マネタイズ戦略で注目したい3社の事例
新規事業のビジネス案の提案を会社でやる順番がまた回ってきてしまいましたので、投資にも一応応用可能じゃないかということで、仕事も兼ねて本を読んでおります。
業務的にやってることは普段やりとりしているお客さんの性質上制限が高すぎて、わたしにやらせるなよとは思うのですけど、多少なりとも興味を惹かせる案は出したら月給も上がるかなと。
その過程で「マネタイズ」というフレーズに着目して考えてみようかなと思いまして、「マネタイズ戦略」という本を読みました。
著者の川上昌直氏は兵庫県立大の教授で、ほかの大学の客員教授も務めている人で、経営学者でもあります。
最初は自分の仕事のために読んでましたけど、この本の中で8つの事例を読んでおりまして、むしろ投資をする際にも役立つのではないかと思いました。
投資対象の企業の新しい発想に気づけるかという意味でも必要だなと。
とくに印象に残った会社が以下の3社です。
キャラクターのライセンスに関しては日本企業も参考になる マーベル
マーベルというとスパーダーマンやXメンで有名ですが、何度か経営で苦境を強いられてきています。
その中で上手くキャラクターのライセンスを映画会社に貸し出すことでマネタイズ化して経営を2000年代中盤には立て直し、やがてディズニーに買収されました。
とはいえ自社制作の部分は行っていてキャラクターを育てることもやってるんです。
ソニーにスパイダーマンを渡しているわけですが、「スパイダーマン:ホームカミング」はソニーの出資を受けて配給あsれているものの、制作はマーベルがやってるんですね。
コミックキャラクターのエージェントという発想は雑誌の売り上げが急落している集英社あたりは参考になるんじゃないかと思うんですよね。
スラムダンクの舞台になった江ノ電の鎌倉高校前踏切が外国人観光客の観光地になってるの見ると、せっかくもってるキャラクターコンテンツを活かす観点は必要じゃないかと考えます。
マネタイズ先行でビジネスを大転換 アドビシステムズ
もう1社アメリカの企業でアドビシステムズの話も印象に残りました。
リーマンショックの頃に収益が最高潮であったにも関わらず、すでにぴーくを迎えてる可能性高いため、既存の資産を利用してどうしたらよいのかを真摯に向き合ったそうです。
結果がパッケージ版のソフトウェアを廃止してクラウド型に完全移行し、サブスクリプション型への大規模な転換が成功していまでは売上の大半がサブスクリプション型を占めるようになっています。

クラウド、クラウドと2012年頃発言していた日本の企業はIT関連以外でも多かったわけですが、実際にここまでビジネス転換できた企業はそうはないでしょうね。
今後のビジネスにおいても大規模転換が迫られたときに参考とすべき事例ではないかと思いました。
地域のコミュニティをマネタイズで表現する ピーターパン
アメリカ企業ばかり取り上げてるわけではなく印象に残った日本企業も1社ありました。千葉県にパン屋を展開しているピーターパンです。
わたしも一度行ったことがあるのです。ただ、混んでたのでコーヒー無料とか気にせずにそのままテイクアウトしてしまいましたけど。
実はできたてのパンが並ぶ工夫がされていて、いま思うとその場で食べればよかったと思わせるものでした。
パン屋ではなく地域のコミュニティ形成企業であると自社を捉えていて、うまく儲けないポイントを明確にしつつも、一切手を抜かない点は面白い仕組みだなと。
実際、店舗に行ったときは飲食店スペースは大混雑の状況で、駐車場も12時前で満車状況でしたからね。
ただ、既存の郊外型店舗型のニーズだけでなく車を持たない人が増えてる状況も考えていて、船橋駅や千葉駅内にも駅型の店舗を展開してます。
パン屋だけでなくこれからコミュニティ形成としての機能を備えた類似の店は増えるんじゃないかと思いました。
2つのブレイクスルーのロジック
とここまで書いてきて自分の会社でビジネス案考えるとしても袋小路に入ってしまいそうになりますが、まぁそこは業務時間も使って考えるとして、ロジックを簡略化した図は投資でも役立つかなと。
上が、ピーターパンの事例で、下がアドビシステムズやマーベルの事例になります。


もちろん企業は持ってる技術や商品が確固たるものであることは前提ではありますが、投資をする際に対象の企業が新規事業などを検討している場合に、上記の図に当てはめてどうなのか?を考えると面白いかなと。
とくに今後は企業が持ってるコンテンツの有無で差が大きくなる時代だと考えますので、プラットフォームを持たない企業は、コンテンツをいかにマネタイズするが重要になってくる時代じゃないかと本を読んでいて考えました。


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