フロンティアに降格していたアルゼンチンがサウジアラビアとともにMSCI新興国株式指数に組入れへ
世界各国のサッカーリーグと同様に株式市場にも先進国⇔新興国、新興国⇔フロンティア間の昇格降格的な入れ替えが起こります。
奇しくもW杯期間中に、W杯出場国で2戦終わって敗退確定のサウジアラビアとクロアチアに大敗してグループ最下位のアルゼンチンの2カ国が来年の5月から採用されるそうです。
アルゼンチンとサウジを新興国指数に採用、19年5月から=MSCI
アルゼンチンは2009年に新興国からフロンティアに降格していたわけですが、新興国に昇格となります。2年前に新興国に昇格したパキスタンと同じパターンですね。
フロンティア市場に降格した後再度新興国市場に昇格しそうなパキスタンに投資するETF(PAK) - 関東在住福岡人のまったり投資日記
パキスタンといいますと隣国インド同様人口が多く、現時点で6番目です。将来のことを考えますと、先々人口が増えていきそうな印象です。...
さて、来年新興国に昇格するアルゼンチンとサウジアラビアですが、それぞれiSharesのETFがあったので現状を確認してみました。
アルゼンチンに投資するETF:iShares MSCI Argentina and Global Exposure ETF(AGT)
アルゼンチンに投資するETFとして、iShares MSCI Argentina and Global Exposure ETF(ティッカー:AGT)があります。
設定から10年以上経過する運用期間も長いETFですが、リーマンショック前は2001年~2002年のアルゼンチン危機の影響で価格が5ドル以下(現在の5分の1以下)の状況でした。
ですので過去10年で比較的まともになった期間で見てみますと・・

浮き沈みの激しい状況で、今年に入ってからは下落傾向。政策金利を10%以上上げているため、株価も下落傾向です。
アルゼンチンは1930年代には国民一人あたりの収入がフランス並みに高く先進国だったようですが、工業化の失敗と軍事政権で6回にもわたる経済破たんを経験しています。
工業化の失敗例を見ていると、先進国の中にもAIが進む中でその技術の取り組みが遅れると衰退にもつながりかねない反例にもなるんじゃないかと思いますね。
サウジアラビアに投資するETF:iShares MSCI Saudi Arabia Capped ETF(ASK)
一方のサウジアラビアですが、iShares MSCI Saudi Arabia Capped ETF(ティッカー:ASK)というETFが3年前に設定されています。
9月17日に世界初となるサウジアラビア株式市場に上場する企業へ投資するETF「iShares MSCI Saudi Arabia Capped ETF」が誕生し、アメリカ株式市場に上場しました。iShares MSCI Saudi Arab
設定以来の値動きを見ますと、原油価格の上昇とともに株価も上昇している状況です。

今後を展望する上で、気になる点は中東情勢の雲行きがやや怪しいという点でしょうかね。
新興国への昇格で、iシェアーズMSCIフロンティア100 ETF(FM)への影響は大きい
iシェアーズMSCIフロンティア100 ETF(ティッカー:FM)というフロンティア株式のETFがあり個人的には注目している点もあるのですけど、政情不安そうな国と石油からみの国が多いのでどうかなと投資に躊躇する面のあるETFがあります。
同時に今回のような新興国株式への昇格があると組別の構成比率が大きく崩れるんですよね。
パキスタンが2年前に昇格したあと、アルゼンチンが2割近くの比率を占めていて、現状の国の構成が以下の通りです。

これでアルゼンチンが抜けるとなるとまた大きく変わりそうです。
個人的にベトナム、バングラデシュ、ルーマニアは投資対象として面白い国だと考えるのですけど、いずれ新興国への昇格がありそうな状況ですのでFMには投資する気にはならないですね。
ロシア抜きの東欧株式ETFや比較的に均等になってる東南アジアETFとかあるといいんですけどねぇ。コストは高めになるでしょうけど。


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