楽天バンガードから全世界債券ファンドが登場したけど、全世界株式のVTと比べると米国や新興国の比率は低い
楽天バンガードからあらたに全世界債券ファンドが登場しました。
参考記事:楽天バンガードから債券ファンド登場。使い道的には「楽天インデックスバランスファンド(オリジナル比率・オリジナル組合せ)」の組成くらい?
昨年登場した楽天バンガードのバランス型ファンドの債券部分を抽出した形のファンドです。
楽天バンガードからVTとグローバル債券のバランス型ファンド3本が今月設定へ - 関東在住福岡人のまったり投資日記
楽天バンガードシリーズに新たに3本のバランス型ファンドが7/20に設定されます。...
ファンド名:楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンド
投資先:バンガード・インベストメント・シリーズ・ピーエルシー - バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド - インスティテューショナル円ヘッジシェア
信託報酬:0.2796%(ファンド分の信託報酬は0.15%)
運用開始:2019年2月15日
これまでETFに投資する形式でしたが、今回は投資信託へと投資する形になります。
一応バンガードの全世界債券のETFは昨年BNDWというETFが設定されています。
為替ヘッジ分もあるとはいえ、Vanguard Total World Bond ETF (BNDW)だと経費率は0.09%なのでこの分のコストを反映できると、ニッセイやeMAXIS Slimともコスト面で近づけるような気もしますけどね。
BNDWの中身は米国債BNDと米国外債BNDXに投資するETFなので、運用期間が短いことと、為替ヘッジかけたり税制面の観点からアイルランド籍のファンドを選んだのかもしれません。
気になって全世界債券の中身を調べていると、全世界株式のVTとはちょっと構成比が違うというのが気になりました。
VTとは違い、米国の比率は5割を切っている
全世界とつくと以下のVTのポートフォリオのように米国が半分以上を占めているという印象があります。

ところが、全世界債券となると米国の比率は4割切ってるんですね。
12月末時点でのバンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド の報告書を確認すると、アメリカは4割程度で、VTよりも日本の比率は高めです。

ちなみにバンガードのETF(ティッカー:BNDW)だとドイツの比率が高く、アメリカは30%台です。

金融緩和の有無の影響もあるかもしれませんが、全世界株式とはことなり、アメリカ以外の比率が高いという特徴がありました。
また、上記のようにグローバルという名ではあるものの新興国債券の比率は極めて少ない。
バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンドの国別比率で新興国は上位に出てきませんし、ETFのBNDWで見ても数%程度。

全世界株式と比べると、米国と新興国の比率が低いことは留意が必要です。
投資先のファンドのパフォーマンス
では、パフォーマンスはどうなのか報告書から調べてみました。

アイルランド籍なのでユーロヘッジだと思いますけど、昨年は米国債ETFが軒並み下落していましたのでマイナスでした。
コスト面でeMAXIS Slimやニッセイに負けてるので、今後の展望は厳しそうではある
債券部分に関して、ヘッジをかけるという考えはわたしは賛成ですし、Funds-iの為替ヘッジ型のバランス型ファンドに投資しています。
ただし、これが万人に受け入れられるかというとそうではないので、今後資産流入があるかは、eMAXIS Slimやニッセイにコスト面で負けていて厳しそうな印象。
楽天バンガードの場合、バランス型ファンドなんか株式重視型が6億程度の資産規模で、残り2本は1億とか3億ですからね。そこから抽出した債券ファンドでどこまで人気がでるでしょうか。
需要という意味では新興国債券や国内債券の比率が高い均等型の方が、日本では受け入れやすいのかもしれません。


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