPLB | 米国長期社債 | 0.07% |
SPDR Portfolio Intermediate Term Corporate Bond ETF | SPIB | 米国中期社債 | 0.07% |
SPDR Portfolio Short Term Corporate Bond ETF | SPSB | 米国短期社債 | 0.07% |
SPDR Portfolio Long Term Treasury ETF | SPTL | 米国長期国債 | 0.06% |
SPDR Portfolio Short Term Treasury ETF | SPTS | 米国短期国債 | 0.06% |
一応、SPDRポートフォリオワールド(除く米国)ETF(ティッカー:SPDW) と SPDRポートフォリオエマージングマーケッツETF(ティッカー:SPEM)に関しては、EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンドで50%の比率で投資をしている形になりますが、今のところ大手ネット証券での取り扱いはありません。
関連記事 >> 楽天バンガードに対抗?SBI証券、EXE-iシリーズで新たに全世界株式、新興国株式のファンドを設定へ。
バンガードは3年前の50本近くの大量解禁以降音沙汰なしの状況ですし、iシェアーズは新たに大手ネット証券での取り扱いを増やしたという話もなく、日本市場のJDRを上場廃止にしたりとあまり積極的ではない状況。
投資環境を改善する上でも、SPDRが動くことで、バンガードやiシェアーズも動く可能性が高くなるのではないかなと。
気になったのでiシェアーズやバンガードのETFと資産規模を比較してみると・・
あらたに設定されたとはいえ、じゃあ実際のところiシェアーズやバンガードと比較して資産規模とかどうなのだろう?と考えて調べてみました。
例えば高配当株ですと・・
SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF(SPYD) 経費率:0.07% 資産規模:421.44 mil $
iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV) 経費率:0.08% 資産規模:6.43 bil $
バンガード米国高配当株ETF 経費率:0.08% 資産規模:21.15 bil $ ※bil=10億ドル、mil=100万ドル
コスト面では0.01%安くなっていますが、資産規模は桁が一つ違う差がありますね。ただ、設定からの期間は短いのでその割には資産規模があるともいえそうです。
ちなみに米国株式全体で比較してみますと・・
SPDR Portfolio Total Stock Market ETF(SPTM) 経費率:0.03% 資産規模:1.42 bil $
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI) 経費率:0.04% 資産規模:94.48 bil $
iShares Core S&P Total U.S. Stock Market ETF(ITOT) 経費率:0.03% 資産規模:13.09 bil $
米国株式全体だとVTIが抜けていますね。iShares CoreのITOTも経費率0.03%にしていますけど、資産規模では差が大きいです。
いつ頃低コストETFの取り扱いを拡充させるかはわかりませんが、投資環境の改善としてはとても大きな一歩となりそうです。
ETFの提供だけではなく、楽天バンガードやEXE-iつみたてシリーズのような形態でのSPDRのETFの提供もありえるかもしれませんので、今年はSPDRの動向にも注目したいですね。
追記:2018年7月に取引可能になりました。
ステート・ストリート(SPDR)から超低コストETF18本が登場したので、iシェアーズやバンガードのETFとコストを比較してみた - 関東在住福岡人のまったり投資日記
ここ数年バンガードやiシェアーズの米国籍のETFで、新規取り扱いの開始がない状況が続いていますが、第3勢力的な立ち位置であったステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ社(SSGA)が動いてきました。..


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