麻生太郎に「アジアのリーダー都市にしたい」と宣言した市長の戦略とは?福岡市を経営するを読んで
福岡出身ですので、最近の福岡市の活況を見ておりますとうれしくないわけがありません。
とはいえ関東に来て結構経ちますので、どういう施策を取ったのかは帰省したときや知人の評判などを頼ることになります。
実際の施策の詳細に関しては本に頼るのがいいでしょうね。一時期のAmazon本ほどではありませんが、最近福岡市関連の本もちらほら見かけるようになってきました。
その中の本命としてあげられる、現職福岡市長の初の著書を購入して読んでみました。
現職の高島宗一郎市長は元テレビ朝日系列のアナウンサーで、36歳で初当選後、昨年3期目の選挙も圧勝しました。
アナウンサー時代はプロレス実況もやってましたし、九州ローカルの朝日系列の朝のニュース番組をめざましテレビなどの他局を視聴率で上回るまで成長させた実績もありました。
著書を読んでみて随所にメディアを経験したことを活かしていると同時に、新しい技術への挑戦しようという姿勢もあり好感が持てました。
反対だけ騒ぎまくる政治家よりも、ほんとこういう政治家が増えることが日本にとって必要じゃないかとすら思いましたね。
足を知ることの重要性
市長になった後は周りに味方のいない状況からのスタートだったそうですが、以下のような施策で現在の地位を築いたそうです。
- 数字で流れを変える
- 全員を意識すると動けなくなる
- 部分最適ではなく全体最適で決断する
- リスクをとってチャレンジする人のために時間を使う
- 自軍の戦力を見極めて負ける戦いはしない
- 決めないは最悪の選択
足るを知って最適な戦略を練るということに重きを置いてる印象をもちましたね。
同時にすべてに勝とうとせず、強みと自己能力や資源を活かすということが成功の秘訣のように思えます。
アサデスでめざましテレビなど他局に「視聴率毎分グラフの分析」「地方の番組に求められるのは東京都異なる」といった点を活かして勝った経験が活きてるのだなと。
朝日系列のキャスターだとどうしても文句しかいわないような人材が思い浮かぶ方もいるでしょうけど、片方に凝り固まらずに柔軟性がある点は今後求められる政治家の要素として必要になってくるんじゃないかと思います。
最適なネット、マスコミ戦略
興味をひいたのはネットやマスコミの戦略ですね。
民放の司会をやって人なのに、「テレビや新聞の情報は誰か(報道デスクや編集長)の意思で編集加工された後にでてくるものだが、ネット記事のコメント欄は編集されてない生のデータ。極端な意見をはじくと世の中の真ん中あたりの雰囲気がつかめてくる」とまで言っています。
こういう真ん中の意見を大事にするというのは正しいと思うんですよね。結局新聞で読売が一番シェア獲ってるのは真ん中だからだと思いますよ。
メディア出身者とはいえマスコミの功罪をしってるからこそ、東京で言うところの築地問題のような子供病院の移転問題では、「プロセスを丁寧に見える化する」を実行してマスメディアを経由しない伝える方法でうまく納めたのが評判を高める結果になったかと思います。
また、橋下元知事のようにSNS上でバトルする人もいますが、高島市長は自分がディベートに勝てないということを理解していて、質問や反対意見に議論することはしないそうです。
ある意味、陰謀論をつぶやいちゃう政治家も存在する現状を見ますと、距離を保ちつつ効果的に発信するSNS戦略って今後政治家にも求められるのではないでしょうか?
歴史的に民間に任せる土壌を活かして、最新技術の導入にも取り組む
規制は既得権者を守る砦になることもあるということで、積極的に進めています。
これは福岡市発展の歴史がそういう土壌で発展してきたのもあるかと思いますね。その意味で恵まれているという点は否定できません。
おまえはまだ福岡を知らない。福岡市が地方最強都市になった理由を読んで - 関東在住福岡人のまったり投資日記
ようやくゴールデンウィークが見えてきて、無駄極まりなくまったく楽しくない社畜飲み会さえ乗り切れば休みやという感じになってきています。...
ブロックチェーン先進国のエストニアとの連携を進めていますし、アジア各国との連携から決して新興国を下に見ない態度は、今後人口が減る日本で必要な意識だと思うのです。
最新技術の実験もできるために、国家戦略特区制度を活用していますし、福岡市に人口を吸収されてる他の九州の都市はそれ以上の工夫が必要となってくるでしょうね。2番手の北九州市ですら手を打ってるのに人口が減ってますし。
批判よりも提案を、思想から行動へ、そしてポジティブに
大臣が数分遅刻しただけで審議を5時間拒否するとかアホな行動を取る政治家が大勢いる状況は信じられませんが、高島市長が唱える以下の2点はとても大切じゃないかと。
- 提案した人が自分で動き、他人のべき論より自分の行動で見せる。
- 国や民間に対してべき論を語らずに、どうすれば官僚や政府や企業に協力してもらえるのか、予算が取れるのかを考えて自分なりに戦略的に行動する。
これは与党だろうが野党だろうが国会議員にも必要な要素じゃないでしょうかね。
そしてなにより団塊ジュニア世代で就職から大変さを経験しているにもかかわらず、将来に対してポジティブなのがいいですね。
- 今日よりも明日がよくなるという希望
- 課題先進国だからこそできる攻めの戦略
- 成功の反対は失敗ではない。成功の反対は挑戦しないことだ
プロレス実況の経験があるだけに、アントニオ猪木の影響を受けてる感もありますけど。
でも、団塊ジュニア世代が諦めたらダメというのはほんとだと思いますし、そこから10年くらい下のわれわれの世代も足るを知りつつ、希望を持つことは大切なんじゃないでしょうか。
先週日曜に出張の前日入りで福岡空港の飛行機に乗ったのですけど、7,8年前とか昼間の飛行機空席が結構ありました。
それが飛行機は満席、改築が進んで毎回変わっていくのが実感できる福岡空港や外交人観光客が増えた福岡市中心部を見ていると、今日よりも明日がよくなるという希望を持つことって大事なんじゃないかと実感しました。


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