レイ・ダリオのポートフォリオは相変わらず新興国株式の比率が高いが、じりじり比率を下げている状況
トルコの問題で新興国の株式がにわかに騒がしくなりつつあります。
バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(ティッカー:VWO)も先週記事にしたときは年始からマイナス8%ぐらいでしたが、さらに下がって先週末は年始からマイナス11%まで下がりました。
トルコの雲行きが怪しいので、他の新興国の現状についてまとめてみた - 関東在住福岡人のまったり投資日記
4月や5月頃から通貨安などできな臭いのでは?といわれていたトルコですが、ここに来て日経以外でも記事がちらほら見かけるようになってきました。...
インドや台湾あたりは崩れていないので3年前ほどではないのでは?と考えますが、警戒は必要かなと。
個人的に新興国株式に関して参考にしてる情報の一つは世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオのポートフォリオです。
ヘッジファンドの帝王レイ・ダリオは新興国株式の比率をさらに下げて、守備固め中? - 関東在住福岡人のまったり投資日記
ボーナスで投資金額を増やす人も結構いると思うのですが、5月になってから急速に円安になっていて、口数は減るだろうなぁとみていたら再び110円切ってしまいました。...
とはいえ昨年と比較してじりじりと比率を低下させつつあります。
今回2018年6月時のポートフォリオが判明しましたので、新興国株式の動向を考える上でも参考になるかと思い、現状を確認してみました。
ブリッジウォーター・アソシエーツのポートフォリオ組み入れ上位変遷(2018年6月編)
著名な投資家のポートフォリオが確認できるウェブサイトiBillionairで調べてみました。
3月時点で株式の比率を下げつつある傾向が顕著でした。

これが3ヶ月経過してどうなったかというと、以下のように組入れ上位のETFは増減なしが多い状況。

レイ・ダリオの黄金ポートフォリオでは株式のリスクは債券の3倍ということで債券比率高めで保守的だったので、債券の比率を上げてきているのかと思いましたが、まだ株式の比率が高い状況。
今年にはいってマイナス20%と下がっているブラジルに積極的に投資してるのも特徴ですね。そこまでプラス材料があるようには思えませんが。
ちなみにポートフォリオをセクター別に見てみると、バランスがとれたものになっています。

S&P500ETFと新興国株式ETFの推移
ポートフォリオ内の比率が下がっているS&P500のETF(ティッカー:SPY,IVV)と新興国株式ETF(ティッカー:VWO,IEMG,EEM)ですが、過去1年の推移を調べてみました。
ティッカー | 2017年9月 | 2017年12月 | 2018年3月 | 2018年6月 |
SPY | 15.99% | 20.73% | 22.49% | 22.76% |
IVV | 1.39% | 1.79% | 2.05% | 2.20% |
VWO | 25.82% | 25.98% | 23.20% | 21.08% |
IEMG | 8.99% | 7.26% | 5.00% | 5.54% |
EEM | 19.67% | 12.61% | 5.31% | 3.22% |
1年でポートフォリオ内の新興国株式ETF3本の比率は5割超えから3割を切る状況まで半減させています。
S&P500 ETFのように一部売却したけど売却量はそこまでないためポートフォリオ内での比率が上昇していますが、新興国株式は顕著に比率を下げつつあります。
とはいえ新興国の雲行きは前の4半期と比較しても悪くなってる状況ですから、むしろそこまで減らしていないなという印象です。
5年前のポートフォリオから、ここ5年ぐらいポートフォリオを見てみました。
以下は5年前時点のポートフォリオですが、2018年6月ほど新興国株式ETF3本の比率を減らしたことは最近ないわけで。

レイ・ダリオは2019年~2020年に景気後退に突入すると発言しているため、その見解に備えつつあるとも捉えられる動きかなと。
レイ・ダリオ氏、巨額の空売り「1年半〜2年後に景気後退に突入する危険性が高まっている」 | ZUU online
巨大ヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツを率いるレイ・ダリオ氏が、220億ドル相当の大手欧州企業株空売りしているほか、2019~20年にかけて景気後退に突入する危険性に警鐘を鳴らしています。


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