幸福度が30代、40代、50代と下がっていくのを防ぐタイミングとは?When 完璧なタイミングを科学する
仕事をしていて多少なりとも給料が上がった影響なのか、はたまた働き方改革の余波のせいなのでしょうか、5年前と比べても打合せの数って3倍以上になっています。
最近は朝からやった方が作業効率がよいという話は結構見ることが多く、午前中に作業を集中してやろうと考えていますけど、午前中に打合せが入ってそれができないということも多々。
また、個人的には最近仕事上ネックとなっていた事象が解決したのが、17時前後が多く夕方に頭が冴えて仕事が格段に進むということもあります。
スケジューリング能力がますます求められる能力となってる一方で、パフォーマンスを上げるために休憩も含めてどうしたらいいのかが気になるところです。
その意味でパフォーマンスが最高になるタイミングというのは知りたいなと。その参考になりそうな「When 完璧なタイミングを科学する 」を読みました。
著者のダニエル・ピンク氏はクリントン政権下で副大統領の主席スピーチライターを務めた後、講義を行いながらワシントンポストやニューヨークタイムスに寄稿しています。
内容としては時間生物学に着目して、「いつ」すればいいのか休息や開始、中間、終了、グループワークなどについてタイミングを科学的に分析した本です。
あくまで自分で試行錯誤が必要とは思いますけど、試してみる価値はあるかなという内容は3点ほどありました。
人には3つの体内時計の個人差がある
勤務形態が夜型にならざる得ない職種がありますが、それを除いても人の体内時計は個人差があり、3つのタイプがいるそうです。
- 朝に強い「ヒバリ型」(約14%)
- 夜に強い「フクロウ型」(約21%)
- その中間となる「第三の鳥型」(約65%)
基本的に60歳以上と12歳以下はヒバリ型に偏り、男性は女性よりもフクロウ型だそうです。
フクロウ型のリズムは20歳頃にピークに達して、その後の人生で徐々にヒバリ型に回帰するそうです。
人生の前半では男性が夜型、女性は朝型の傾向があるものの50歳頃から男女差はなくなっていくとのこと。
少なくともフクロウ型は20%は存在するわけですので、フクロウ型がヒバリ型と同じ時間に作業をやっていたら効率は上がらない(例:「午前中に集中して大事な仕事をし、午後に休憩したあと負担のかからない仕事を短時間集中」が当てはまるのは、ヒバリ型か第三の鳥型)。
適した時間帯一覧表で分析的作業や意思決定はヒバリ型は早朝ですが、フクロウ型は夕方前~夜にかけてにやった方がよいとのこと(洞察的作業は各タイプその逆)。
では自分がどのタイプか判別する方法はとなると(参考サイト)自分の行動を1週間かけて追跡してみるとよいとのこと。
10段階の評価となるとなかなか難しそうな印象を持ちそうですが。
休むタイミング
2章で休む力ということで休憩や昼寝とパフォーマンスの関係が書かれていました。
やっぱり8割近くがヒバリ型と第三の鳥型ですので、午後に注意力が落ちたり、パフォーマンスが落ち込むため、その対策を練らなければなりません。
休息のオススメはコーヒー+昼寝(15~20分)らしいです。個人的にも昼寝は15分は確保するように取り入れてますが、妨害されることも多いのですけど。
また、中間のリフレッシュ休憩でパフォーマンスが谷になる時間を回避する手法について科学的な5つの指針がありました。
- なにもしないよりなにかしたほうがいい。
- 動かないよりも動いた方がいい。
- 1人で過ごすよりも誰かと過ごした方がいい。
- 屋内よりも屋外で過ごした方がいい。
- 中途半端に離れるよりも完全に離れた方がいい。
ようは気分転換をうまくやるには思い切ってやる方がいいということでしょうね。
ちなみに上記の5つの指針の観点から、休憩時間でデスク・ランチはよくないそうです。
幸福度は40代で徐々に下降し、50代で最低になりその後回復する中間地点の問題
最後に興味深かったのは幸福度が20代30代を経て下落していき50代で最低になるグラフですね。

希望が実現しなかったという点をピンク氏は指摘していますが、これは子育てが大変だからそのストレスとかで下がってる面もあるかと思いますね。
ただ、それ以外にもう1つの解釈として、中間の落ち込みは社会学ではなく生物学に由来していて、中間地点で絶対に中だるみが起きるようになっているとのこと。
中だるみを意識するだけでも改善につながるらしく、これはとくに心がけたいなと思いました。
その意味で中間地点でモチベーションを呼び覚ます方法としては以下の5点が示されていました。
- 中間目標を設定する。
- 中間目標を公約する。
- 中途半端なままで文章を終える。
- 鎖を断ち切らないこと(継続し続けること)。
- 自分の仕事がその人の役に立つ、という人を1人思い浮かべる。
仕事中心ではありますけど、1番目と4番目は資産運用でも役立つんじゃないでしょうか。
他にも組織のパフォーマンスを上げる点に関しても書かれていて、ライフハック的な読み物としてはオススメできるものだと思います。


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