ROEが高い格付けビジネス大手、ムーディーズ(MCO)とS&Pグローバル(SPGI)について調べてみました
モーニングスターのセミナーでも取り上げられていた、インデックスプロバイダーであるS&Pグローバル(SPGI)やMSCI(MSCI)について先週調べました。
参照記事 >> インデックスプロバイダーであるS&Pグローバル(SPGI)やMSCI(MSCI)について調べました
着実に売り上げや営業利益が伸びつつあり、株価もS&P500を大きく上回っていましたね。
S&Pグローバル(ティッカー:SPGI)はインデックスプロバイダーだけでなく、格付け機関の業務もやっているわけですが、債券とかの格付けというとムーディーズが有名じゃないかと思います。
とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法でも、ROEが高い企業の例として掲載されていました。
書評記事 >> スクリーニングルールがわかるとびきり良い会社をほどよい価格で買う方法を読んで
とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法 (ウイザードブックシリーズ Vol.260)
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チャーリー・ティエン パンローリング 2018-02-18
S&Pグローバル(SPGI)とムーディーズ(MCO) 売上、利益推移
アメリカのモーニングスターのサイトでまずは売上、利益の推移を見てみましょう。
比較対象として、S&Pグローバル(SPGI)も併記したグラフは以下の通り。

格付け以外もやってる分、S&Pグローバル(SPGI)の売り上げが大きいようです。ムーディーズは3分の2が格付けビジネスで、残りもデータ販売など。そこが差になってるかと。
とはいえ着実に売上が伸びていることがわかります。

営業利益も基本は上昇傾向ですが、2016年に落ち込んでいます。これはサブプライム証券格付けめぐりS&Pグローバル同様和解金を払ったためです。
GoogleやAppleと営業利益率やROICを比較してみると
次にROICなどを見ようとしたら、なぜかモーニングスターには2014年までしか掲載されておらず。
値が抜けてるのってなにかわけがあるんですかね?
ということで手持ちの情報で、アップルやグーグルと営業利益率やROICを比較した表があるので見てみましょう。


営業利益率も高いですし、ROICなんか驚異的な値をたたき出しています。
ブラックスワン回避法でROIC100%以上の企業に投資するとありましたが、ここまで上回っている企業があるとは。
書評記事 >> 損をして得を取る投資法とは?ブラックスワン回避法を読んで
S&Pグローバル(SPGI)とムーディーズ(MCO) フリーキャッシュフロー推移
おまけでフリーキャッシュフローの推移も見てみました。

2016年に和解金払ったせいで2017年は減ってますけど、2018年は増えました。
S&Pグローバル(SPGI) vs ムーディーズ(MCO) vs S&P500 比較
では、実際のパフォーマンスはどうなのか?
S&P500とS&Pグローバル(ティッカー:SPGI)と比較してみますと・・

過去1年ではS&Pグローバル(SPGI)とほぼ似たパフォーマンスで、S&P500を大きく上回っている状況。

リーマンショック時に叩かれましたが、過去10年で見ると、S&Pグローバル(SPGI)よりもムーディーズ(MCO)の方が、リーマンショックのダメージがでかかったようです。
2016年から青のS&Pグローバルに差をつけられてるのは和解金の支払いが要因の一つでしょう。
もっともS&PグローバルはETFにどんどん資金が流入してるので、インデックスプロバイダーとしての売上が伸びてるのも好調さに寄与しているかと。
あまり取り上げられない企業ですが、堀をもってるようにも思えますので、格付け会社やインデックスプロバイダーはなかなかおもしろそうな印象を持ちました。


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