2030年医療はどうなる?医療4.0 第4次産業革命時代の医療を読んで
今後伸びる産業というと情報技術関連だとは考えますが、欧州や日本、中国など世界的に高齢化が進むに当たって医療・ヘルスケア関連も大きな伸びしろがあるのではないかと考えています。
だからこそバンガードのヘルスケアセクターETF(ティッカー:VHT)をボーナス毎にちょびちょび買い足していってます。
ですので業界にいる人間ではありませんが、将来的にどうなるかについての展望が書いてある本は読んでいく予定。
今年読んだ「ヘルスケア産業のデジタル経営革命」は将来のヘルスケアに関わる企業を4つに分類し、特徴を示しているもので、製薬会社や医療機器メーカーに起こりうるパラダイムシフトを把握する上ではいい本だと思います。
ヘルスケア産業のデジタル経営革命 破壊的変化を強みに変える次世代ビジネスモデルと最新戦略
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ジェフ・エルトン,アン・オリオーダン 日経BP社 2017-10-19
ヘルスケア産業の次世代ビジネスモデルと最新戦略とは? - 関東在住福岡人のまったり投資日記
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また、内容的に洋書ですので日本の医療の動向に関しても気になるんですよね。
その解となりそうな「医療4.0」という本が出ていたので、購入して読んでみました。
医師でありながら起業している人は多い
著者の加藤氏は元厚生労働省官僚で有り、眼科専門医で有りながら、デジタルハリウッド大学大学院の客員教授や社外取締役などを兼務していて、デジタルヘルスの政策提言にも関わってます。
加藤氏以外にもこの本に出てくる30人の医師の方々は医療業務の傍ら起業している人もいたり、病院勤務後創業してたりとここまで起業している人がいるのかと思いました。
また、IoTやビッグデータ関連でIT関連の企業と連携していると思いきや、アプリを開発していたりと、今後は現在の問診などの業務が減っていることから、医療✕○○という組み合わせを意識している人が多い印象。
次世代の医療について主にテクノロジーの観点からここまで考えてる人が結構いるんだなと思いました。
厚生労働省での経験もある人もいることから、こういった人材と省庁の連携をもっと活発にできないものかと考えます。
平均より病院に行く機会が多い人間が考える2030年までには進んでいてほしいこと
身体はあまり頑丈ではなく月1で通ってる病院がある人間ですので、本に書いてある中で是非実現してほしいものもありました。
30人+著者の加藤氏の見解が載ってますので、当然それぞれ予測でここまで進むという点には差異があります。
とはいえ傾向をまとめると以下の4点は共通項として上がってることが多いかなという印象でした。
①患者と医者が把握する情報の差が小さくなる。
②初診から手術までの遠隔治療。
③医療機関、行政機関の情報アクセシビリティの向上。
④未病化対策の重要性。
②~④はますます高齢化が進むからこそ必要かなと。
患者と医者の間の情報格差がネットで減っていくからこそ、臨床医は対面型の医師とデータサイエンティスト型の医師にわかれてくのかなと。コミュニケーションかデータ分析かという感じですね。
②に関してはISRGのようなロボット手術が今後増えて5G環境になると遠隔手術も増えるでしょうし、スカイプ形式の初診なんかも需要あるんじゃないかと。
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あとはアレルギー持ちなだけにステロイド系の薬を飲む場合があるので、薬歴の病院間での情報共有は是非進めていただきたいです。薬手帳から一般人が薬名で探すの時間の無駄ですし。
最近行った外部の健康診断では、事前に入力フォームを連絡して情報入力する病院がでした。これに薬歴やら病歴の情報をかに的にアクセス・連携できるようになると、診療の効率も上がるんじゃないかと。
これに混んでる病院の予約の改善が計れるスケジューリングができるシステムもあればなおよいかと考えます。
未病化促進でドラッグストアに注目してもいいかも
医療費抑制のために未病化促進が進むというのは2030年に向かって起こりうることですが、その上で個人的には本の中にはほぼ出てこなかったドラッグストアに注目してみてもいいかもしれません。
首都圏の中にはモールの中に医療機関が入ってるとこもあり、イオンモールの一部では薬局兼処方箋やってるところがありますし、首都圏で店舗が増えてる印象のあるスギ薬局は処方箋扱ってますからね。
さらに九州の小さい規模の範囲でスーパーの代わりになってるドラッグコスモスはさらに東へ進出するの時間の問題でしょう。
スーパーが減って、大きなモールとドラッグストアの中で未病化対応可能になる可能性もあるのかなと。
患者個人の医療情報が医療機関、行政機関で共有されるようになると、当然薬の処方履歴や病歴なんかは簡単にアクセスできるようになるでしょう。
その意味でスーパー代わりで拡大しているドラッグストアって面白いかなとも思いました。
この本に記載されている事が全てではありませんが、次世代の医療で起こりうることのイメージを描くのにはよい本だと考えますし、国内のヘルスケアセクターの起業に投資する人はヒントが得られる一冊ではないかと考えます。


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