ロシアワールドカップ総括 欧州の中心は政治もサッカーもドイツからフランスへ?
1ヶ月間にわたったロシアワールドカップが終わり、ようやく通常の規則正しい生活に戻った感があります。
しかし、Jリーグ所属の選手は大変でわたしは今週末から再会と思ってたんですけど、昨日から再開だったんですね。ワールドカップ出た選手も出場してましたし大変やなと。
日本人期待の若手については先日記事にしましたが、決勝まで終わっていろいろと勢力図の変化や傾向も見えてきましたので、記事にまとめてみます。
4年後や8年後に日本代表で活躍してそうな有望株を国内組中心に18人ピックアップしてみた - 関東在住福岡人のまったり投資日記
サッカーの日本代表は3度目のベスト8挑戦となりましたが、決勝トーナメント初得点&2点差リードの状況から一転、ロスタイムに決勝点という残念な結果になりました。火曜朝3時開始という社会人にとっては地獄のような日程でしたが、今大会って競合がなにかしら問題点を抱えていて差がない印象ですし、ベルギーの基本フォーメーション見たら守備が弱そうに見えたんですね。...
当時はブログ書き始めて半年ぐらいの時期なのですが、予想してたことは結構当たってたんですね。
W杯総括 ~経済とCL成績から必然だったドイツの優勝~
イングランドに関しても大丈夫?と書いたのですが、今大会復調しました。とはいえ、若手が順調に育たないケースもあるため一概に次の大会でいいかというと疑問です。
- スペインなんかは無敵艦隊(笑)と言われてた万年ベスト8くらいになるかもしれません。
- 一方今回の主力が24とかのドイツは今後覇権を取る可能性大と言えるでしょう。それに続くのはロッベン、ファン・ペルシーが30歳のオランダよりは、若手有望株がいるフランスになるのではないかと考えます。
- 南米の代名詞だったアルゼンチンとブラジルは今後欧州に対抗できるのか?という疑問も抱きました。
南米勢は懸念したとおりベスト4に一チームも残りませんでした。
4年ありますので投資でもそうですが投資の考え方も変わってくるように、サッカーもトレンドが変わるとは思いますが、4年後に向けて今後の展望と日本が同様の成績を残すための条件について考えてみました。
今大会から見えてきた傾向
個人的に感じた印象は以下の5点。
- 欧州勢の中でも南欧の強豪が低迷、北欧が好調。
- ブラジル、アルゼンチンが斜陽、南米勢も不振。
- アジア勢が比較的好調。
- アフリカ勢が全滅。
- ティキ・タカ(バルセロナ仕込みのパスサッカー)が退潮
主に見ていきますと、欧州勢がベスト4に残ったクロアチアはともかく、スウェーデンやデンマークも決勝トーナメントに残りましたし、近年アイスランドも力をつけているところを見ると北欧が好調だなと。
一方でポルトガルやスペイン、予選敗退のイタリアなど南欧の国が退潮傾向かなと。
育成に力をいれたベルギーやアイスランドが2年前の欧州選手権から成績が上がっているのを見ますと、やはり育成の重要性が特徴といえるでしょう。
南米勢も不調で、とくにブラジル、アルゼンチンも振るわない結果でした。他のチームを圧倒できなくなっていますし、アルゼンチンはスペイン同様協会内部のゴタゴタでちょっと今後が心配な印象を持ちました。
コロンビアも今大会がピークの割にジーコから4年前の方が強かったと言われてますし、スアレス・カバーニの二枚看板が30超えたとはいえ有望な若手が経験を積んだウルグアイ以外は先があまり明るくない印象を持ちました。
アジア勢は前回より健闘し、逆にアフリカ勢は全滅となりました。欧州や南米との差は縮まったという印象はありますし、セネガルなんかのようにアフリカっぽくない国も出てきているので、これが次回どうつながるかじっくり観察する必要がありそうです。
最後にバルセロナ的なパスサッカーのティキ・タカは完全に退潮となったと思います。
これはJリーグ見てもパスサッカーやるチームでも相手へのプレスや運動量が求められるようになってきている傾向なので、この傾向は続くのではないかと考えます。
欧州の中心は政治もサッカーもドイツからフランスへ?
