バンガードの創業者ジョン・C・ボーグル「米国株のリターンは今後10年で年6%程度まで下がる」
バンガードの創業者である、ジョン・C・ボーグルのインデックス投資は勝者のゲーム──株式市場から確実な利益を得る常識的方法の最新版を読み終えました。
全体の感想でまとめようかと考えたのですけど、どうしても9章の「古き良き時代はもはや続かない」の内容が興味深かったので単独の記事にします。
ジョン・C・ボーグル,John C. Bogle パンローリング 2018-05-13
米国株というと個人的には春山昇華氏の提唱している「2008年からの相場は1982年~2007年までの相場の韻を踏んでいる」というのは一理あると思うんですね。
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実際に1982年から年平均で前年比110%で上昇してきていますし。
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とはいえ本当にこのパフォーマンスが今後も続くのかというと、本当か?と疑う人はいるでしょう。
この件に関してジョン・C・ボーグルは「年間の株式の投資リターンは6~7%の水準に落ち着く」と予測しています。
米国株式市場のリターンが6%程度にまで下がる理由は?

予測根拠となる図が上記になります。1900年以降の米国株のリターンは年平均で9.5%、バンガード設立の1974年以降だと11.7%となります。
このリターンを細かく分けると利益成長、配当利回り、PERの変化の3要素に分けることができます。
1974年以降の11.7%のリターンに関しては、2017年初頭のPERが23.7で、1974年当時のPERが7.5だったことが寄与しています。
しかし、平均回帰が起こるとPERの低下から向こう10年はPERの変化分がマイナスになる可能性もありますし、配当に関しても今日の水準は2%。
アメリカの向こう10年のGDPが4~5%程度の成長と仮定すると6~7%の水準に落ち着くとボーグルは予測しています。
ちなみにこの数値はPERが2017年初旬の値を維持した場合の数値で、10年後にPERは下がると予測するボーグル氏は4%という数字も上げています。
数値の信ぴょう性に関しては、2007年で今後10年のリターンは7%と予測して6.9%だったこともあり、根拠がある数値だと考えます。
資産運用で株式の期待リターンは厳しめに考えたほうがよさそう
資産運用でポートフォリオを作成する場合、過去のデータに準拠して株式の期待リターンを考えるケースは結構あるでしょう。
過去30年ぐらいのデータでたとえば米国株式に投資をしたとすれば、年平均10%となります。
仮に先進国株式に投資するとしても半分はアメリカが組み込まれてますからそれでも影響大ですよね。
では、データを素直に受け取るかというと性格次第となるでしょうね。わたしだったら株式の期待リターンはデータよりも厳し目の数値で考えますね。
個人的にはよくて6%ぐらいでリスク資産のシミュレーションを考えたほうがよいかなと。今後10年で大きな調整の後に上昇という経過をたどるとまた別の結果もありえるでしょうけどね。
ボーグルの予測が当たるとは限りませんが、株価に関しても期待リターンを高く見積もる甘い考えで飛びつかないようにしていかないといけないと考えます。


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