安全よりリスクを取るべき時代。9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るためにを読んで
将来的にはセミリタイアを目指してはいますが、イレギュラーなことが起こらない限りはしばらくは労働でお金を稼ぐ必要があります。
今後はますますビジネスの方向性が変わったり、イノベーションが加速していくので、多少は新しいことを知って生き残るための施策はある程度考えておかないとなと考えています。
ということで先月から今月にかけて関連書籍を読みあさっておりまして、そのうちの一冊として9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るためにを読みました。
著者は理工系大学MIT(マサチューセッツ工科大学)が誇るメディアラボ所長であり、ソニー、マッカーサー基金などの取締役を務める人で、この本は共著者として客員研究員のジェフ・ハウ氏と書いたものです。
絶え間なく変化する現代は「非対称性」、「複雑性 (1)異質性、(2)ネットワーク、(3)相互依存性、(4)適応性」、「不確実性」の3つが起こるので、これらにどうやって対応していくのか?
それを9つの原理(プリンシプルズ)にまとめたのが本書になります。
テクノロジーの話から細胞の話にいったり、歴史の話になったりしますが、いかにも早川書房な本という感じで内容は非常に深いです。
とくに印象に残った点をあげると以下の3点ですね。
未来で勝ち残るための9つの原則
未来で勝ち残るために定義されていた以下の9つの原則は印象に残りました。
- 権威より創発
- プッシュよりプル
- 地図よりコンパス
- 安全よりリスク
- 従うより不服従
- 理論より実践
- 能力より多様性
- 強さより回復力
- モノよりシステム
個人的には3章の地図よりコンパスと4章の安全よりリスクが印象に残りましたが、理論より実践、能力より多様性、モノよりシステムという章も納得できるものでした。
能力より多様性に関してはMITラボの特徴が現れてるなと思いました。やっぱり人材的に多様性って重要だと思うんですよね。それをどうしても日本の場合排除する傾向がありますし。
子会社への出向とかまさにそれで、もっと有効活用できる人材を放出してるのを数年前見ておりますとなんとかならないの?って思うんですよね。
あと、モノを作るというよりもシステム(プラットフォーム型ビジネス)を作っていかに横断的に網羅するかというのが重要になるなと実感できる内容でした。
実際のこの9つの原理の傾向としては、MITラボの所長でありながら、教育よりも実験や実践を重視するという根底の考えが反映されていると考えます。
地図よりコンパス
詳細な地図はもはや不要で、いくべき方角だけを示すコンパスが必要だと書いていた3章は深いなと。
要するに先のことはわからないからおおざっぱな方向で動こうということです。
地図はその土地に関する最適なプロセスがわかるわけですが、コンパスに関しては方角は示してあるけど、それを使うためには方角に向かって創造性と自主性を発見して自分の道を見つけなければならないと。
イノベーションが急速に動く予測不能な世界だからこそ、働き方一つをとっても、方角だけは決めておいて働き方を柔軟に変えていく必要があるでしょうし、副業とミックスさせてポートフォリオワーカー的に働くのも一つの選択肢となるかなと。
企業においても地図の通りに最適化プロセスを歩んでいてもそれが途中でポシャる時代だからこそ、コンパス的な感じで柔軟性、創造性の部分でバッファを持つという意味でも必要な考え方じゃないかなと思いました。
安全よりリスク
低コストでイノベーションが起こせるのだから、安全よりもリスクを取るべきであるという4章はもっともだと考えます。
著者はいまなにかをやる費用となにかを先送りにしようか考える費用を天秤にかけるよう促しています。
貯金か投資かにも通じる項目ですし、仕事との関わり方、働き方にも通じる内容かなと。
4章でリスクを取るからこそ、他の原理で理論より実践、強さよりも回復力と事前準備と負けに備えるという点も触れてるんでしょうね。
今後世界的に上の階層と下の階層の二極化が企業も含めてますます進むでしょうから、リスクを取ってでも行動するということが求められる時代になってくるんじゃないでしょうか?
ある意味、以前読んだ本のタイトル通りリスクを取らないリスクということにもなるのかなと思いました。


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