日本人より金持ちで、収入の1/3以上を積み立てるシンガポールのETF(EWS)を調べてみた
アマゾンが描く2022年の世界 すべての業界を震撼させる「ベゾスの大戦略」 に書いてあったのですが、アメリカやイギリスといった先進国が閉じていく傾向が強まっている中で、他国の人材を積極的に受け入れている国として、スイス、イスラエル、シンガポールがあげられていました。
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イスラエルに関しては地政学や建国からの歴史の経緯で、軍事的技術やサイバーセキュリティ技術を持っていることはわかります。スイスに関しては欧州でも屈指の企業がいくつかあるので、この二か国に関しては投資してもいいかなと思うのです。
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ただ、シンガポールに関しては、スイスやイスラエルよりも様々な国籍の人がいるのはわかるのですけど、国の規模的に企業ってどうなのだろう?と考えていたら、フィナンシャルプランナーの花輪さんの記事で気になる記述を見つけました。
シンガポール人が日本人より超金持ちの理由
シンガポール人は、どうやって1億2000万円もの資金を捻出するのでしょうか。その方法の一つが、中央積立基金(CPF) という強制自動天引きシステムです。厚生年金のように、雇用主と労働者がともに資金を拠出します。55歳以下の労働者は収入の20%、雇用者は17%を拠出し、収入の1/3以上を積み立てる仕組みになっています。
中央積立基金の話を読んでいると、シンガポールってなかなかおもしろそうな国なのでは?と考えましたので、シンガポールの株価ってどうなっているのか?代表的なETFがiシェアーズであったので調べてみました。
iシェアーズ MSCI シンガポールETF(ティッカー:EWS)
シンガポールに投資するETFとして、iシェアーズ MSCI シンガポールETF(ティッカー:EWS)があります。
経費率は0.49%とお高めですが、一応SBI証券なんかの追ってネット証券でも取り扱いがあるETFです。銘柄数は26と少な目で、直近の分配利回りは3.25%と高めの数値になっています。
セクター(業種)別の比率を見てみますと、圧倒的に金融セクターが多い。

業種として分かれていますが、不動産と金融をあわせると6割近くを占めていますね。ETFの企業別の比率を見ても上位は金融セクターの企業のワンツースリー。

その中で日本で一番なじみがありそうなシンガポール航空は12番目と比率が低いんですね。
業種別の比率とかを見てると、スイスやイスラエルとは違って、情報技術セクターあたりの企業が出てくる土壌はできてきにくい印象をもちますが。
シンガポールETFのパフォーマンスは新興国や米国除く先進国よりもいい
では、金融セクター中心のiシェアーズ MSCI シンガポールETF(ティッカー:EWS)のパフォーマンスを調べてみましょう。
先進国扱いなのか新興国扱いなのか、評価によって違うようなので(バンガードだと先進国のETFに組み込まれている)、S&P500(青)、米国除く先進国(緑)、新興国(ピンク)と比較してみました。
まずは過去1年で見てみましょう。

赤がEWSになるわけですが、S&P500とはあまり相関性がなく、米国外先進国株式と新興国株式ともちょっと違う値動きをしています。
緑の先進国株式に1%程度組み入れられていますけど、主要先進国株式とはちょっと傾向が違うようです。
過去10年でどうだったかといいますと・・

S&P500は別格としても、新興国株式や米国外先進校株式には勝っていますね。
ただ、一方で2015年頃からチャイナショックの影響を受けてか株価は結構下がっています。華人が4分の3(他マレー系とインド系が一定数いる)ですので、中国がこけると影響がでかいかもしれませんね。
教育水準は高く、外国籍の割合が高い
教育水準が高くアジアでトップになった大学もあるくらいなんですが、一方で政治は一党独裁状態で報道規制をかけたりしているようです。
そして、良くも悪くも外国籍の割合が4割近くに達していて、暴動なども起きているようです。
調べてみると、ポジティブな面もあるけどネガティブな面も結構あるという印象ですね。
IT分野へも積極的に支援しているようですので、この支援が花開くとETF内のセクター別比率も変わってくるんじゃないでしょうか?
東南アジアの核となる国だけに、周りの国々(マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム)あたりと分散して投資するならありなんじゃないかと考えております。そういうファンドどこか出さないかなぁ・・
田中 道昭 PHP研究所 2017-11-18


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