リーマンショックから10年経って、新興国株式はアジアの独断場に
リーマンショックから10年ということで、iシェアーズ MSCI ACWI ETF(ティッカー:ACWI)を使って10年でどれくらい景色が変わったのかを調べましたが、アメリカと中国が伸びてそれ以外の日本、イギリス、ドイツなどの先進国のウェイトが低くなり、中国以外の新興国も横倍程度という結果でした。
リーマンショックから10年で景色はどう変わったか?国別、セクター別、企業別のウェイトの変化をまとめてみた - 関東在住福岡人のまったり投資日記
リーマンショックから10年が経過しましたが、この間の経済的なものを見るとアメリカ以外の国は落ち込む時期があったため、アメリカ1強が進んだような印象があります。...
中国以外はどれくらい伸びているのかを知りたいなと思いまして、ならば新興国株式のETFを調べてればいいんじゃないかと。
iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF(ティッカー:EEM)は10年前からコストも変わらず、iシェアーズ・コア MSCI エマージング・マーケット ETF(ティッカー:IEMG)にとってかわられた印象ではありますが、過去データの蓄積に関しては豊富です。
ということで、ACWIでシェアを確認したのと同様にEEMで新興国株式内でこの10年どういう変化があったか確認してみました。
EEMの国別の2008年→2018年の変化
まずは2008年から2018年にかけての国別の変化について見ていきましょう。
この間2008年当時は新興国だったアルゼンチンはフロンティアに降格し、近いうちに再昇格予定。
また、当時はイスラエルも新興国扱いでTEVAの組入れ比率が結構高かったのですが、いまは入ってないので先進国に昇格したようです。

現在の組入れ上位の国の2008年当時のETF内でのシェアを見てみました。ポーランドは全くないところから10年で1%を超えてる状況。
一目瞭然でアジア地域の国々は軒並み上昇していて、ブラジル、南アフリカ、メキシコ、ロシアといった他の地域の国々が軒並み比率が下がってます。
ロシアとブラジルは10年前の半分以下になってます。
比率が下がった国は資源国が多い印象で、数年前の資源価格の下落の影響が残っているといっていいでしょう。
EEMのセクター(業種)別の2008年→2018年の変化
続いてセクター別の比率を見てみましょう。
2008年当時は不動産のセクター区分がなかったようです。

情報技術セクターが倍増して、消費関連の一般消費財、生活必需品あたりも増えてきています。
一方で従来は資源国とイコールのイメージだったエネルギーや素材も大きく減少しています。
また、携帯の普及のせいでしょうか?電気通信も大幅に減ってます。
国別の変化でも見ましたが、組入れ比率が下がった国々は情報技術の発展の波に乗れてなかったのが痛かったのではないでしょうか。
EEMの構成上位10社の2008年→2018年の変化
最後に構成上位10社の10年の変遷を見てみましょう。
まず2008年9月末時点でのEEMの組入れ上位10社です。

ブラジル企業が4社含まれてるのが印象的ですね。ブラジルのエネルギー会社とロシアのガスプロムとエネルギー関連の企業が目立ちます。
これが10年経つとどうなったかといいますと・・

ロシアとブラジルの企業が消えて、中国企業が半分を占める状況になってます。
10年前からトップ10に入ってるのはサムソンと台湾セミコンダクター、チャイナモバイルの3社だけですね。
一応EEMはこの10年で経費率は据え置きですが、組入れ銘柄数は増えている状況。組入れ上位企業の比率が高くなってるのは、米国株のVTIあたりとも共通の傾向といえるでしょうね。
現状金融セクターの比率は高いのですが、中国やインドではキャッシュレス化も進んでいる状況。
10年でエネルギーセクターが大きく減少している結果を見ますと、10年後フィンテックが予測通りに発展したら、金融セクターが大きく減少する可能性もあるのではないかと考えます。


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