米国では小型株より需要がある中型株が気になるので、iシェアーズ・コアS&P中型株ETF(IJH)について調べてみました
7月末に日本の大手ネット証券で取り扱いのある時価総額の大きい米国ETF100銘柄ランキングの記事を書いたのですが、その中で気になる特徴として米国の中型株の時価総額が大きい点があげられます。
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小型株効果が知られているだけに、小型株の方が需要がありそうな印象でしたので。
ということでiシェアーズ・コアS&P中型株ETF(ティッカー:IJH)の中身について気になりましたので調べてみました。
iシェアーズ・コアS&P中型株ETF(IJH)概要
iシェアーズ・コアS&P中型株ETF(IJH)の概要をVOと比較したのが以下の表です。
ティッカー | IJH | VO |
指数 | S&P MidCap 400インデックス | CRSP USミッドキャップ・インデックス |
経費率 | 0.04% | 0.05% |
銘柄数 | 400 | 345 |
分配金利回り | 1.68% | 1.35% |
PER | 22.69 | 26.55 |
経費率も0.01%ほどVOと比べて低く、銘柄数も多めになっています。
IJHはS&Pのインデックスに連動しているため、VOと利回りやPERでも値に差が現れています。
では、IJHの中身について詳しく見ていきましょう。
iシェアーズ・コアS&P中型株ETF(IJH)セクター別比率
まずセクター別の比率から見ていきましょう。

情報技術、金融、資本財、一般消費財といったセクターの比率が高くなっています。
一方で、気になるのは9%程度組み入れられている不動産。
VOをセクター別の比率と比較してみても、情報技術、金融、資本財、一般消費財というセクターの傾向は変わっていないだけに、この不動産を組み入れの影響がどう転ぶでしょうかね。

ちなみにiシェアーズの小型株ETF(IJR)にも不動産が5%程度組み入れられていました。
iシェアーズ・コアS&P中型株ETF(IJH)構成上位10社
次に主な組入れ企業について確認してみました。

ドミノピザが組入れ2番目だとは思うものの、あとの企業は知らない会社名が並んでいます。
一応調べてみますと、ウェルケア・ヘルス・プランズは米国公的医療保険制度「メディケイド」と「メディケア」を中心にプログラムを提供のほか、6万店を超える薬局ネットワークを提供している企業です。
ジャック・ヘンリー・アンド・アソシエーツは米国のデータ処理システム開発会社で、幅広いデータ処理用統合システムの開発、販売、メンテナンス、サポートサービスを提供しています。
キーサイト・テクノロジーは米国の電子計測器メーカー。ソフトウェア関連を扱っているせいか情報技術に分類されているようです。
IDEXはポンプ、流量計などの製品を販売する米国メーカーです。
iシェアーズ・コアS&P中型株ETF(IJH)パフォーマンス
最後にIJH(赤)のパフォーマンスについて確認してみました。
比較対象として青の小型株(IJR)、緑のバンガード中型株(VO)、ピンクのS&P500(SPY)をピックアップしてみました。

過去1年で見ますと小型株が強いですね。一方で中型株のIJHもS&P500を終始上回っています。一方でバンガードのVOはS&P500をほぼ1年下回っていました。
これを比較可能な期間最大まで引き延ばすと以下のパフォーマンス。

中型株、小型株ともにS&P500を大きくアウトパフォーム。期間によっては中型株同士でVO>IJHになってる時期もありますし、中型株>小型株になってる時期も数年続いてたりします。
もちろんこれが将来同じ傾向になるとは限りませんが、中型株小型株に一定の効果はありそうな印象ですので、今後20%を超える調整があったときなどは資産規模が大きい中型株のIJHに投資するのはありだと考えます。
とはいえ調整が起きたときに動く勇気と判断が上手くいくかというのはわからないものですので、大きな調整が起きない限りは、EXE-i グローバル中小型株式ファンドに積み立てるのが現実的な解かなと個人的には考えます。


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