4年前はしばらくドイツが強いのでは?と思いましたが、今回は予選リーグで敗退。
ドイツは難民問題の影響で、メルケルの長期政権の足下がぐらついていますが、サッカーに目をやると国内リーグでバイエルン・ミュンヘンが独走状態に拍車がかかってしまって、他のチームから引き抜きも続けています。
とはいえここ4年でバイエルン・ミュンヘンのチャンピオンズ・リーグでの成績は悪くなった印象で、バイエルンもチームとして競争力が落ちてリーグ1強の弊害が出つつあるかなと。
もちろん有望な若手は多く、そう簡単に戦力は落ちないでしょうが、政治同様長期政権のレーヴ体制のマンネリ化は漂っていてメンバーの刷新が必要かなと。
一方でフランスはこの4年でバルセロナやレアル、アトレチコあたりの主力が増えましたし、国内リーグもパリ・サンジェルマンの1強状態とはいえ、モナコやマルセイユ、リヨンといった2番手集団のチームも欧州の舞台でも健闘。
有望な若手も多く、4年後も強さを維持しそうではあります。4年後は監督がジダンの可能性はかなり高いと思いますが。
マクロンがデシャン同様長期政権を築きそうな状況は、政治でもサッカーでも欧州の中心がドイツからフランスに移りそうな印象を持ちました。
4年後も日本代表に求められるもの
南アフリカ大会とロシア大会がベスト16でブラジル大会がダメだった理由などいろいろと考えるとベスト8をめざすための必要要件は以下かなと。
①センターバックは180以上の身長必須
②監督は継続が必要だが、大会直前の親善試合からの上積みは必須
③コンディション調整の成功
④スタメン以外にもプレミア、リーガ、セリエA、ブンデス、リーグアンの5大リーグで試合に出てる選手層
次回はカタール開催と言うことで、アジア杯やアジア予選を経験していて多少なりともアドバンテージはあるわけですが、ベスト8を目指す上で必要なのは上記4点かなと。
セットプレイからやられているのと、宮本今野という170台のセンターバックの時に予選で負けてるのを見ますと、センターバックは180必須かと。
さらに付け加えると、フランスはサイドバックのパバール、エルナンデスともに180以上。もちろん長友のような攻撃にもよい影響があれば身長低くても問題ないとは思いますが、セットプレイ対策としてはボランチかサイドバック3人中2人は180以上の選手で組みたいところ。
②はブラジル大会の時、直近の1年でベルギーに勝ったり、オランダと引き分けたりしてたわけですが本番がダメ。これは直前から上積みないまま突入したのもよくなかったんじゃないかと。
南アフリカも今回も直前まで迷走していましたが、直前に変えた分、試合を積み重ねるごとによくなっていきました。
もちろん今回のような2ヶ月前に監督解任は悪手でしかないので今後一切行うべきではありませんが、仮に監督を4年間継続させるとしても、直前までいろいろとメンバーや戦術を試して上積みが計れるようにしておくべきでしょう。
③はブラジルのときは一部で練習負荷をかけすぎてコンディション調整に失敗したという話もちらほらあがってました。ポーランド戦のメンバー入れ替えの件も含めてコンディションの重要性はベスト8を目指す上で必須でしょう。
そして④は選手のレベルを上げるだけではなく、対戦相手がどういう選手が把握する上でも有効だと今回見てて思いました。ファルカオ、ルカク、レバンドフスキーには点取られてませんし。
日本代表は今後、世代交代が心配されますが、④の条件に合致するリーグに移籍する上で、ステップとなるリーグであるベルギーやポルトガル、オーストリア、オランダあたりで活躍する25歳以下の選手は結構います。
4年前も「ドイツのブンデスリーガでのレギュラークラスの中で、選ばれなかった人間(細貝)がいるくらい日本は選手が出てきています。ドイツW杯の時と比べポジティブな人がいるのは、明らかに8年前より進歩しているからでしょう。」と書きました。
たしかに長谷部や本田は希有な存在で、変わりはそう簡単に見つからないでしょう。とはいえ次に向けて芽はでつつあり、比較的ポジティブな要素はあると考えます。
Number(ナンバー)957号 World Cup Russia 2018 The Final (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))
posted with カエレバ
文藝春秋 2018-07-19


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