ジェレミー・シーゲルとロバート・シラーがバリューやモメンタムに着目した指数を発表
4月になり米国市場もサマータイムになってますし、金曜除いてだいたい12時に寝ていることが多い人間からすると、米国上場の銘柄は買いやすい環境になってきました。
仕事も先月に比べてましなので、個人的に注目している国やファクターの投資をちまちま進めています。
で、ファクター投資の意味で気になるニュースを見ました。
シーゲルとシラー両教授の新指数がローンチ – The Financial Pointer®
Athene USAとAnnexusが先週、2つの新たな指数を発表した。
その考案に携わったのが、かのジェレミー・シーゲル教授とロバート・シラー教授だ。
まずジェレミー・シーゲル考案の指数は以下の通り。
バリュー+セクターローテーションという感じですね。The WisdomTree Siegel Strategic Value Index
米公開企業で規模の大きな500社について営業利益とバリュエーションを四半期ごとに評価、最も過小評価されている4セクターを選定する。
さらに、短期的な戦略的アロケーション変更も行い、株価下落局面でもリターンを得られるよう努めるという。
ウィズダムツリーのインデックスの名前ですので、いずれウィズダムツリーからETFが登場するかもしれません。
で、もう一方のロバート・シラーはもっと興味深い内容でした。
バリューとモメンタムを組み合わせた指数
ロバート・シラーはCAPEに基づくバリューとモメンタムを組み合わせた指数を考案しています。
The Shiller Barclays Global Index
シラー教授の新指数は、バリュー投資とモメンタムに着目し、日米欧に分散することを目的としている。Shiller Barcleys CAPEレシオを用い、先進国市場から割安な市場を選定。
月ごとに割安な株式・債券・コモディティの中でリバランスする。さまざまな市場環境でも安定したリターンを上げることを目指している。
「私たちの指数は、チャンスを求めリスクを管理するために、プラスのモメンタムを持つ世界の多様な主要資産クラスの中から低価格の要素を探すものだ。」
個人的にはシーゲルの指数よりもこちらの方に興味を持ちました。
というのもファクター投資入門でモメンタムとバリューの効果はデータから明らかでしたし。
長期投資家の必読書!?ファクター投資入門を読んで - 関東在住福岡人のまったり投資日記
年末年始の帰省で本は大量に持って帰っているのですが、年始一発目の本の記事はこれにしようと思っていた本を荷物に入れ忘れてしまいました。...
それと景気循環の影響を調整した株価の割高、割安を見ることができるCAPE使ってるので、その観点からのバリューというのは、通常のインデックスやETFのバリューとは一味違う可能性もあるでしょうし。
マルチファクターですでにバリューとモメンタムを組み合わせた指数のETFはすでにある
ただ、バリュー+モメンタムとかってすでにマルチファクターということで指数化されてETFになってるんですよね。
米国株に限定しますと、バンガードもiシェアーズもモメンタム、バリュー、クオリティ、サイズ、マルチファクターといったETFが設定されています(大手ネット証券では買えませんが)。
マルチファクターはバリュー、モメンタム、クオリティで判断していますので、マルチファクターでもいいのではないかという気もします。
ボラティリティあたりのファクターでもスクリーニングされてるので、これが吉と出るか凶と出るかは難しいところですが。
バンガードの米国株スマートベータETF設定から1年。モメンタムETF(VFMO)などの現状を確認してみた - 関東在住福岡人のまったり投資日記
かねてよりモメンタムなどのスマートベータに注目しておりまして、大手ネット証券で該当するETFを購入するためにサクソバンク証券の口座を開設しました。相場が冴えなかったら2月にも投資しようかなと考えていたら平穏な状況が続いています。...
で、米国外先進国などで探してみても以下のETFがサクソバンク証券で取り扱いがありました。
米国外先進国マルチファクター:iShares Edge MSCI Multifactor Intl ETF(ティッカー:INTF)
グローバマルチファクター:iShares Edge MSCI Multifactor Global ETF(ティッカー:ACWF)
経費率は0.3%台くらいですが、大型株中型株対象に、前者が「broad market (quality, value, size and momentum)」後者が「four well-known investment factors: value, quality, momentum, and low size.」とクオリティ、バリュー、サイズ、モメンタムで選んでます。
設定から3年くらいですので、まだまだ改善が必要な面もあるでしょうが、これから運用のデータがたまっていくことでどんどん改善していく可能性もあると思うんですよね。
いまレイ・ダリオの著書を読んでいますけど、1章でブリッジウォーターについて書かれていて、コンピュータで過去データを基に検証しつつも改善していく運用は強いなと。
その意味でマルチファクターって今後面白いんじゃないかと考えます。
バリューはここのところ影が薄く騒いでる人がいないだけに面白いかなと思える面もあります。
シーゲルやシラーといった大御所的存在の人がファクターにプラスアルファの指数を出したということは、今後こういうファンドが注目されていく可能性はあるのかなと思いました。


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