マッキンゼーが予測する未来で鍵となる4つの破壊的な力
仕事をする上でも投資をする上でも未来予測の意見は参考になる面があるかと思います。
個人的には将来を予測する本を読むことは多いので、これまでもそれなりの頻度で読んできています。
前から気になっていた本として「マッキンゼーが予測する未来」という本を読みました。
世界規模のコンサルティング会社であるマッキンゼーの3人のコンサル(ハイテク&石油&銀行、ハイテク専門、中国中心に活動)が膨大なデータや事例を基に、現在の動向と将来の展望について書かれた本です。
マッキンゼーが予測する未来―――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている
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リチャード・ドッブス,ジェームズ・マニーカ,ジョナサン・ウーツェル ダイヤモンド社 2017-01-27
とくに1章の4つの破壊的な力と6章から8章までの今後起こりうる問題点の2点に関しては、いままでそこまで考えなかったなという点に言及されていて、読んで良かったなと。
現状や今後の動向を把握する上で役立つと思いまして、内容をまとめてみました。
4つの破壊的な力
まずは1章~4章で今後起こる4つの大きなトレンドとして以下の4点があげられていました。
- 経済の重心の移動(都市化)
- テクノロジー・インパクト
- 地球規模の老化
- 「流れ(フロー)」の高まり
簡単に言いかえると都市化、技術進化、高齢化、グローバル化ということです。
新興国の都市化が進むことと地球規模の高齢化は、技術進化とグローバル化が2つずつセットかなという印象でした。
新興国の都市化で市場ができる一方、アフリカ以外の高齢化が進むということで、アフリカ市場を目指す場合にどう対応すべきかの視点はちょっと物足りないかと。
4点あげてますが、これは国の中でも起こりうるわけで、日本でも福岡、大阪圏、名古屋、東京圏といった形で集中化が進むんじゃないですかね?
高齢化が進むと年金が貯まるよりも、お金が出ていくという視点を見ると、お金の流れも変わる可能性があるなという印象を持ちました。
投資を行う上で気になる事象
5章から第2部という感じですが、投資を行う上で気になったのは6~8章ですね。
資源価格の増大
新たに発生する資源の需要に供給が追い付かないという話は、数値の予測を見ると今後リスクになりうるなと思いました。
別の視点から考えるとエネルギーや資源関連の国や企業の重要性は変わらないのかなと。
対策は需要と供給側の有効活用という話になっていましたが、6章の中で指摘していた資源価格の変動が大きくなっているという点は気になりました。
2015年夏から1年ぐらいの資源価格の下落に伴う、相場の冷え込みは大きなものがありましたので、また資源価格の変動が相場に大きな影響を与える可能性は意識しておきたいですね。
資本コストの上昇と金利の押し下げ
個人的にこの章の以下の2点は気になりました。
- 先進国、新興国共にインフラの需要が増える。
- 中央銀行に恒久的に国債を買い取らせることで、今の状況が維持される可能性
新興国は都市化で、先進国は古くなったインフラの置き換えでインフラの需要も増えるため、資本コストの増大を指摘していました。
一方、2点目の件についてはやや根拠が薄めだなと。
低金利がいつまでも続かない可能性があるため、柔軟性を通じてリスクに対応するためにもヘッジへの依存を考える必要があるというのはその通りだと考えます。
労働力需給のギャップ
今後高度な労働の需要は増える一方、低スキルな労働の需要は減るというのは考えてみればその通りかと。
いまの日本はどちらも需要が増えていて不足している状況ですが、高齢化+自動化でこの傾向はやがて変わっていく可能性は高いでしょうね。
職務を分解して高スキル人材から一部の職務を低スキル人材orAIへ移譲といのも今後の課題となるかなと。
また、人材派遣や就職支援のサービスは今後も重要性の需要が高い状況になるのではないかと感じました。
危険よりも機会にフォーカスする
最後にまとめのところに書いてあったこの言葉は今後意識しておきたいなと。
待って様子を見るよりも、俊敏性が求められる時代なので、機会にフォーカスすべきと。
ただし、俊敏に動くだけではなく、物事の本質を見極める力も必要なのではないかと。
なんにでも飛びつくだけでは失敗のリスクもありますので、俊敏性にプラスアルファが必要ではないかと読んでて感じました。
本で取り上げられてる内容は他の本でも取り上げられてるものも多いのですけど、経済情勢や将来の動向に関して興味を持つきっかけとなる一冊だと思います。
マッキンゼーが予測する未来―――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている
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リチャード・ドッブス,ジェームズ・マニーカ,ジョナサン・ウーツェル ダイヤモンド社 2017-01-27


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