ヘルスケアセクターに経済的な堀がある?マーケット・ベクトル・モーニングスター・ワイド・モートETF(MOAT)定点観測
投資をする上で、侵入できない「堀」で守られた経済上の城である「経済的な堀(economic moat)」という言葉がぴったりな企業に投資したいというのは常に考えてる人も多いでしょう。対象が国内企業であろうと海外企業であろうと。
経済的な堀+長期投資という意味で「千年投資の公理」に書かれてある内容を満たしている企業に投資するETFがあればいいなと個人的には考えています。
その候補の一つとなるETFが「マーケット・ベクトル・モーニングスター・ワイド・モートETF(ティッカー:MOAT)」です。
経済的な堀を持つ企業に投資をするのですが、堀を持っているはずなのに投資先を大規模入れ替えを行ったりするなどよくわからない面もあります。
経済的な堀を持つ企業に投資するのに銘柄しょっちゅう入れ替え?マーケット・ベクトル・モーニングスター・ワイド・モートETF(MOAT) - 関東在住福岡人のまったり投資日記
侵入できない「堀」で守られた経済上の城、すなわち、「経済的な堀(economic moat)」という言葉がウォーレン・バフェット影響で有名になっています。ここでいう「堀」とは独自の競争優位性で、これがあることで同じ業界の他社を長い時間かけて凌ぐことができるという競争優位性を意味しています。...
経費率も0.48%とお高めではあるのですが、銘柄入れ替えもダイナミックですので、昨年からどこが変わったのか確認してみました。
マーケット・ベクトル・モーニングスター・ワイド・モートETF(MOAT)セクター別比率はヘルスケアセクターの比率が高い
まずセクター別の比率を見ていきましょう。

ヘルスケアセクターが3分の1を占めていて、生活必需品セクターの比率も高いですね。
昨年がどうだったかというと、ヘルスケア26%、一般消費財22%、資本財14%、金融13%、生活必需品11%。ヘルスケアセクターと生活必需品セクターの比率を高めてきています。
ヘルスケアセクターを重視しているようで経済的な堀を抱えている企業が多いと言うことでしょうか・
マーケット・ベクトル・モーニングスター・ワイド・モートETF(MOAT)構成企業
次に構成企業を見てみましょう。
昨年は25銘柄だったのでけど、いまは46銘柄まで増えています。

アラガン、バイオジェン、メルク、ファイザーとヘルスケアセクターが中心ですが、ちゃっかりAmazonが入ってたりします。
入れ替えが激しいので新たに追加になった企業と生き残り企業をまとめると以下の通り。
昨年から続けて組み込まれている企業
Eli Lilly & Co、Amazon.Com Inc、Biogen Inc、Allergan Plc、Salesforce.Com Inc、Walt Disney Co/The
Express Scripts Holding Co、Pepsico Inc、Procter & Gamble Co、Cvs Health Corp、Amgen Inc
Wells Fargo & Co、Compass Minerals International Inc、Mckesson Corp、Lowe's Cos Inc、
Bristol-Myers Squibb Co、Philip Morris International Inc、Gilead Sciences Inc、United Technologies Corp
Guidewire Software Inc、Stericycle Inc、
新規に追加になった企業
Twenty-First Century Fox Inc、Merck & Co Inc、Pfizer Inc、Campbell Soup Co、Dominion Energy Inc
Medtronic Plc、Zimmer Biomet Holdings Inc、Hershey Co/The、Comcast Corp、Mondelez International Inc
General Mills Inc、General Electric Co、Western Union Co、Amerisourcebergen Corp
Starbucks Corp、Franklin Resources Inc、Microchip Technology Inc、L Brands Inc
Cardinal Health Inc、Cheniere Energy Inc、Microsoft Corp、Colgate-Palmolive Co、Mcdonald's Corp
American Express Co、Charles Schwab Corp/The
数が多いのでまとめるとこんな感じになります。
昨年から組み込まれていた中から消えたのはVisaぐらいですかね。その代わりにアメリカネクスプレスが入ってますが。継続している企業が多い印象。
あとはマクドナルド、P&G、フィリップモリス、スターバックス、ゼネラルミルズと株価があまり冴えない企業を組入れているように思えます。
他の米国株ETFと比較してみると、増配株や高配当株よりもパフォーマンスは良い
最後に最近のパフォーマンスはどうなのか調べてみました。
比較対象として米国株全般のバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(ティッカーVTI:ピンク)、バンガード・米国連続増配株式ETF(ティッカーVIG:青)、MOAT同様銘柄数絞っているiシェアーズ米国高配当株(ティッカーHDV:緑)と比較してみました。

過去1年ですと生活必需品が不調な期間でしたが、増配株のVIGや高配当のHDVには大きく買っていて、VTIとも遜色ないパフォーマンスです。
Amazon組み込んでいるといっても昨年から3%も内状況ですからなかなか頑張ってるんじゃないかと。

運用期間最大の過去6年でみてもなかなかのパフォーマンスを示しています。
昨年はVTIを上回ってましたし、やはりMOATが投資する経済的な堀を持つ企業は強みがあるといえるのでしょうけ。とはいえ経済的な堀を持つ割には銘柄数も銘柄も入れ替わるなという印象です。
コスト面ではちょっと残念なん感じではありますが、サテライトや米国株に個別投資する場合に参考にできるんじゃないでしょうか。


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