SPDRの米国株(SPTM)や米国外先進国株(SPDW)をバンガードのETF(VTI、VEA)と比較してみました
SPDR S&P500 ETF(ティッカー:SPY)などでおなじみのステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)からあらたに低コストのETFの取扱いが大手ネット証券でも始まりました。
ステート・ストリート(SPDR)から超低コストETF18本が登場したので、iシェアーズやバンガードのETFとコストを比較してみた - 関東在住福岡人のまったり投資日記
ここ数年バンガードやiシェアーズの米国籍のETFで、新規取り扱いの開始がない状況が続いていますが、第3勢力的な立ち位置であったステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ社(SSGA)が動いてきました。米国上場の「超低コストETF」18本の新規取り扱い開始となりました(※マネックス証券とSBI証券では確認済)。...
S&P500 ETFや米国セクターETFでもバンガードやiシェアーズの後塵を拝していただけあって、コスト面では両社を超えるレベルのETFも購入可能になっています。
米国高配当株式や新興国株式に関しては、iシェアーズとバンガードとSSGAの3つ巴状況ではあるのですが、iシェアーズの低コストETFであるコアシリーズの一部は日本の大手ネット証券では取り扱いがないETFもいくつかあります。
そのため米国短期債ETFなんかは、バンガードとSSGAの一騎打ちみたいな状況です(今後、iシェアーズのETFの取扱いが増えるとみつどもえになるのでしょうけど)
今回取り扱いが開始になったSPDRのETFのうち、米国株のSPDRポートフォリオ米国トータル・ストック・マーケット ETF(ティッカー:SPTM)や米国外先進国株のSPDRポートフォリオ先進国株式(除く米国)ETF(ティッカー:SPDW)はバンガードの同種のETFよりもコストが安くなっています。
ただ、コストが安いからといってコスト以外の差が埋めがたいものであれば、飛びつく必要は全くありません。
バンガードとSPDRのETFでどの程度ちがいがあるのか?米国株と米国外先進国株のETFを比較してみました。
米国株ETF(SPTM、VTI)を比較
SPTMとVTIの詳細比較
まずは米国株ETFから。SPTMは米国トータル・ストック・マーケットですから、比較対象はバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(ティッカー:VTI)です。
経費率などの項目を比較すると以下の通り。
ティッカー | SPTM | VTI |
経費率 | 0.03% | 0.04% |
保有銘柄数 | 2766 | 3603 |
配当率 | 1.57% | 1.25% |
PER | 25.78 | 26.34 |
総資産額 | $2.32B | $100.34B |
銘柄数、配当率も差がありますね。銘柄数に関してはこれだけ分散していたらあまり関係ないかもしれませんが。
では、ETFの中身はどうなっているのか?
SPTMとVTIのセクター構成比較
2つのETFのセクター別の構成比率を調べてみました。


構成のセクター別の比率でほとんど差のない状況ですから、投資対象は同じといっていいでしょうね。
ちなみに構成上位10社を比較しても同じですし、比率で2%を超えているアップル、マイクロソフト、Amazonの3社の順番も変わりなしという構成でした。
SPTMとVTIのパフォーマンス比較
だいたい同じパフォーマンスになるのではないかと想像できるわけですが、とりあえず運用期間が2000年からということで焼く18年ぐらいの期間で見てますと、リーマンショック後からVTIの方がパフォーマンスがよいです。

ただ、過去10年で見るとパフォーマンスはほぼ一致でした。

比較する限りコストが0.01%程度の差であれば、いまVTIに投資してる人はわざわざ乗り換えなくてもよいレベルなのではないかと考えます。
米国外先進国株ETFを(SPDW、VEA)を比較
SPDWとVEAの詳細比較
次に、SPDRポートフォリオ先進国株式(除く米国)ETFも調べてみました。SPDWは米国外先進国株式ですから、比較対象はバンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF(ティッカー:VEA)です。
経費率などの項目を比較すると以下の通り。
ティッカー | SPDW | VEA |
経費率 | 0.04% | 0.07% |
保有銘柄数 | 1685 | 3881 |
配当率 | 2.51% | 1.80% |
PER | 15.71 | 15.76 |
総資産額 | $2.84B | $70.99B |
経費率の差は0.03%と多めで、配当率もSPDRの方が高い。
銘柄数はVEAの方が倍以上になっていますが、PERはほぼ同じ値でした。
SPDWとVEAの国別構成、セクター構成比較
では、ETFの中身を比較してみましょう。投資対象が米国外先進国で国の分散を行っているので、国別とセクター別の構成を見てみます。


国で比較すると日本の組み入れ比率が1%くらい違いますが、ほぼ差がない状況。順番もオランダと香港が入れ替わってるぐらいです。


セクター別の構成はほぼ差がないという結果でした。
SPDWとVEAのパフォーマンス比較
SPDWには小型株が組み込まれてるので、パフォーマンスに差はないと予測されますが、過去10年でパフォーマンスを調べてみました。

ややバンガードのVEAの方がパフォーマンスがよいという結果でした。ただ値動きは同じなのでこの2つのETFもコストと資産規模以外はさほど差のないといっていいのではないかと。
まとめ
SPDRの米国株と米国外先進国のETFをバンガードのETFと比較してみましたが、パフォーマンスなどの差はほとんどないという結果になりました。
資産規模や出来高の差はあるので、同じパフォーマンスならコストでという印象をSPDRのETFからは感じます。
とはいえバンガードもコスト面では黙っていないでしょうから、近いうちに経費率値下げがあるんじゃないかと。だから、コストが安いからといってすぐに乗り換えはしなくてもいいんじゃないかと考えます。
SBI証券とSSGAはEXE-iつみたてシリーズでつながり深いのですが、マネックス証券のゼロETFみたいな売買手数料無料をやるとしたらSPDRのETFだったら面白そうですけど。
ジョン・C・ボーグル,John C. Bogle パンローリング 2018-05-13


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