モーニングスター主催 2018年 米国投資のはじめ方 米国株式・ETFセミナーに行ってきました
投資関連のセミナーは積極的にいくものではないと考えますし、だいたいの情報はブログやらネットで調べるなりすればある程度はアクセスできる状況です。
とはいえ、セミナーで得る気づきというのもあるというのもまた事実。
自分のポートフォリオ上、やや米国に偏重していることと、海外ETFの比率が高いことから、モーニングスター主催の春と年末の年2回は勉強もかねていくようにしています。
3月末の12連勤中に案内のメールが来て、2日後に申し込みを押すと定員に達したというメッセージが表示されていたのですが、その後再募集で行けることに。
今回も客からのセクハラを訴えても無視するというパワハラが問題になっているテレ朝のある六本木にいきました。
昨年のモーニングスターのセミナーの記事
2017年 米国投資のはじめ方 米国株式・ETFセミナー4年連続で参加となった六本木開催のモーニングスターETFカンファレンス2017
昨年は5月開催だったのでが、今年はまた4月開催に戻ったようです。
ちなみに最初13時半開始と連絡が来ていてその後訂正の連絡があったのですが、わたしは開場時間が30分繰り上がっただけと勘違いして5分ぐらい遅れての到着になってしまいました。
しかし、昨年登場した人からほぼ総入れ替えなので、もう少し昨年の相場を振り返るという意味でもある程度は同じ人呼んだほうがいいとは思うのですが、スケジュールの都合がつかないんですかね?
ということでセミナーの内容をまとめました。
米国株式市場の展望と投資戦略 藤田勉氏
藤田氏に関しては著書を2冊ほど読んでいるので、米国には強気の人という印象でした。
関連記事
世界市場を動かす5の歴史的視点を読んで2014-2015世界のマネーは米国に向かうを読んで
- 相場は八合目。
- 日本でも赤字は縮小、アメリカは増加傾向。インフレ率は安定しているが、リスクが高まっている。
- 新興国はアジアを中心に成長している。ただし、インドと中国の需要で資源価格があがる。歴史に学ぶのが大事。
- なぜアメリカで利上げが6回もあったのにドル高にならないのか?
①双子の赤字はドル安要因。
②トランプ政権でレーガン政権や子ブッシュ政権のドル安が繰り返される可能性はゼロではない。
③減税と軍事力強化をやってるので注意。 - 2017がドルの実効為替相場がピーク。だからいまドルが下がってる。
長期展望 円相場は1990年代以降ボックス相場。下値が切りあがってる。やや円高に進むのでは?
トランプ政権に短期的には大きく影響を受ける - 中間選挙むけの政策。共和党の支持率は高い。トランプにとって支持率の傾向は現状予定通り。トランプ再選も半分くらいある。
アメリカ市場展望
- 2000年代はアメリカ欧州日本は上がらなかった。10年代はアメリカ一人勝ち。
- アメリカの方が成長率が高いが、日本とはそこまで差はない。ハイテク株上昇のミクロ要因が主因。
- 10年の世界の新陳代謝が早い。
- 2010年代の投資テーマはスマホだった。
- 2020年代の投資テーマをいまから買っていくことが大事。自動運転EVではないか?
→エヌビディア、ネットフリックス、テスラ - 日本企業に青年的な存在(創業から10年とか20年の企業)がいない。
- おすすめ日本企業
ソフトバンク、センサとデバイス(村田製作所、日本電産、デンソー、ソニー、パナソニック、ルネサス)
ロボット(ファナック、安川、サイバーダイン、キーエンス、ソフトバンク)
フィンテック(楽天、SBI、イオン) - 相場は成熟期、高値波乱
- 株価が永遠に上がり続けることはない。
- 日経平均3万は達成する可能性があるが、その後急落する可能性がある。
- 下落相場は短い
- 高配当利回りにグローバルに投資
筋が通った解説だったと思いますね。とはいえ紹介している銘柄に関しては特段おどろきというものはなかったですね。ETFも高配当ETF(HDVとかPFF)を紹介していました(推奨はしてないと言及していましたけど)。
SPDR 米国株式投資におけるETFの有効な活用法とは
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社
取締役 マーケティング・ETFビジネス担当 ディビット A. コリンズ氏
ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子氏
- なぜ米国に投資するのがいいいのか?→世界最大市場で健全な推移
- 25年で見ると中国は日本以下でそこまでない。
- SPYで25年トップ10に生き残ってるのはエクソンモービルのみ。
- 分散ポートフォリオ→S&P500ETF(SPY):金ETF(GLD):アジア国債公債ETF(1349)=6:1:3
- 為替の影響は大きく見逃せない。
新規ETFの取り扱い開始といったサプライズはなかったですね。
WisdomTree 一歩先を行くETF投資
ウィズダムツリー・ジャパン株式会社ETFストラテジスト 渡邊雅史氏
ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子氏
- ウィズダムツリーの会長とCEOのメッセージ放映
- ファンダメンタル加重についての説明
- マネックス証券のETFのランキング1位から5位はEPI,DEW,DLN,DHS,DGRW
- 売買ランキングを見るとCXSEの売買が増えている。
- 金利上昇対応として、DGRWとHYZDを奨めてました。
- コスト経費率だけではない。取引コストも管理する必要がある。ゼロETFの宣伝
インド株と中国株のETFの人気が上がってきてるんだなぁという印象を持ちましたね。CXSEについては今度調べて記事にしてみようと思います。
2018年の米国市場の概況と注目銘柄 江守哲氏
- 2017年は行きすぎていた。S&P500は月次リターンが始めて12ヶ月連続プラス。戒め的なことが今年の2月に起きた。
- 国際情勢マトリクス。問題は北朝鮮をどうするか?
