サブスクリプション型ビジネスの代表格のアドビシステムズ(ADBE)
サブスクリプション型のビジネスは最近注目されてきていると思いますが、その中でも代表例としてはアドビシステムズ(ティッカー:ADBE)があげらるのではないかと思います。
フォトショップやPDFが思い浮かぶ会社ですけど、2012年、月額課金制のAdobe Creative Cloudを発表して、パッケージソフトの販売の中止を宣言。
翌年には完全移行したわけですが、最近の株価の上昇は目を見張るものがあります。
マネタイズ戦略に書かれてましたが、リーマンショックの頃に収益が最高潮であったにも関わらず、すでに売上がピークを迎えてる可能性高いため、既存の資産を利用してどうしたらよいのかを真摯に向き合った結果が結びついた好例かと思います。
マネタイズ戦略で注目したい3社の事例 - 関東在住福岡人のまったり投資日記
新規事業のビジネス案の提案を会社でやる順番がまた回ってきてしまいましたので、投資にも一応応用可能じゃないかということで、仕事も兼ねて本を読んでおります。...
売上や株価についてまとめてみました。
アドビシステムズ(ADBE)の売上、利益
まずは売上と利益から見ていきましょう。

クラウド型に完全移行したのが2013年ですが、その翌年から5年で売上は倍増以上ですし、とくに利益に関しては7倍近くまで増えています。
ちなみに利益率で見ても2014年時点で10%だったのが、2018年には30%を超えるレベルまでなっています。
アドビシステムズ(ADBE)の売り上げ構成変遷
では、売上構成の変遷はどうなったのか?
ビジネス転換を決意してから2016年までの売上の構成比が以下の通り。

2008年で転換後、リーマンショックを経て売上が順調だったにもかかわらず、そこから1年の売上減を耐えてこの状況ですから、10年スパンで先が見えてるのが素晴らしいですね。
あとこの表見て興味深いのは、サービスに関してもそれなりの売上があって2010年頃からは増えていますので、サブスクリプション型と平行してサービス関連も伸ばす可能性があるのかなと考えます。
アドビシステムズ(ADBE)のROE,ROIC,フリーキャッシュフロー
利益や売上が伸びていますが、ROE(自己資本利益率)やROIC(投下資本利益率)を見ても大きく伸びています。

同時にフリーキャッシュフローも3倍ですから、次のビジネスに向けても大胆な施策をとれる形が整ってきてるのがわかります。

アドビシステムズ(ADBE)の株価推移
ここまでポジティブな要素が多い業績もそんなに内容が気がしますが、では株価がどうなっているか?
過去1年でS&P500と比較すると、ボラティリティは高めですがダブルスコア近く。

これを過去10年で見てみると、確かにビジネス業態の転換時には株価が下がっていましたが、徐々に上手くいってるのがわかって一気に株価が上昇しています。

ビジネスの転換を2013年とかに読み切るにはなかなか博打的な要素やよほど先を見据えていないと難しいかなと思いますね。
将来を見通す上では、サブスクリプション型ということで従来の損益計算書なんかも従来とは違ったものを読み取らないといけない時代なのかもしれません。
PEGレシオは1.6と2を超えて割高という感じではありませんが、PERは50超えていて流石に割高な状況。
とはいえビジネス転換を成功させた例を見ますと、今後も動向を追ってみたい会社ではないかと考えます。


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