- アメリカは北朝鮮を管理下に置きたい。北朝鮮は韓国を併合したい。
- 江守氏はトランプを評価している。
- 人を否定から入らず、それぞれ政策で判断すべき。
- このままの状況が続くとインフレになる。
- 製造業PMIは注目しておいたほうがいい。
- ZTEが米中貿易摩擦問題で制裁を喰らったがソフトバンクが絡んでいた。ソフトバンクが追徴課税を受けたのはZTEにソフトバンクが絡んでいるのをアメリカが知ってたから。
- 投資をする上ではアメリカを利用することを考える。
- 財政赤字になってくのは間違いない。
- アメリカは個人の資産が減らないよう政策をとる
- 今は最終局面。金利低下景気回復。アメリカの株は一旦あがると17年上がり続ける。2012年→2029年まで
- 金利が上がらないと株が上がらない。
- 実質金利よりもインフレ率の方が高い。現金をもたず、株や金利を買う方がいい。
- 原油価格の上昇はOPECの減産がきいている。
- 最近エネルギー企業の収益が改善している。
- 増益率や高いROE企業のランキングについて
増益率→イルミナ(ティッカー:ILMN)
配当、ROE→ボーイング今年はROEが2300%という予想。
S&Pグローバル(ティッカー:SPGI)、MSCI(ティッカー:MSCI)といった指数の会社もROEが高い。 - セクター別EPS増減率で見ると、エネルギーセクターはこれから伸びる。
- 移動平均を見たらパフォーマンスが上がる。詳細は特に言及なし
- 主要資産のポートフォリオの運用の例として、複数のポートフォリオが提示されていたが、米国長期債のポートフォリオに組み込んだ方が安定している。
さすがに北朝鮮が韓国を併合しようとしているとか外交関連の話は、韓国を軽視しすぎではないか?と思いましたし、ちょっと変な話をつかまされてる可能性もあるのではと思いました。
とはいえ投資戦略のところで話していた、テレビや新聞の話は?なのが多いというのはその通りでしょうし、トランプに関しても人で嫌わず政策で判断すべきというのはとくに日本で必要なことだと考えます。
増益率や配当利回り、高ROEのランキングの中には面白そうな企業がけっこうありましたので、今後じっくり調べていきたいですね。
最後にポートフォリオの例が挙げられていましたけど、金と米国長期債を組み入れた例が載ってました。多分、著書の内容と同じものと思われます。
2018年の米国株投資戦略
エモリキャピタルマネジメント株式会社代表取締役 江守哲氏
モーニングスター株式会社プロダクト開発本部 ファンド分析部 マネージャー 坂本浩明氏
質問を簡潔にまとめてるので一部誤りがあるかもしれませんが、だいたいこんな感じだったかと。
坂本 米国株は上がりすぎでは?
江守 1月は流石に上がりすぎ。その調整に入っている。1年から1年半の範囲ではクズつくかも。10年20年見たら気にならない。
坂本 世界で見るとアメリカ以外でも金融政策もみれば投資妙味があるのでは?
江守 すべてがアメリカ中心に回ってる。まずはアメリカを見る。
坂本 政治の話。各国の政権についてどうみるか?各国の政府のメッセージをどうみるか?
江守 これは難しい。でも結局アメリカ中心に置く。テレビ新聞などの情報は全部?
日本人はネガティブに考えすぎ。アメリカに対してはポジティブに見ていく方がいい。
坂本 ハイテク銘柄が牽引したが、個別銘柄の懸念点は?
江守 Amazonは潰せない。ネットのおかげで市場が拡大する。波及効果ぎでかい。不祥事があれば別だが。下がったら買えばいい。フェイスブックに関してもすべてを否定するわけではない。
テスラは人の命が関わってるのでちょっと違う。
坂本 これからどういうテーマが来るか?
江守 当面はAIロボット。まだ成熟してない。
坂本 注目銘柄は?
江守 マラソン・ペトロリアム(MPC)、フィリップス・シックスティシックス(PSX)、ウェイボー(WB),エマソン・エレクトリック(EMR)、ディア(DE)、イルミナ(ILMN)、ラムリサーチ(LRCX)、バイドゥ(BIDU)、TALエデュケーション(TAL)、ケマーズ(CC)。増益率の期待感が高い銘柄をピックアップしている。
坂本 増益率以外に何が参考になる指標はあるか?
江守 割安かどうかだが、今はアメリカ割高。今後伸びそうな企業を選ぶ。ただし核にするのは配当の高い王道銘柄。
江守 株はアメリカが圧倒的。頑張って日本株やるよりも時間とかリスク考えるとアメリカ株の方がいい。
2018年の米国市場の概況と注目銘柄で時間が押し気味でしたが、そこの補足という印象をもちました。
ちなみに注目銘柄は配付資料に載っていた企業とは異なるものが結構ありました。
まぁ、さすがに全部はメモすることができなかったので、言及があったものだけピックアップしています。
まとめ
江守氏の話術が巧みでうまいと思いましたが、ちょっと胡散臭さも垣間見えたような気がしました(本人も胡散臭く聞こえるかもしれないがといってましたがw)
春山昇華氏がいまは1982年から2007年までの相場と似たような値動きであがっているということを昨年言ってましたが、今年の江守氏は1982年から1999年で一区切りで、だいたい17年上昇相場が続くので、2012年から始まった相場は2029年まで続くのでは?という趣旨の発言をしていました。
チャートの見方は人それぞれやなと。まぁ、米国株に強気の人は乗ってみてもいいかもしれません。
ともあれいままで気にしていなかった米国企業なんかも知ることができて有意義なセミナーでした。


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